キャッチコピーのアイデアがどんどん生まれる考え方と具体的な制作手順
本質的な考え方を身につければ、キャッチコピーのアイデアはどんどん出てきますよ。
キャッチコピーの型を覚えるよりも、キャッチコピーの制作過程を身につけたほうがより実践的です!
- そもそも「キャッチコピー」は、どんなことを書いたらいいかわからない。
- 売りたい商品があるんだけど、どんなキャッチコピーを書いたらいいかアイデアが湧いてこない。
それらの悩み、キャッチコピーの技術を使えば解決するかもしれません。
ぼくはフリーランスのWebライターとして仕事をし始めたときに、最初のころはなかなか案件が受注できなくて苦労をしていました。
案件応募の数を増やしても、なかなか受注まで辿り着きません。クライアントを納得させるライティングの実績はあります。
「どうしたら、クライアントにぼくの価値をわかってもらえるのだろうか」
思いつく限り、いろいろなアプローチを試していました。
こんにちは、のざき寿(ひさし)といいます。元お笑い芸人です。キャッチコピーの公募にチャレンジしていたり、noteでエッセイを書いていたりします。
案件応募の時に、応募メッセージの冒頭にキャッチコピーを書いてみました。
「プログラミングもできるWebライター」
ぼくは前職、Webエンジニアとしてプログラミングをしていたので、ライティング意外にも得意分野があることを冒頭でアピールしてみたのです。
すると、クライアントから返事がきました。
おそらくですが、それまでの応募メッセージは読まれていなかったのでしょう。たくさんある応募の中に埋もれてしまっていたのです。
キャッチコピーを書いたことで、クライアントの目に留まることができました。キャッチコピーのおかげで、初案件を獲得することができました。
「お客さんの注意を惹きつけてキャッチする」
これがキャッチコピーの目的です。そして、お客さんに対しての課題解決を伝えられている言葉かどうかが大切です。
どれだけいい商品を作ったとしても、商品を知ってもらえてなければ手に取ってもらうことはありません。
商品に興味や関心を持ってもらわなければ、買ってもらうことはないでしょう。
この記事では、キャッチコピーの考え方や考える上での重要なポイントについて解説していきます。
キャッチコピーには課題解決を書こう
キャッチコピーで伝えなくてはいけない最も重要な要素は「課題解決」です。
あなたが商品やサービスを売ろうとしていたとします。
お客さんに伝えなくちゃいけないことは、
「お客さんがその商品を手にしたときに得られる解決」
このお客さんの課題解決のことをベネフィットと言ったりしますが、キャッチコピーにはこのベネフィットを伝えるようなことを書く必要があります。
「りんご」の課題解決・キャッチコピーを考えてみよう
売りたい商品が「りんご」だとして、どんなキャッチコピーが思い浮かびますか?
- 赤い?
- 甘い?
- 新鮮?
これらは「りんご」の特徴です。りんご(商品)そのものの見た目や性能を言い表した言葉です。これはメリットです。
先ほども言ったように「りんご」がお客さんにとっての何の課題解決(ベネフィット)になるかを考えます。
- お見舞いに持っていこう
- 朝ごはんの代わりに
- おやつの代わりに
これらの言葉は、りんごの食べ方だったり用途だったりを提案しています。
つまり課題解決とは、お客さんに新しい価値を提案することが大事になってくるわけです。
もちろんこのままではキャッチコピーにはなっていません。これから少しずつ、お客さんに刺さる言葉に変化させていきます。
あなたの課題解決・キャッチコピーなんですか?
では、商品をあなた自身にして考えてみてください。
あなたは、周りの人に対してどんな課題解決を提供していますか?
- 顔がいい
- スタイルがいい
- 身長が高い
これらはあなた自身のことを言い表した、特徴やメリットでした。
では、課題解決の視点で考えた場合はどうでしょうか?
