「なんでやねん!」 – 商品にツッコミを入れてベネフィットを考える
なんでやねんっ!
ツッコミを上手に使うと、商品・サービスのベネフィットが考えやすくなります。
ベネフィットはキャッチコピーの「切り口」です。
こんにちは、寿(ひさし)です。
僕は20代のころ、お笑い芸人をしていました。
https://hisashi-media.com/profile/「なんでやねんっ!」は、漫才のツッコミフレーズのひとつです。
商品・サービスのベネフィットを見つけるとき、対象に「なんでやねんっ!」をぶつけてみてください。商品・サービスの良いところや課題が見つかります。
なにか、ヒントになればうれしいです。
商品・サービスを「使っている人」に向けて「なんでやねん」をぶつけてみる
「商品・サービスにツッコミを入れる」と簡単に言いましたが、漫才やツッコミがわからない人にとってはイメージしにくいですよね。
そこで、商品・サービスを「使っている人」「使っていない人」と、登場人物をふたり設定し、掛け合いをすることにします。
「使っていない人」が「使っている人」に対して「なんでやねん(疑問)」を投げかける形式で、掛け合いを進めて行きます。
漫才の登場人物
A:商品を使っている人
B:商品を使っていない人(ツッコミ)
「A」の人物は、商品・サービスの良さを知っている人です。「B」の人物は、商品・サービスの良さに気づいておらず、疑問をぶつけていきます。「B」は「A」からベネフィットを引き出していきます。
ベネフィット引き出す漫才
キッコーマンさんの「豆乳」を例に、漫才を進めていきます。2020年、宣伝会議賞に、キッコーマンさんの「豆乳」の課題があったので例題として採用します。
https://hisashi-media.com/copy-apply/sendenkaigi-award-2020/漫才(掛け合い)スタート
A:やっぱり豆乳はおいしいね! B:なんでやねん。おいしくないよ。豆乳って味ないよね。 A:無調整豆乳と調整豆乳があって、調整豆乳は飲みやすくておいしいよ。 B:いつ飲むの? A:運動やトレーニング後がいいかも。豆乳には豊富なタンパク質が含まれているから、筋肉を作るのに効果的だよ。 B:じゃあ、運動しない人には必要ないの? A:豆乳は料理にも使えるよ。豆乳鍋とかあるでしょ。クリームシチューとか、牛乳の代わりに使うといいよ。 B:牛乳でいいような気がするけども。 A:牛乳は苦手な人がいるけど、豆乳なら飲める人もいるんだよ。 B:なんか飲むイメージが湧かないんだよな。 A:忙しい朝とか手軽だし、豆乳は美容にいいから、お母さんは朝ごはんに飲むといいかも。 B:じゃあ、おじさんは飲まへんのか? A:会社でお昼に飲んでたら、健康に気を使ってるアピールできるかもね。 B:というか、飲むだけなん? A:凍らせてアイスにして食べるとおいしいよ!こどもはきっと喜ぶと思う!
会話にしたほうが、普通に考えるより楽しくないですか?
頭の中で会話をしながら考えてもいいですし、ノートにメモしながら商品・サービスのベネフィットを探してもいいと思います。
https://hisashi-media.com/copy-learn/benefit/「ツッコミ」は質問力を鍛え「答える力」は知識と教養が必要
ここからは、2人の会話を振り返って行きます。二人の会話からどんなベネフィットを引き出せたのか考えてみましょう。
ツッコミとは質問力
ツッコミは質問力です。ツッコミにはポイントがあります。
- 意地の悪い質問(ツッコミ)を入れる
- 掘り下げられることは、とことんまでツッコミを入れる
- 自分以外の視点からのツッコミも考えてみる
商品・サービスへの「問い」や「疑問」が多いことは、自分がそれだけ数多くの視点を持っていることなのです。
自分の知らない商品知識が見えてくる
ツッコミを受ける側の「返し」も重要です。ツッコミに対し、きちんとした返しが出来なければ、商品・サービスの知識や考えが不足しています。
商品知識を調べ、情報を整理するために「マインドマップ」を使いましょう。
https://hisashi-media.com/copy-learn/mind-map/「5W1H」のフレームワークも参考にしましょう。「なぜ?」を何度も問いかければ、ものごとの本質は見えてきます。
https://hisashi-media.com/copy-learn/5w1h/ベネフィットとメリットの違いに気をつける
ここで、ベネフィットとメリットの違いを整理しておきましょう。
ベネフィット(訴求点・切り口)とは
その商品・サービスから得られる価値「ちょっといい未来」のことを指します。先ほどの豆乳の会話から生まれたベネフィットを見てみましょう。
- 豆乳は美容にいいから、綺麗になって幸せになる
- 豆乳は料理にも使えるので、料理レパートリーが増えて家族が笑顔になる
- 牛乳が飲めない人に、安心して勧められる
- 忙しい朝に栄養補給できて、1日元気に過ごせる
いずれも、豆乳を利用したことで生まれる「生活の豊かさ」になっていると思います。人の気分が良い方向に流れ、心が動き行動に変化があったのです。
キャッチコピーを書くときの「切り口」になります。
メリットとは
一方メリットは、商品・サービスの特徴や性能、機能的価値のことです。
- 無調整豆乳・調整豆乳があり、飲みやすい
- タンパク質が豊富(成分)
- 牛乳との比較
消費者の心に届くアプローチはベネフィットです。メリットの先にベネフィットがあると考えましょう。
https://hisashi-media.com/copy-learn/benefit/「なんでやねん」目的を探すためにも使える
実は「なんでやねん」は、さまざま場面で使えます。
- 自分の本当に「やりたいこと」を探すため
- 相手のことを知るため
- 企業の目的を知るため
- キャッチコピーの切り口を探すため
なんでやねんは、言い換えれば「なぜ?」です。問いを投げかけることで、目的や理由が明確になっていきます。
https://hisashi-media.com/column/smart-law/ものごとを難しく考えてしまう方は、頭を柔らかくするために「なんでやねん」を使ってみてください。遊び心を持って考えられます。また、ツッコミ力を磨くことは、洞察力を磨くことにつながります。
なにか、あなたの参考になればうれしいです。
https://hisashi-media.com/catch-copy/