5W1Hは考える順番と伝える順番を意識するとコミュニケーションが上手になる
話が上手な人って、どんな話し方をしていると思いますか。
喋りが達者な人といえば、ぼくはお笑い芸人が思い浮かびます。
たとえばテレビ番組の「人志松本のすべらない話」で話す芸人のエピソードをイメージしてみてください。
「これは中学校の時の話なんですけどね。同じクラスに〇〇君っていう子がいまして、その子がだいぶオカシイ子で、とんでもないことをしでかすんですよ」みたいな。
流暢な喋り口のなかに「いつ・どこで・誰が」がきちんと散りばめられていて無駄がない。
芸人さんは話の舞台設定をわかりやすく相手に伝えるために、ごく自然に5W1Hを使っているのです。
こんにちは、寿(ひさし)といいます。元芸人です。
ぼくも昔は芸人の端くれでした。すべらない話みたいなネタを作った経験もあります。話を作る上で一番気をつけることは、オチの面白さではなくいかに相手に内容が伝わるか。突っ込んだ言い方をするとフリをどれだけ上手に作るかが重要です。
5W1Hはオチまでの道筋、つまり結論までの道筋や順番を考える手助けをしてくれます。
仕事上でもプライベートな場面でも、メールの返信をする・報告書を書く・議事録を書く、どんな場面でも5W1Hは役に立ちます。
5W1Hとは
まずは5W1Hを確認しておきましょう。
5W1Hの項目
5W1Hは以下の6項目で構成されます。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が、誰に、誰と)
- Why(なぜ、何の為に)
- What(何を)
- How(どのように)
5W1Hは、一番重要なことを先頭にもってくるニュース記事を書くときの慣行である。
出典元 : Wikipedia
ニュース記事で最初の段落はリードと呼ばれています。リードには多くの「5W」が含まれるといいとされ、日本では教育現場において国語や英語の文法・文学作品の読解指導に使われています。
「6W1H」「5W3H」「5W1H1R」といった派生もあるようです。
あまりに一般的なフレームワークであるがゆえに、上手く使えていない人が多いと思うのです。
5W1Hは「なぜ・どのように」から順番に考えることもあれば、相手に何かを伝えるときは「何を」などの結論を先に伝えた方がいい場合もあります。
忙しいときに、結論を後回しにする会話を聞くのってイライラしませんか。
5W1Hのメリット
- 本質的な目的・結論を導き出せる
- 論理的に物事を考えられる
- 相手に物事を整理して伝えられる
- シンプルで覚えやすい・一般化されている
本質的な結論を導きだせることから、仕事の場面では課題解決・商品戦略の立案などにも使えます。もちろんコミュニケーションの質も向上します。
場面によって使い分ける5W1Hの考える順番・伝える順番
決まり文句のように「いつ」「どこで」から考えはじめるのはやめましょう。
場面によって考える順番をかえた方が効果的に5W1Hを使うことができます。
アイデア・企画を考えるときの5W1Hの順番
「Why(なぜ、何の為に)」「What(何を)」から考えましょう。
- なぜ、その新商品が必要なのか:Why(なぜ、何の為に)
- どんな商品なのか:What(何を)
- 発売時期はいつ頃か:When(いつ)
- 店舗で販売するのか・Webで販売するのか:Where(どこで)
- ターゲットは誰か:Who(誰が、誰に、誰と)
- 売るために必要なプロモーションは何か:How(どのように、アイデア)
アイデアを考える時は、抽象度の高い項目から考えていきます。そのあとに具体的な問いを考えていく方がいいでしょう。
具体的なことから詰めて考えてしまうと、アイデアに煮詰まったときによくある「そもそも論」が出た場合、またいちから全てを考え直す必要が出てきてしまいます。大幅な変更を余儀なくされます。
根本的で本質的な問題や対象を明確してからのほうが、手段や方法・時期は考えやすいのです。
https://hisashi-media.com/column/brainstorming/報告書や記録をつける時の5W1Hの順番・書き方
「いつ」「どこで」から書いていきます。
報告書や記録をつける時は、考えがまとまっていて結論がでている状態です。具体的な内容から書き始めても問題ないでしょう。議事録や報告書はだいたい書式が決まっていますしね。
論文などの論理的な文章を書く場合
「Why(なぜ、何の為に)」「What(何を)」などの結論から先に伝える方がいいでしょう。結論を述べた後、理由や根拠を書いていきます。
コミュニケーションでの5W1Hの順番
対面での会話やメールなど、コミュニケーションの場面でも5W1Hを積極的に使ったほうがいいでしょう。
5W1Hを意識して会話をすると相手は順序よく会話を受け取ることができる。相手へのコミュニケーションの負担が減るので、伝わらないストレスも減ります。
ぼくはメールを書くときに、とくに5W1Hを意識します。
今度の日曜日、ご飯行きませんか。
近所に新しい中華料理のお店ができて、連日行列ができていて気になっているんです。
そういえば、〇〇さんは中華料理お好きでしたよね。
しばらくお会いしてないので、近況報告などもできたらいいなと思っています。
仕事の依頼などの場合も一緒です。まずは結論となる「What(何を)」要求や依頼から書き始めます。そうすれば、相手は話のゴールがイメージしやすいのです。
よく仕事での報告は「結論から話せ」と言われますよね。それは会話のゴールを先に持ってきて内容の理解をスムーズするためなのです。
5W1Hで本質的な問いを見つけよう
5W1Hの項目の中でもとくに重要な項目は、What(何を)Why(なぜ、何の為に)です。
このふたつの項目は、本質的なことを問うためにあります。
What(何を)は結論・行動を明確にする
- 毎日本を読む
- 毎日運動をする
- 朝早く起きる
これらの行動は、最終的な結果を指しています。結果からプロセスを考えるように「いつ」「どこで」「誰が・誰と」「どのように」と考えていくとものごとは考えやすくなります。
ではあなたは、なぜ・何のために行動・成果をもとめるのでしょうか。
Why(なぜ、何の為に)で本質的な問いを見つける
Why(なぜ、何の為に)は、結果に対して目的・理由を探るための項目です。
人は、What(何を)だけだと納得感を感じにくいものです。成し遂げる意味・理由や根拠があるから行動できるのではないでしょうか。
要するにWhy(なぜ、何の為に)は、動機を考えるための項目なのです。目的と行動が一致していると、人は理解し安心して行動がとれるのです。
https://hisashi-media.com/column/habituation/Why(なぜ、何の為に)は「5回のなぜ」で掘り下げよう
「5回のなぜ」はトヨタ自動車で使われている、本質的な原因を導き出す思考手順です。トヨタではトラブルや問題が起こった時に原因究明の為に使われています。
また、目的や目標を決める時にも5W1Hの考え方は役に立ちます。
https://hisashi-media.com/column/smart-law/5W1Hはコミュニケーションの基礎だ
5W1Hを上手に使いこなすことで、相手とのコミュニケーションはスムーズになります。
結論から考える・結論から伝える重要性を意識するようになると、対話のストレスは減り、思考はスッキリしていきます。
社会人1年生に戻ったつもりで、もういちど5W1Hという基本的なビジネススキルを見直してみませんか。