- 〇〇業界で〇〇年の実務経験がある
- 最終学歴が国立大学卒
- 新卒
これらは、転職や就職活動で使えそうな課題解決です。
- サッカーが上手い
- プログラミングができる
- 場を盛り上げられる
これらは、仲間うちで活躍できる課題解決かもしれません。
- お金持ちだ
- 高級車に乗っている
- おいしいお店をたくさん知っている
これらは、恋人や恋愛に効果のある課題解決かもしれません。
こうして課題解決(ベネフィット)の視点でキャッチコピーを考えていくと、アイデアはどんどん出てきます。
これらのアイデアを、キャッチコピーでは「切り口(What to say)」と言います。
それでは、キャッチコピーの考え方を詳しく解説して行きます。
キャッチコピーを考え方はたったふたつ
キャッチコピーの考え方は、大きく分けて次のとおりです。
- 何を言うか(What to say)
- どう言うか(How to say)
そして、次の工程を繰り返すことです。
- キャッチコピーを書く
- キャッチコピーを選ぶ
- キャッチコピーを磨く
論理や理屈・考え方のアプローチがあるからこそ、再現性のあるキャッチコピーが書けるようになります。
この考え方で、キャッチコピーの公募で賞をいただくことができました。
この記事を読んでもらえれば、人を動かすキャッチコピーが書けるようになります。
ぼくが行なっている方法論を全て紹介しています。
コピーライター養成講座でキャッチコピーの考え方を学びました
ぼくは2020年に、宣伝会議コピーライター養成講座に通ってキャッチコピーを学びました。
宣伝会議のコピーライティング講座は、電通や博報堂などの広告代理店の現役コピーライター・クリエイターが講師を受け持つ、本格的なコピーライティング・キャッチコピーの講座です。
勉強してその奥深さを知ってからというもの、世の中の広告の見方がかわりました。
キャッチコピーの大喜利的な要素
確かに大喜利的な要素はあると思います。お題に対して回答を考えるという点です。キャッチコピーは発想の飛躍が必要で、アイデアを土台に言葉を考えていきます。
しかし決定的に違うことがあります。
それは、求める結果です。
キャッチコピーは、課題解決のための手段であるということです。大喜利は笑いを生むことが目的です。
当たり前だと思うかもしれませんが、大喜利的にキャッチコピーを考えてしまう人もいるのです。
キャッチコピーの書き方なんてものはありません。
誤解のないように、最初に言っておかなくてはなりません。
「キャッチコピーの書き方」なんてフレームワークはありません。
コピーライター養成講座の講師たちは、みなそれぞれ違った考え方・書き方をしていました。10人の講師がいれば、10人とも違った考え方・書き方をしていました。
もちろん毎年生徒を募集している講座ですから、包括する考え方や知識は一緒です。でも、コピーライターそれぞれに違ったアプローチでキャッチコピーを制作していました。
つまり基本をもとに、あなた独自のキャッチコピーの書き方を体系化する必要があるのです。
これから解説することは、あくまでぼくが考えるキャッチコピーの考え方です。数多あるキャッチコピーの考え方のひとつでしかありません。
他人の思考や視点を分析することがコピーライターの実力になる
講座でも散々言われましたが、他人書いたキャッチコピーと自分の書いたキャッチコピーを比較し分析して、その差を埋めていくことがコピーライターの実力になっていきます。
体系化しにくい技術は、そうして自分の刃を磨いていくしかないのです。
これは、ぼくがお笑い芸人をしていた経験からも同じことがいえます。売れるにはどうしたらいいか完璧なフレームワークがあれば、吉本の養成所の卒業生は全員売れています。
いやいや、ぼく売れませんでしたし。
キャッチコピーの目的とは
キャッチコピーの考え方を考えるまえに、キャッチコピーの目的や種類について知っておかなくてはなりません。
キャッチコピーの目的
キャッチコピーのキャッチとは文字通り、人の心を掴むということです。
一応、広辞苑で調べてみました。広辞苑では、キャッチコピーは和製英語でキャッチフレーズと同じ意味と書かれています。
キャッチコピー / キャッチフレーズ
人の注意をひくように工夫した簡潔な宣伝文句
広辞苑
人の興味をひくとはどういうことでしょうか。
「〇〇さん!ちょっといいですか?」
名前を呼ばれたら、あなたは振り向きますよね。これもひとつのキャッチコピーなのです。
- 驚きや発見・気づきがある
- 共感がある
- 納得できて・モヤモヤがスッキリする
こんなとき、人は興味や関心を持ちます。
つまり人の注意をひくとは、人の心・感情を動かすことなのです。
キャッチコピーは、広告対象である商品やサービスの特徴を言葉で表現し、人の心を動かす技術なのです。
キャッチコピーは広告主の課題解決のためにある
何のために人の感情動かすのか。それはクライアントの課題解決が目的にあります。
たとえばあなたがクラアントで、コピーライターに自社商品のキャッチコピーを依頼するとします。
キャッチコピーに求めることはなんですか?
