ひとつのキャッチコピーを書くために、100本は候補を書きましょう。
- キャッチコピーの切り口を見つける
- たくさんの候補から選ぶ目を養う
- 100本の中に1本は、いいキャッチコピーになる言葉がある
僕は宣伝会議コピーライター養成講座を受講し、現役コピーライター講師の方々から講義を受けました。講師のみなさんが口を揃えて言う事があります。
「キャッチコピーは、いっぱい書きなさい」
「数」を書けることが、コピーライターの資質とも言えるようです。
100本という数字は目安で「たくさん書いた方がいい」といった意味で捉えてください。精神論や根性論ではなく、しっかりと「数を書く」理由がありますので、お伝えしていきますね。
なにか、お役に立てればうれしいです。
キャッチコピーを100本書く理由
- キャッチコピーの切り口を見つける
- たくさんの候補から選ぶ目を養う
- 100本の中に1本は、いいキャッチコピーになる言葉がある
上記の中でとく大事なことは「キャッチコピーの切り口を見つける」です。
色々な視点に立って発想を広げておくことが、いいキャッチに辿り着くまでの土台になるからです。
キャッチコピーの制作工程「散らかす」「選ぶ」「磨く」
コピーライティングにも制作工程は、「散らかす」「選ぶ」「磨く」3つの工程で構成されています。
- 散らかす
- 選ぶ
- 磨く
工程を解説する中で、100本書く理由を解説していきます。
キャッチコピーを散らかす
キャッチコピーを思いつく限り書いていきます。商品・サービスのメリットやベネフィット、競合優位性など、切り口はなんでもいいです。
「缶ビール」を例にしてみます。
思いつきで書く
自分が商品に対して感じているイメージや感情を思いつくままに書いてみる。
- のどごし爽やか
- いい仕事ができた後に
- 仲間との乾杯
- 苦味がたまらない
- 外で乾杯できる
- 公園で話し込む時には、缶ビール
- 蓋を開ける音がたまらない
- とりあえずビール
- 最近ビールが美味しくなってきた、大人になった証拠
- 注ぐより、缶ビールの方が乾杯しやすい
ターゲットを変えて書く
他の誰かになって考えてみます。ここでは「新入社員」になりきってみます。
- 仕事がうまくいった夜は、贅沢なビールで乾杯
- 先輩に奢ってもらった缶ビールが忘れられない
- ビールが似合う大人になった
- 同期とは公園で乾杯
- 大人は苦味の違いがわかる
- 缶ビールを開ける音が好きだ
- 高級なお店より、外で飲む缶ビール
- とりあえずビールが様になってきた
- のどごしの意味がわかるようになってきた
思いつかなくなったら、ターゲットを変更していきましょう。人物でなくても構いません。
- 神様
- 犬・猫
- 海外の人
- 高校生
(商品)は、〇〇
発想を広げるために、ひとことで表現してみます。「缶ビールは、〇〇だ」と、言い切ってみます。
- 缶ビールは、冷蔵庫にいつもいれておくと安心だ
- 缶ビールは、時期によって味わいがある
- 缶ビールは、グラスに注いだほうがおいしい
- 缶ビールは、昼に飲んでもうまい
- 缶ビールは、冷蔵庫でキンキンに冷やしておく

キャッチコピーを散らかすとは?
なんの為に散らかしているのかというと、
「商品の良さを伝える切り口」を見つけるためにあります。自分が商品に対して持っている「視点」が、本数に比例します。
- 調べる
- 実際に体験する
- 人から話を聞く
商品に対する興味の深さが、切り口、最終的な言葉の強さになってくるのではないかと思います。
キャッチコピーを選ぶ
先ほど散らかしたキャッチコピーの中から「いいキャッチコピー」選びます。
- 5本の候補から、1本選ぶ
- 100本の候補から、1本選ぶ
どちらがいいと思いますか。
広告に掲載される、キャッチコピーは最終的に1本です。何を基準に、どのような根拠や理由で選んでいきますか。
キャッチコピーを散らかした理由は、自分が「いいキャッチコピー選ぶ基準」をもつための訓練になります。「散らかす」ことは、同時に「選ぶ基準」を鍛える事でもあるんです。
キャッチコピーを磨く
選んだキャッチコピーの言葉の表現を洗練させていくことが「磨く」工程です。前の工程で、いいキャッチが選べていないと、どれだけ言葉を磨いてもいい言葉には近づけません。
- 言葉の磨き方
- てにをは
- 句読点
- 類語で言い換え
- 口語、文語
方法は幾つもあります。コピーライターによっても違うでしょう。
キャッチコピーは「磨く」部分に注目されがちです。ですが、たくさんの切り口の中があった上で人に伝わる言葉を選ぶことの方が、実は重要になってきます。
100本書くことが目的ではない
100本書いたから、いいキャッチコピーが書けるとは言いません。広告対象について、色々な思考を巡らせることに意味があります。
キャッチコピーは、短い言葉の中にアイデアが含まれていなければなりません。広告は基本的に見られていないので、一瞬で人の心を掴む工夫が必要だからです。
発想を広げるために、100本書いてみましょう。
何か、お役にたてればうれしいです。
