キャッチコピーを学ぶ

コピーライター養成講座で「金の鉛筆」を取るために工夫したこと

 他人とは違う「切り口」を考え続けました。

 5本獲得、最高順位は2位でした。

 僕の「金の鉛筆攻略法」は、とにかく書きまくること・考え続けることです。卒業してからも思うのですが「たくさん書く」しかありませんね。

 こんにちは、寿(ひさし)と言います。

 僕は2020年に、コピーライター養成講座・基礎コースに通いました。

 コピーライター養成講座の受講生で「金の鉛筆には興味がない」なんて人は、誰ひとりいないと思います。欲しくてたまらなくなります。
 金の鉛筆を競い合う受講生は、仲間でありライバルです。表面上は仲良くしていても内心は猛烈な競争意識があります。

 同期としのぎを削る中で、作戦なしでは「金の鉛筆」獲得は難しいでしょう。

 当時を振り返り「金の鉛筆」を取るために工夫したことを綴ってみようと思います。なにか、お役に立てればうれしいです。

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コピーライター養成講座「金の鉛筆」とは何か

コピーライター養成講座・課題
コピーライター養成講座・課題

 はじめに「金の鉛筆」とは何かを説明したいと思います。金の鉛筆は、コピーライター養成講座で出される課題に対し、優秀なキャッチコピーに送られる戦利品です。

「金の鉛筆」は、コピーライター養成講座で「いいキャッチコピー」に送られる戦利品

コピーライター養成講座・金の鉛筆
コピーライター養成講座・金の鉛筆

「金の鉛筆」は、コピーライター養成講座で「いいキャッチコピー」に送られる戦利品
 コピーライター養成講座では、講師からキャッチコピーの課題が出され、受講生は講義の前にキャッチコピーを提出します。
 講義当日、講師が授業の終盤に、優秀なキャッチコピーをランキング形式で10本を発表していきます。選ばれた受講生だけが、鉛筆のお尻に順位の刻まれた「金の鉛筆」を受け取れるのです。

 「金の鉛筆」は、金色にコーティングされた、普通の鉛筆です。しかし、この鉛筆がほしくてほしくてたまらなくなります。

金の鉛筆を競い合い、切磋琢磨する受講生たち

 講師が授業の終盤に、優秀なキャッチコピーをランキング形式で10本を発表していきます。選ばれた受講生だけが、鉛筆のお尻に順位の刻まれた「金の鉛筆」を受け取れるのです。

 僕が講座に通っていた時は、50名ほどの受講生がいました。ひとり、10本くらい提出ができるので、多い時は、500本のキャッチコピーと競い合うわけです。

 みんな「金の鉛筆」を獲るのに必死です。

 「金の鉛筆がほしい」という裏側には「実績がほしい」「認められたい」という想いがあるからです。

 自分の書いたキャッチコピーが、箸にも棒にも掛からなかったときの、あの悔しさ。いいキャッチコピー講師から評価されて名前を呼ばれたときは、スキップして鉛筆を取りに行きたくなるくらい嬉しい、優越感。今でもいい思い出になっています。

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コピーライター養成講座で「金の鉛筆」を取るために考えたこと

 講師にキャッチコピーが評価されなければ、金の鉛筆を獲得することはできません。選ばれるコツは、目立つキャッチコピーを書くことです。

他の人と似たようなキャッチコピーは書かないこと

 「受講生から提出されるキャッチコピーのほとんどは、切り口が似ている」と、講師の方は言っていました。

 自分が思いついた切り口は、他の人も思いつくと考えましょう。

 講師の方も「人と発想が被るキャッチコピーは恥と思ったほうがいい」と言っていました。

 みんな必死で、他の人と違う視点や切り口を探しています。同じようなキャッチコピーが並ぶなかで、少しでも切り口が違うキャッチコピーは目立ちます。

 キャッチコピーは「目立つ」ことが大切なのです。

 目立つだけで選ばれる確率は上がります。ちなみに講師には、宣伝会議賞の審査員をされている方もいらっしゃいます。「宣伝会議賞に応募されるキャッチコピーの9割は同じ切り口です。切り口が違うだけで目立ちます」とのこと。コピーライター養成講座で金の鉛筆を取ることも、宣伝会議賞で賞を取ることも、同じことなのです。

 人と違うキャッチコピーを書く事が、本当に大事なんです。

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広告・キャッチコピーは見られていない

 TVCMを見ますか?

 YouTube広告はスキップせずに見ますか?

 印象に残っているキャッチコピーを覚えていますか?