- 多くの人に製品を知ってほしい
- 多くの人に製品を買って欲しい
- 他社の製品よりも自社製品を印象づけたい
広告やキャッチコピーに対し、これらの効果を期待すると思います。商品・サービスの売上向上・認知拡大・ブランドイメージ向上なども期待しますよね。企業スローガンや企業理念・ビジョンも一緒です。
つまり広告・キャッチコピーは広告主であるクライアントの課題解決が目的にあります。言葉によって問題を解決するために、コピーライターが存在しているのです。
コピーライティングの種類とは
コピライティング・キャッチコピーの種類に関しても整理しておかなくてはいけません。
コピーライティングは広告媒体や広告手段によって分類があり、それぞれに考え方や技術が異なってくるからです。
- イメージコピー(キャッチコピー)
- セールスコピー・セールスライティング
- Webライティング(SEOライティング)
ちなみにこのブログでテーマにしているのは、イメージコピーです。
それぞれの役割と使用する場面を見ていきましょう。
イメージコピー(キャッチコピー)とは
商品・サービスから連想されるイメージを短い言葉や文章で表現します。主に使用される場面は以下のとおりです。
- テレビCM
- 新聞広告
- 電車つり革広告
- 企業ブランディング / スローガン
- Webサイトのメインビジュアル・Webバナー
一般的にコピーライターやクリエイターは、このイメージコピーを書く人のことを指します。有名なコピーライターに、糸井重里さんがいます。
イメージコピーは言葉だけで使用されることは少なく、グラフィック表現や写真・映像も合わせて一緒に掲載・使用されることがほとんどです。
セールスコピー・セールスライティングとは
商品・サービスの直接的な購買を促す言葉や文章です。主に使用される場面は以下のとおりです。
- DM(ダイレクトメール / レター)
- 折込みチラシ
- メールマガジン
- Webランディングページ(LP)
セールスコピーはいわゆる営業マンがする営業トークと考えていいでしょう。もちろんコピーライターが書くことはありますが、セールス担当の営業マンが書くこともあります。
商品・サービスのメリットを中心に、他社商品との比較・ユーザーの声を掲載します。
ちなみにこの記事自体も、セールスライティングの考え方を使って書いています。
セールスライティングを学びたい方は、こちらの書籍をオススメします。セールスライティングの型が詳しく解説されています。↓↓↓
Webコピーライティング(Webライティング・SEOライティング)とは
ホームページのコンテンツやブログなどに使われている文章です。
- 企業コーポレートサイトブログ
- オウンドメディア見出し / 本文
- ブログ見出し / 本文
- アフィリエイト見出し / 本文
ブログやホームページは、Googleなどの検索エンジンに向けて文章を書く必要があります。そうしなければ、検索にヒットしない可能性があり、一生見つけられないコンテンツになってしまう恐れがあるからです。
この検索エンジンの検索上位へ表示する技術を、SEO(Search Engine Optimization・検索エンジン最適化)といいます。
Webサイトでは検索キーワードに沿ったコンテンツ制作が必須です。この記事も検索キーワードや検索意図をもとに作成しています。
Webライティングの王道といえばこの本です。まずは、検索エンジンやSEOについて知ることから始めないと成果がでません。↓↓↓
これらのキャッチコピーの種類を知り書き分けること技術が、コピーライターには求められてきています。SNSの使った広告や動画広告などが主流になってきているためです。
キャッチコピーの名作を知ろう
