コンテンツを作りやすくするなるペルソナシートのテンプレートとは
あなたが売ろうとしている商品は、どんな人が買ってくれますか?
男性ですか?女性ですか?
何歳で、どこに住んでいますか?
こんにちは、のざき寿(ひさし)といいます。元芸人です。
お金持ちの人はベンツやBMWなどの高級外車に興味があるでしょう。子供が3人いる家族は、ワンボックスのファミリーカーがいいですよね。3台目の車は軽自動車でいいかもしれません。
このように、人物像によって興味や関心は変わってきます。つまりお客さんによって商品は決められるわけです。
では、あなたの商品を買ってくれる人物像はどうでしょうか。
この人物像をマーケティングではペルソナといいます。あなたの商品やサービスを買ってくれる人の見た目、名前、性別などを細かく設定していきます。
しかし何もないところからペルソナを作っていくと大変なので、ペルソナシートのテンプレートを使いながら、あなたの商品を求めているペルソナを完成させていきましょう。
自分都合のペルソナを作ってはいけない
ペルソナ。ゲームのキャラクリエイトに近い感じがしますが、決定的に違う点があります。
ペルソナは実在する人物を想定するもので、ゲームのキャラクリエイトは作り手の趣向を具現化したものという違いです。
何が言いたいかというと、ペルソナは自分たちの都合のいいように考えてはいけないのです。
ペルソナを考え出すと、自分たちの商品に合ったペルソナを作ってしまうことがあります。運良く商品とペルソナが合致すればいいのですが、そんな都合のいいようにはいきません。
ペルソナを作る目的とは
考え方として、ペルソナが求める商品は何かを考えて、営業戦略の立案やコンテンツ制作をしましょう。
顧客視点に立つ
ペルソナを考えておくと、顧客視点に立った新商品のアイデアや製品の改善策が生まれてきます。
企業側の都合で企業に都合のいい商品は、顧客は求めていないでしょう。一度見直してみてくださいね。
2種類のペルソナシートのテンプレート
ペルソナは次の2種類に分かれます。
- B2C(個人をターゲットとしたペルソナシートのテンプレート)
- B2B(企業をターゲットとしたペルソナシートのテンプレート)
ペルソナを考えやすくするために、テンプレートを用意して考えていきます。
2種類のペルソナシートに共通する項目
ペルソナの項目は、主に3つで構成されます。
- 基本属性
- 行動属性
- 人物ストーリー
自分たちの商品を買ってくれる顧客は、どのような見た目でどのような性格・個性でしょうか。テンプレートの項目を埋めていきながら、人物像を作っていきましょう。
基本属性
- 写真
- 名前
- 性別
- 年齢
- 職業
- 年収
- 家族構成
- 住居エリア
行動属性
- 趣味
- 休日の過ごし方
- 消費傾向(倹約家・浪費家)
人物ストーリー
顧客が抱えている課題や悩み・日常生活について考えていきます。あなたの商品に辿り着くまでの背景や理由を文章にします。
注意すること
あなたの商品・サービスに応じた情報が必要な場合は、項目を追加していきます。
たとえば、結婚歴・転職経験・兄弟の数など、ペルソナを取り巻く環境なども加えるとオリジナルのペルソナシートが出来上がっていきます。
ペルソナシートとセグメンテーション
ペルソナ設定と一緒に、商品・サービスの市場を分析することも必要です。市場を分析しカテゴライズすることを、セグメンテーションといいます。
マーケティングには、さまざまな知識や視点が必要になってきます。マーケティングを本質からに理解できるオススメの書籍です。
マーケティングのフレームワークについて知りたい方は、こちらの書籍がオススメです。
B2Cのペルソナシートのテンプレート
B2C(BtoC)は「Business to Consumer」の略です。企業と個人(一般消費者)の間で行う取引のことです。
たとえば、小売業や飲食店・美容室などの事業です。フリーランスで商売をされている方も該当しますね。
B2Cペルソナシート
アパレル会社という設定で、ペルソナシートの項目を考えていきます。基本的な項目は前述のとおりです。とくに重要視したい項目のみ挙げていきますね。
基本属性
- 年収
- 結婚歴
- 居住エリア・住まい状況
- 恋人
行動属性
- 趣味
- 最近ハマっていること
- 休日の過ごし方
- 最近の悩み
- これからの目標
- 消費傾向(倹約家・浪費家)
- 情報接点(テレビ・インターネット・SNS)
人物ストーリー
このような悩みを持っている人に、どんな商品を提案しらいいと思いますか?
