いいキャッチコピーが書けるようになるには、何を勉強するべきか考えてみたんです。
結論としては、一流のコピーライターから考え方や姿勢を学ぶことが、大切という結果になりました。
こんにちは、寿(ひさし)です。
僕は2020年に、宣伝会議コピーライター養成講座に通ってコピーライティングを学びました。半年間かけて通い、講師から出題されるキャッチコピーの課題を通じて、キャッチコピーの基礎は学んだつもりです。
コピーライター養成講座の講師は、電通や博報堂など、大手広告代理店の有名コピーライターさんたち。輝かしい実績をお持ちで、話を聞いているだけで面白かったです。
さまざまなコピーライターさんが、キャッチコピーの制作方法を伝授してくださいます。みなさん独自の制作理論を持っていて、統一はされていませんでした。
キャッチコピーの作り方なんて存在しない
キャッチコピーの作り方なんて存在しないんだな。と、思ったわけです。
コピーライターによって制作方法が違うとなると、体系化された技術ではないと言えます。コピーライターさんそれぞれで、実践を通じて自分で考え、独自の理論を体系化したんだろうと。
コピーライター特有なんですかね、教え合わないのかな。同業者でのライバル意識が強い職種のように感じたので。
表面上の技術だけを真似しても、いいキャッチコピーは書けない
キャッチコピーの本などを読むと、行動心理学や購買心理学なのどのテクニックが書いてあります。
方程式のようなものを勉強したとして、一流コピーライターと同じアイデアを生み出せるとは思えない。
だから、一流コピーライターの考え方や姿勢を学ぶべきだと思いました。
方程式を学べばキャッチコピーが書けるのなら、世の中には同じような広告や言葉が並びます。どんどん広告の価値はなくなってしまう。鬱陶しいだけ、邪魔なだけ。
コピーライター養成講座で学んだ具体的な技術って、
- What to say(何を)
- How to say(どう言うか)
だけです。
セールスコピーとか、イメージコピー、Webコピーなど、カテゴリーは違っても根本的に考え方は同じです。
表現のテクニックだけでは、人の心は動かせないように思います。

時代という変数をとらえる
もうひとつ表面的な技術だけでは通用しない理由として、時代の変化があります。
たとえば「缶ビール」という商品を例にすると、
「缶ビール」はロングセラーの製品が多く、アサヒスーパードライや、キリンラガーは何年も前から売り出されています。製品の質は大幅に変化しているとは思えません。
でもビールのCMが、昔も今も、同じような広告宣伝をしていたら、売り上げは下がると思うんです。
2020以降、劇的な時代の変化で、巣ごもり需要が高まり「オンライン飲み会」「家飲み」などのニーズが増えました。ハイボールなどの競合商品もあります。
時代の変化と世の中のニーズをとらえた言葉でなければ、人の心には届かないと思うんです。
方程式の中に、時代という変数をきちんと入れておかないと、いいキャッチコピーが書けるとは思えないんです。
コピーライターもお笑い芸人と似ている
コピーライターとお笑い芸人って勉強の仕方が似ていると思うんです。芸人も師匠や先輩から学びます。
僕は過去にお笑い芸人をしていました。
20歳の時上京し、吉本興業の養成所に入り、吉本興業の芸人として漫才コンビで活動していた経験があります。
吉本の養成所では何を学ぶと思いますか?
- ダンス
- 発声練習
- ネタ見せ
具体的な漫才やコントの作り方の授業なんてありません。各自でネタを考え、作家にダメ出しをもらうだけです。
漫才やコントの作り方なんて一切教えてもらった事はないです。
どうやってネタの作り方を覚えたかといえば、お笑いのビデオを借りて自分で研究しました。今でこそYouTubeでネタの動画を見れるからいいですね。
「見る目線」を養うことも勉強だと思うんです
ネタ見せの授業では、他の生徒全員の前でネタをします。
その授業、いっさい笑いはありません。「笑ってたまるか」という競争心もありますが、他のコンビが披露するネタを見て勉強しようと必死だからです。
- 設定
- 構成
- システム
- ボケの新しさ
- キャラ
- 衣装
- ネタ被り
- ワードセンス
- コンビのバランス
芸人は他人のネタを上記の視点で見ます。それぞれのコンビで、仕組みを持ち帰るわけです。
お笑い芸人も師匠の漫才から学ぶ
先輩や師匠の芸を近いところで見れたことは、貴重な体験でした。
吉本の養成所を卒業した後は、自動的に吉本所属の芸人になります。吉本所属の芸人になると、見学やお手伝いで劇場に出入りできるようになります。
ルミネ座よしもと、渋谷無限大ホールはよく見学しに行きました。客席からではなく、舞台袖から見学し、師匠や先輩のネタを見ました。
師匠や先輩は、舞台裏でどういう姿勢なのか。
一流を見て学ぶことの大切さを知りました。
コピーライター養成講座の価値では、直接コピーライターの話を聞けることに価値があったんだと思います。
キャッチコピーに対する「自分のものさし」を持てるかどうか
もう一度結論をいうと、一流コピーライターから考え方や姿勢を学び、キャッチコピーに対する「自分のものさし」をもつことが大事だと思います。
抽象的な結論になってしまったので、最後にキャッチコピーの勉強法でオススメの本を紹介します。
著者の谷山さんは、コピーライター養成講座の講師を勤めておられます。
谷山さんはコピーを勉強すると時、色々な世の中の広告を見て「なぜ、その言葉になったのか。」を考える事が大事だと言っています。
「なんかいいよね」禁止
この書籍では、キャッチコピーを論理的に解説し「方法論」に止まらない、思考や考え方にフォーカスしている内容になっています。
なぜ、その言葉に行き着いたのか
なぜ、人のこころに響くのか
「なんとなく素敵でいい言葉だから」は通用しません。
キャッチコピーを書いた本人が論理的に説明できなければ、クライアントに説明する事は難しいでしょう。「作り手」である制作者は、抽象的で曖昧な理屈では不十分です。
これからコピーライターを目指す人は、読んでおいて損はないと思います。