イメージコピーと言われても、具体的にどんな言葉かがわからないと想像できませんよね。そこで、名作コピーをいくつか紹介したいと思います。
想像力と数百円
糸井 重里さん
新潮社(1984)
これは、糸井 重里が「新潮文庫の100冊」というキャンペーンで書いたキャッチコピーです。ぼくの好きなキャッチコピーのひとつ。
文庫本はたった数百円で人間の想像力を磨いたり広げたりできる。文庫本の価値を再発見しているキャッチコピーだと思います。
7文字という言葉の短さはまったく無駄がなく、まさに端的な言葉で人の注意を引くキャッチコピーだと思います。
ぼくが好きキャッチコピー
ぼくが個人的に好きなキャッチコピーをいくつか紹介してみます。
おしりだって、
洗ってほしい。仲畑 貴志さん
1982 TOTO ウォシュレット
年賀状は、
贈り物だと思う。岩崎 俊一さん
日本郵便年賀状キャンペーン(2007)
結婚しなくても幸せになれるこの時代に、
私は、あなたと結婚したいのです。坂本 美慧さん
ゼクシィテレビCM(2017)
キャッチコピーは時代を反映するものが多く、世の中に影響を与える言葉も数多くあります。あなたも好きなキャッチコピーを探してみてくださいね。
再現性のあるキャッチコピーを書くために必要な考え方
さて、ここからはキャッチコピーの考え方を解説していきます。先ほども少し触れましたが、主にイメージコピーについての考え方になります。
そして、ぼく独自の考え方が含まれています。ひとつの考え方として参考にしながらあなた自身の考え方を構築していってくださいね。
講座で教わった、たったふたつのキャッチコピーの考え方
ぼくが通っていた宣伝会議コピーライター養成講座で教わったことは、たったふたつでした。
この考えた方は、どの講師も一緒です。この考え方に基づいて、コピーライターによってアプローチが違うだけでした。
What to sayは、商品・サービスの何を言うか
商品やサービスをあらゆる視点や観点で分析し、キャッチコピーの切り口を考えます。
その商品・サービスを手にすることで得られるベネフィット(価値)や課題解決の糸口となる切り口を見つけることです。左脳的な論理的思考力・分析力が求められます。
How to sayは、商品・サービスをどう言うか
What to sayで見つけた切り口から、具体的な言葉の表現を考えていきます。
人の注意をひいて、ひとの心を動かす表現を考えていきます。
右脳的な発想力や想像力・表現力が求められます。
思いつきでキャッチコピーを書いてはいけない
キャッチコピーは書き手の欲求を満たすものではありません。相手にとってプラスになるポジティブな表現でないと人に心は動きません。
キャッチコピーは、ひらめきや思いつきで考えると単なる言葉遊びになってしまう危険性があります。言葉遊びは自己満足です。
思いつきで考えないように、What to say・How to sayの基本的な考え方をしっかり身につけておくことが、再現性のあるキャッチコピーを書く第一段階です。
コピーライター養成講座の講師であり、宣伝会議賞の審査員でもある谷山雅計(たにやままさかず)さんの本には、キャッチコピー制作の本質が書かれています。いちど目を通してみてくださいね。
What to say(何を言うか)の考え方
広告対象である商品・サービスの良さを伝えるために、切り口を見つけることをWhat to say(何を言うか)といいます。
ここでは、ぼくがキャッチコピーの切り口を見つけるため行なっている具体的な方法と考え方をご紹介します。
切り口はキャッチコピーの出発点
まずは、考えてみてください。
あなたは文庫本の良さをいくつ考えられましたか?
あなたは文庫本をどのように捉えていますか?