これはあくまで例ですが、このようにペルソナが感じていること・考えていること、課題や悩みを文章にしていきます。
B2Bのペルソナシートのテンプレート
B2B (BtoB)とは「Business to Business」の略です。企業(法人)と企業(法人)の間で行う取引のことです。
たとえば、オンライン会議ツールやデザインソフトを開発している企業など、個人ではなく企業に向けて取引を行うことです。
B2Bペルソナシート
オンライン会議ツールのマーケティングという設定で、ペルソナシートの項目を考えていきます。
企業ペルソナ
- 企業名
- 業種
- 商材
- 売上規模
- 業界 / 市場トレンド
- 企業風土
- 従業員数
- 所在地
個人ペルソナ(キーパーソン)
- 氏名
- 部署 / 役職
- 決済可能な金額
- チームの人数
- ビジネス上の目標
- ビジネス上の課題
人物ストーリー
このような悩みを持っている企業に、どんなサービスを提案しらいいと思いますか?
これはあるIT企業の管理職をイメージした人物ストーリーです。リアリティーのある人物像ができるまで、何回でもディスカッションしましょう。
ペルソナの行動を分析する
ペルソナを作ること自体は、そんなに難しいことではありません。項目に従って考えていけばなんとなくできます。
ペルソナの感情や行動を考える
ペルソナを設定する理由は、ペルソナの感情や行動の仮説を立てることが目的です。
ペルソナはどんな課題を抱えていて、どんなタイミングで商品購入に至るのか。購入前と購入後では感情の動きはどうか。また日常のなかで商品との接点はどこにあるのかなど、考えていきます。
そうして顧客の視点に立って商品やサービスを考えていきます。仮説をもとに販売実験をくりかえし、商品・サービスの改善に役立てていきます。
ペルソナを主人公にしたカスタマージャーニーマップを作る
ペルソナの購買行動を考える上で必要になる考え方が、カスタマージャーニーマップです。
カスタマージャーニーマップは、顧客があなたの商品・サービスを購入に至るまでの行動を体系化して考える、マーケティングのフレームワークです。
キャッチコピー制作にペルソナを活用する
ぼくはキャッチコピーを考えるときに、簡単なペルソナを設定します。
商品のキャッチコピーをつくるとき「どんな言葉をかけたらその人は振り向いてくれるか」を考えます。いろんな人に伝わる言葉を考えるよりも、たったひとりを振り向かせる言葉を考えた方が刺さる表現になるからです。
ペルソナシートを作る時の注意点
商品を売りたい気持ちが先行すると、自社に合わせたペルソナ設定をしてしまいがちです。そうならないために客観性を保つことが大切です。
複数人で議論してペルソナシートを作る
少なくとも、2人以上の担当者で話し合ってペルソナを作りましょう。
男女の視点や考えを織り混ぜたり、年齢差のある人で議論したりするなど多様性を持たせることがポイントです。
ユーザーから情報収集をする
ペルソナに近い実在の人物にインタビューして情報収集をしましょう。
マーケティング担当者が考えたペルソナは、あくまで空想上の人物です。実際の意見を取り入れて比較することで、ペルソナシートの客観性が保たれます。
事業と関連性のあるペルソナシートをつくろう
インターネットからダウンロードできるペルソナシートを、そのまま使うことはやめましょう。
基本項目などを土台とし、事業に関連する項目を追加してオリジナルのペルソナシートを作っていきましょう。
ホームページ制作におけるペルソナシートの活用
ぼくが以前勤めていたホームページ制作会社では、提案書・企画書を作る時点でペルソナを必ず設定していました。
企画書・提案書にペルソナを記載する
ペルソナシートを利用する目的は、顧客の理解ともうひとつ重要なことがあります。それはクライアントとの共通認識を持つことです。
クライアントと提案側の企業でペルソナの認識が違っていては、コンテンツの方向性に齟齬が生まれてしまいます。そうなると商品の訴求点やホームページの設計・コンテンツの見せ方など、全体に大きく影響してしまうのです。
そういった理由から、ホームページの提案書にはペルソナシートが必須です。
テンプレートやフレームワークは上手につかおう
ペルソナシートを活用することで、今まで気づかなかった視点やアイデアに気づけます。しかしフレームワークやテンプレートに頼り過ぎてしまことにも注意が必要です。穴埋めするように考えることは思考停止になる可能性があるからです。
しつこいようですがペルソナを設定することの目的は、顧客の視点に立って考えるためです。決して情報整理だけに使わないようにしましょう。
今回の記事を参考に、あなたの事業に合ったペルソナシートのテンプレートを作ってみてくださいね。