 普段わたしたちは、さまざまな広告に囲まれて暮らしています。テレビやスマートフォンからは多くの広告が流れてきます。あなたの中で印象に残っている広告はありますか?
 人は、基本的に広告を見ていないのです。一生懸命考えたキャッチコピーは、ほとんど、人の印象に残りません。むしろ、広告は邪魔者扱いされ、ネガティブなイメージを持たれています。そういった前提に立ち、キャッチコピーを考えることが大切です。

 キャッチコピーの「キャッチ」は「掴む」といった意味があり、キャッチコピーは短い言葉で生活者を惹きつける工夫・アイデアが必要です。

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金の鉛筆を獲得するために工夫したこと

 実際に僕が「金の鉛筆」を取るために工夫したことを紹介したいと思います。

とにかく「切り口」を考える

キャッチコピーの切り口を考える
キャッチコピーの切り口を考える

 切り口の多さが、キャッチコピーのクオリティーに直結すると思っています。切り口とは、その広告対象を見る、視点や角度・観点など、思考の深さです。

 たとえば「お米」で切り口を考えてみます。

  • 日本人の主食
  • 甘い
  • おかずに合う
  • お米離れが進んでいる
  • 日本のお米は美味しい
  • 秋が旬

 など、いろいろな「切り口」が挙げられます。切り口はポジティブな目線にしましょう。そもそも広告は、商品やサービスの良さを伝えるものだからです。

 また「お米」を、誰の視点で見るかによっても「切り口」は変わってきます。自分以外の視点を考えることで、切り口はどんどん広がっていきます。

  • 自分自身
  • 親・子ども
  • 職業
  • 農家
  • 日本
  • 外国人

 僕は切り口を出す方法として、マインドマップを活用してしていました。単語を書き出し、連想される言葉から、発想を広げていきます。

マインドマップの書き方 - 初心者向けルールの解説マインドマップは脳内を可視化するツールです。悩みの原因を探ったり、新しいアイデアを生み出したり、記憶の定着率を上げたりと、活用方法は多岐に渡ります。基本的な書き方・用語・ルールを覚えれば簡単に使用することができます。具体例を解説しながら、マインドマップ紹介しています。...

「大喜利」でキャッチコピーの切り口を探す

 大喜利は発想を飛躍させるのに有効な手段です。僕は元芸人でした。キャッチコピーの課題は大喜利のお題のように考えていました。

 まじめに考えても面白い発想が浮かばないとき、ありきたりな発想しか思いつかないときに、大喜利は有効な手段だと思っています。
 ふざけている訳ではなく、人と違うアイデアを考えるには、頭を柔軟にして考える必要があると思っています。ボケるくらいの感覚の方が、誰も思いつかなかった面白いキャッチコピーが生まれるのではないでしょうか。 

大喜利発想の例

  • こんな(広告対象)は嫌だ
  • (広告対象)は〇〇だ
  • (広告対象)に悪態をついてください
  • (広告対象)がこの世になかったら
  • 動物は(広告対象)のこと、どんな見方をしている?

こんな「お米」は嫌だ大喜利

  • ひと粒ひと粒に生産者の名前が書いてある
  • 写経してある
  • ひと粒がでかい
  • 芯がない
大喜利で考えるキャッチコピーの切り口
大喜利で考えるキャッチコピーの切り口キャッチコピーが全く思いつかないことがあります。そんな時は大喜利を使って発想すると、思いがけないアイデアが出てくることがあります。同じようなつまらない言葉ばかり。そんな時は頭が硬くなっていると思うんです。大喜利をしてみてください。...

得意な課題で「金の鉛筆」を狙う

 コピーライター養成講座の課題は、キャッチコピー課題の他にも、商品のプロモーション企画やTVCMなどの課題があります。

プロモーション企画・TVCM・ボディコピーなどの課題

 コピーライターの仕事は、キャッチコピーを考えるだけではありません。クライアントの課題を解決することが仕事です。言葉の表現はあらゆる広告媒体で使われます。

 短い言葉で表現することに苦手意識がある人は、ボディコピーの課題に力を入れましょう。アイデアを発想することが得意な人は、企画の課題に力を入れましょう。

僕は、企画の課題で「金の鉛筆」を獲得しました

 僕は企画を考える方が得意でした。5本獲得した鉛筆の内、2本は企画の課題です。

 人には得意な考え方があるように思います。自分の特性を知るためにも、たくさんキャッチコピーを書きましょう。

コピーライター養成講座に通う受講生

 金の鉛筆を競い合う同期には、さまざまな業界・職種・年齢の方がいらっしゃいました。

  • 新人コピーライター
  • コピーライター志望の学生
  • アートディレクター
  • PR・広報
  • 求人広告ライター
  • デザイナー
  • エンジニア
  • 営業

 やはり、新人コピーライター・アートディレクターは手強かったです。卒業までに10本取っていた方がいました。

金の鉛筆は取れなくても大丈夫

 金の鉛筆が獲得できなかったからといって落ち込むことはありません。また、金の鉛筆が獲得できたからといって、コピーライターになれるわけでもありません。

 金の鉛筆は、キャッチコピーを書くための、目の前にぶら下がった人参です。

 当時、コピーライター養成講座に通っていた、現役コピーライター講師の方も「1本も取れなかった」と、恥ずかしいキャッチコピーを披露してくださいました。

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大事なことは、いっぱい書くこと

 やはり「いっぱい書くこと」に尽きると思います。

 書かないことには上達しません

 考えなければ視点は広がりません

 講座を卒業したあとも、キャッチコピーを書き続けることが大切なのです。

 金の鉛筆獲得を、目的にしてはいけません。課題を通じてキャッチコピーの技術を学び、考え方を学ぶことが目的なのです。

 課題には全力で取り組みましょう。一生懸命取り組み、講座を楽しんでくださいね。

 このブログは、キャッチコピーの復習と継続のために立ち上げ。みなさんも、いっぱいキャッチコピーを書きましょう!僕も書いていきます。

 この記事が、あなたのお役に立てれば嬉しいです。

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