切り口は、その商品のベネフィットやメリットのことです。
- 文庫本は、安い
- 文庫本は、持ち運びに便利
- 文庫本は、時間を潰せる
- 文庫本は、硬くて武器になる
- 文庫本は、想像力を掻き立ててくれる
- 文庫本は、部屋に並べると落ち着く
とにかくいろんな角度から文庫本を見つめてみてください。たくさんの切り口を考えることが大切です。視点や観点を変え・俯瞰したり、実際に手に取ったりして考えます。
商品・サービスのポジティブな側面を見つけること・ネガティブな側面を見つけること。これらがキャッチコピーのアイデアになって、キャッチコピーの切り口になるわけです。
ベネフィットに関して深く理解したい方は、こちらの書籍がおススメです。顧客が感じる価値とは何が詳しく解説されています。
フレームワークを活用してキャッチコピーの切り口を考える
文庫本の良さ・広告対象である商品・サービスの良さを深く知り、自分なりの視点・観点を持つことが大切です。
しかし、そんなにポンポン切り口が見つかるわけではありませんよね。
そこで、マーケティングのフレームワークを使います。
先に注意をしておきますと、マーケティングのフレームワークを使うことに振り回されないようにしてください。
フレームワークはあくまで視点を変えるための手段として使うようにしましょう。必ずしもフレームワークを使う必要はありません。
ひとつひとつ詳しく説明していきたいのですが、長くなってしまうので簡単に解説していきます。
5W1Hで商品のストーリーを分析する
5W1Hは、対象が持っている目的や目標・課題を発見するのに便利な考え方です。
マインドマップで連想する
マインドマップを使って言葉を連想していくことでも、商品・サービスに対して新しい発見があり、情報の整理ができるでしょう。
AIDMA(アイドマ)・AISAS(アイサス)で生活者の行動を想像する
AIDMA(アイドマ)・AISAS(アイサス)は、生活者・消費者が商品・サービスを購入するまでの思考を体系化したマーケティングの考え方です。
生活者・消費者は、商品・サービスを知ることから接点がはじまります。そもそも存在自体を知らないと、最終的な購買・利用にはつながりません。
まずは、AIDMA(アイドマ)を解説します。
- Attention(存在を知り)
- Interest(興味を持つ)
- Desire(欲しいと思う)
- Memory(記憶する)
- Action(購入する)
キャッチコピーを考えるとき、商品と生活者との接点が現在どの段階にあるかを考える必要があります。商品の認知の段階・商品購入の直前では、伝える切り口が変わってくるからです。
同様に、それぞれ単語の頭文字をとって、AISAS(アイサス)という考え方もあります。
- Attention(存在を知り)
- Interest(興味を持つ)
- Search(検索する)
- Action(購入する)
- Share(意見共有する・レビュー・口コミ・SNS拡散)
AIDMAのあとにまとめられた考え方で、インターネットを利用した購買行動のモデルです。具体的には、SNSやECサイトなどを介して商品・サービスを購入することを指します。
たとえば、Amazonで買い物をする際、商品を検索してレビュー記事を参考にしたりしますよね。SNSで検索・共有する人もいるでしょう。
ターゲティング・ペルソナを決めてキャッチコピーの切り口を考える
そのキャッチコピーは、誰に語りかける言葉ですか?
顧客の人物像を明確にするために、ターゲット・ペルソナを考えます。
ターゲットは、年代・性別・業界などの広いカテゴリーやジャンルに分類するときに用います。
- 性別
- 年代
- 業界
- 既婚 / 未婚
ペルソナは、具体的な1人の人物像を細かく設定していきます。
- 名前(イメージ写真含め)
- 趣味
- 価値観
- パーソナリティー
- 職業
- 年収
ターゲット・ペルソナを明確にすることを、マーケティングではセグメンテーションと言います。
キャッチコピーは、言葉を受け取った人が「わたしのこと言っているのかも」と、自分ごとに思わせることが大切です。
世代や性別によって言葉の使い方が違い、生活環境も違うので、ターゲット・ペルソナに合わせた言葉選びなどが、言葉の表現に影響してきます。
カスタマージャーニーマップを作る
生活者・消費者が、商品・サービスを購買するまでの「感情」「思考」「行動」のプロセスを図示化したものがカスタマージャーニーマップです。
- どの時間帯に
- どんな環境で
- 誰と一緒にいるときに
- どんな気分で
生活者・消費者の生活を考え、広告対象である商品・サービスとの接点を探ります。
3C分析で広告対象の情報整理をする
商品・サービスの訴求点や類似商品との差別化できるポイントを明確にするために、3C分析を使います。
- 市場・顧客(Customer)
- 自社(Company)
- 競合(Competitor)
3C分析で商品・サービスの情報を整理すると、USP(Unique Selling Proposition)がわかります。USPとは競合優位性のことで、他社製品と差別化できる独自の特徴を指します。
市場では今、何が求められているのかを把握しておくことも大切です。キャッチコピーは時代を反映する言葉が多く、時代に合った言葉は人の心に届きやすいのです。
4P分析で流通をイメージする
4P分析は、商品・サービスのプロダクトを4つの視点から分析します。
- 製品(Product プロダクト)
- 価格(Price プライス)
- 流通(Place プレイス)
- 販売促進(Promotion プロモーション)
その製品は「価値やメリットは何か」「どこで手に入るのか」「価格はいくらなのか」「広告はどこに掲載されるのか」など、把握することに適しています。
製品によってアピールすべき訴求点が違うので、客観的に情報を整理するために4P分析を活用しましょう。
フレームワークを使うことで、分析や情報のヌケ・モレが無くなります。視点を増やすためにフレームワークを使いましょう。
キャッチコピーの掲載場所を想定した考え方
キャッチコピーは、広告の掲載場所を想定して考える必要があるため、流通や販売促進の方法などは、あらかじめ確認しておくことも重要です。
- TVCM
- ラジオCM
- 新聞広告
- 電車つり革広告
- 街角ディスプレイ広告
- Web広告
- ランディングページ
- SNS広告
後々になって苦心して考えたキャッチコピーが掲載場所とマッチしなかった。なんてことにもなりかねないので、きちんと掲載場所は確認しておきましょう。
切り口を考えるための取材をする
商品・サービスの良さを伝える切り口を見つけるために取材をします。
- クライアントへヒアリング(オリエンテーション)
- 現場に行って取材する
- 商品・サービスを実際に使って体験する
- 書籍・インターネットなどで情報を調べる
- SNS検索(Twitter検索、Instagram検索)
- 実際に商品・サービスを使っている人に話を聞く
やはり広告対象を深く知るには、商品・サービスを利用し体験すること・実際に現場に行き自分の目で確かめることが大切だと思います。そこで感じた自分の心や感情の動きをメモしておきましょう。のちにキャッチコピーの材料になります。
切り口の数が最終的なキャッチコピーの本数に比例する
切り口を見つけることは、キャッチコピーを考える上でとくに重要なプロセスです。商品・サービスの「まだ世の中の人が知らない価値」を探せれば、それだけでインパクトのあるキャッチコピーが書けます。
大切なことは、広告対象の商品・サービスをいろんな視点・角度で観察し、深く理解することです。
切り口は抽象度の高い状態の言葉です。このあと、How to say(どう言うか)工程で具体的な言葉や表現を考えていきます。切り口を数多く発見することは、具体的な表現につながるキッカケづくりなのです。
切り口はタグラインになる
タグラインとは、キャッチコピーを支える短い言葉・アイデアのことです。企業の理念やスローガンなどに使われています。
切り口は、ひとことで表現される言葉なので、そのままタグラインとして使うこともできます。
一瞬も一生も美しく
資生堂
やがて、いのちに変わるもの。
ミツカン
お口の恋人
株式会社ロッテ
あしたのもと AJINOMOTO
味の素
水と生きる
サントリー
What to say(何を言うか)がキャッチコピーの作り方の7割を占める
キャッチコピー制作のプロセスで、What to say(何を言うか)を考えることが、全体の7割を占めると思っています。
これはプロのコピーライターも言っていることで、商品・サービスのきちんとした取材や情報整理ができていない状態でキャッチコピーを書いても、本質をついた言葉にはならないからです。
切り口にアイデアを加えるキャッチコピーのコンセプトの考え方
切り口にアイデアを加えて、表現の土台を作っていきます。
それがコンセプトです。
キャッチコピーのコンセプトを考える
コンセプトとは、全体を貫く基本的な観点・考え方です。切り口の伝え方を考えることです。
たとえば乾電池のキャッチコピーを書くとします。乾電池を使用する場面といえば、テレビやエアコンのリモコンや掛け時計など、家電製品が一般的です。
でも実は、災害時の防災グッズにも重宝するのです。子どものおもちゃにも使われています。
使い方のアイデアを提案するアイデアが、キャッチコピーの独自性になっていきます。
How to say(どう言うか)キャッチコピー表現の考え方
ここからやっとキャッチコピーの表現について考えていきます。
What to say(何を言うか)から、How to say(どう言うか)に言葉を仕上げていく工程です。
言葉を磨く3つのプロセスとは
切り口をから人の心を動かす言葉に表現を変えていくプロセスは、具体的に3つの段階があります。
- キャッチコピーを書く
- キャッチコピーを選ぶ
- キャッチコピーを磨く
それぞれ詳しく解説していきます。
キャッチコピーを書く
切り口をもとに、キャッチコピーをたくさん書きましょう。
たとえば切り口ひとつに対し、10本を目標にキャッチコピーを書くようにします。切り口が10本あれば、100本のキャッチコピーが書けるわけです。
キャッチコピーをたくさん書く理由
たくさんのキャッチコピー候補から選ぶのか、
それとも数本のキャッチコピーから選ぶのか。
100本中の1本なのか、5本中の1本なのか。
当然、たくさんのキャッチコピーから選んだ方がいいですよね。
頭の中にあるアイデアと言葉を吐き出すように、単語レベルでもいいのでキャッチコピーを書いてみましょう。
たくさん書くことによって次の工程である、キャッチコピーを選ぶプロセスにつながります。
キャッチコピーを量産する考え方
ぼくがオススメする方法は、大喜利を使って考えることです。
キャッチコピーは注目されることが大切です。インパクトのあるキャッチコピーには、少し笑えるユーモアがあったりします。
大喜利を使って考えることで、人を笑わせよう・楽しませようというサービス精神が生まれます。韻を踏んだり言葉遊びやダブルミーニングしたりなど、頭を柔らかくして柔軟な発想を引き出しましょう。
他の人が思いつかないようなキャッチコピーに出会うまで、粘り強く根気よく考えましょう。キャッチコピーは自分との対話であり、自分との戦いです。
キャッチコピーは短く書こう
長いキャッチコピーは、最後まで読んでもらえない可能性があるので注意が必要です。
キャッチコピーを考えていると文字数が多くなりがちです。広告対象を深く知れば知るほど、多くを伝えたい気持ちになるからだと思います。
しかしキャッチコピーは、短ければ短いほうがいいとされています。キャッチコピーは一瞬の勝負なので、言葉の意味を理解しやすく、インパクトのある短いキャッチコピーのほうがいいのです。
キャッチコピーを短く書くと、SNSでの拡散や口コミなどでキャッチコピーが流通しやすいメリットもあります。
ボツになったキャッチコピーは、ボディコピーに使える
100本書いたキャッチコピーは決して無駄にはなりません。ボディコピーとして使えるからです。
ボディコピーとは、キャッチコピーの後に読んでもらいたい、まとまった文章のことです。キャッチコピーでは伝わりきらない想いや詳細を伝えるためにあります。
キャッチコピーの一つひとつは短い文章ですが、広告対象の視点がたくさん生まれています。接続詞などでつなぎ文章の構成を考え言葉を整えることで、ボディコピーとして使うことができます。
新聞広告やチラシには必ずといっていいほど、ボディコピーが添えられています。
キャッチコピーを選ぶ
書き出したキャッチコピーの中からいいキャッチコピーを選びます。キャッチコピーは書く力も大切ですが、同じぐらい選ぶ力も重要なのです。
いいキャッチコピーを選ぶ基準を考える
人の感情が動かなければ、いいキャッチコピーとはいえません。
人の心が動く言葉かどうかをひとつの基準にしてください。
それに加え、広告主、広告対象である商品・サービスの課題解決ができている言葉かどうかも重要な視点になります。
人が動くとは、次のようなことです。
- 人の心を動かす(感情)
- 人の頭を動かす(脳の記憶)
- 人の体を動かす(行動)
記憶に残るキャッチコピーも人を動かしたことになります。ブランドの認知やイメージの向上は、人の記憶にアプローチしているのです。
あなたの書いたキャッチコピーは、ターゲット・ペルソナを振り向かせたでしょうか。
人の感情が動く瞬間とは
おさらいになりますが、人の感情が動くには次のようなことが含まれています。
- 新しい発見や気づきがある
- 共感できる
- 実感が湧く
- 納得できる
キャッチコピーにこれらの感情が含まれていなければ、成果を出すことは難しいでしょう。
自分の書いたキャッチコピーで、自分の感情が動くのかも大事ですね。
商品・サービスにキャッチコピーを配置してみる
最終的にキャッチコピーは、広告として掲載されます。
- TVCM
- 新聞広告
- 電車つり革広告
- ポスター
- 企業ブランディング / スローガン
- Webサイトメインビジュアルのキャッチコピー
実際に配置してみて、キャッチコピーに違和感がないか確認をしましょう。
キャッチコピーを声に出して読む
人はキャッチコピーを脳内で読みます。文章のリズムや読み方・言い方を確認するために、音読しましょう。
キャッチコピーに言いにくさや違和感・リズムやテンポの悪さなどがあれば、読み手も同じように端切れの悪さを感じます。
声に出すと客観的に判断しやすくなるので、絶対に音読して確かめましょう。
他人にキャッチコピーの意見を聞く
他人にキャッチコピーの感想を聞くことも有効な手段です。
- キャッチコピーを学んでいる人
- 正直な意見を言ってくれる仲間
- 複数人に聞いてランキングを決める
いろんな感想がほしいからといって、やたらと他人に意見を求めるのはオススメしません。多様性が生まれすぎて迷ってしまい自分の意見を持てなくなるからです。
信頼のおける何人かだけに絞って意見を聞きましょう。
キャッチコピーを磨く
選んだキャッチコピーを洗練させていきましょう。キャッチコピーを磨くことは最後のプロセスになります。
- 話し言葉にしてみる
- 漢字・ひらがな・カタカナにしてみる
- 逆説的な言い方にしてみる
- 主観的 / 客観的視点で言葉を変える
- 類語を探す
- 「てにをは」の省略
- 改行、句読点の位置を変える
- 倒置法で表現する
- 比喩表現を使う
レトリックを使い、納得のいくまでキャッチコピーの表現を探りましょう。キャッチコピーを磨く時間は楽しいですよ。
キャッチコピーは磨くことから考えてはいけない
ここでひとつ注意が必要です。コピーライター養成講座で口酸っぱく言われたことは「キャッチコピーを磨くことから考えるな」でした。
What to say(何を言うか)がきちんと考えられてない状態でキャッチコピーを磨いても、絶対にいいキャッチコピーにはなりません。出発点が間違っているままだとゴールに辿り着くことはないのです。
キャッチコピーを磨く技術よりも「キャッチコピーを書き散らす」「キャッチコピーを選ぶ」この力が重要なのです。
実際のキャッチコピーについては、ぼくの公募実績をご覧ください。
キャッチコピーの考え方はコピーライターによって違う
キャッチコピーの作り方はコピーライターによって違います。今回紹介している方法は、ぼくの思考法でキャッチコピーの作り方のひとつに過ぎません。
あなたは、あなたのキャッチコピーの作り方を考えていきましょう。
大喜利の考え方でキャッチコピーを書く
キャッチコピーを考える上で、他人とアイデアが同じになることが一番避けたいことです。でもそう簡単に奇抜なアイデアはでないですよね。
誰も思いつかないアイデアが欲しい時。大喜利でキャッチコピーを考えるのはどうでしょうか。
- 〇〇〇は、〇〇〇だ!
- こんな〇〇〇は嫌だ!
- 〇〇〇の目線で言えば
キャッチコピーが書ける人は企画力も身についていきます。企画を考えて実行することもコピーライターに求められるスキルです。
キャッチコピーのトレーニング方法
キャッチコピー脳を鍛えましょう。ぼくが実践している具体的なトレーニング方法をまとめてみました。
SNSを活用してキャッチコピー脳を鍛える
SNSは文字数制限があるので、伝えたいことを端的に書く必要があります。キャッチコピー練習にはもってこいのツールなのです。
フォロワーからの反応がもらえる機能も、人の反応を知る指標になります。
ツイッターを利用しているコピーライターも多いので、情報収集ができるのも便利です。
公募に応募してキャッチコピーの実績を作る
積極的にキャッチコピーの公募に応募しましょう。
評価を得ること・実績を作ることがキャッチコピーの上達とモチベーションの維持につながります。
ここまでが、コピーライティングの考え方・作り方のコツでした。
いままで解説したキャッチコピーの考え方は、イメージコピー・セールスコピー・Webコピー、すべてに通ずる考え方です。
あなたのキャッチコピー制作に、なにか参考になればうれしいです。
キャッチコピーを学ぶと人生が豊かになる
キャッチコピーを学ぶと、言葉に意識が向くようになります。
いい言葉を使えば、良い習慣が身につき、人生は豊かになると思っています。
生活の中で、目標管理や自分の思い込みを変えるためにキャッチコピーを使ってもいいのです。広告だけがキャッチコピーではありません。
最後に、本気でコピーライターを目指す人は、宣伝会議のコピーライター養成講座に通うことをオススメします。現役コピーライター・クリエイターとも繋がれるチャンスもあります。
なにより、同じ目標に向かって努力する仲間はかけがえのない財産になります。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
あなたの、キャッチコピーの考え方の参考になればうれしいです。