キャッチコピーは「11文字から13文字」がベストの文字数です。
短くてシンプルなキャッチコピーは、意味が速く伝わります。人の記憶に残りやすく、口コミで広がりやすい特徴があります。
キャッチコピーは広告です。世の中の人は広告がキライです。
キャッチコピーは基本的に読まれないと考えましょう。あなたがどれだけ熱意を込めてキャッチコピーを考えても、人は広告を読みたがらないのです。あなたはキャッチコピーに関心があるからキャッチコピーを読んでいるだけです。
なので、キャッチコピーは短く書きましょう。
長いキャッチコピーはやめましょう。
こんにちは、寿(ひさし)と言います。
僕は、宣伝会議コピーライター養成講座でコピーライティングを学びました。講座の講師から「キャッチコピーは短く書きなさい」と教わりました。

キャッチコピーは、なるべく多くの情報を伝えたいと思うあまり言葉が長くなってしまう傾向にあります。しかし、情報を詰め込み過ぎると読み手は集中力を失い、興味をなくしてしまうのです。
それでは、短いキャッチコピーがいい理由を解説していきます。
なにか、あなたの参考になればうれしいです。
人は広告・キャッチコピーを見たい・読みたいと思っていない
コンテンツは能動的に見るのも
広告は受動的に見せられるもの
これは、広告・キャッチコピーを考える上で肝に命じておきたい考え方です。
そもそも世の中の人は、広告に対してネガティブなイメージを持っているのです。
あなたは、テレビ番組のCMを見ますか?YouTubeの動画広告をスキップせずに最後まで見ますか?Webサイトのバナー広告を非表示にしたことありますよね?
あなたは街の看板の前に立ち止まり、キャッチコピーをまじまじと読みますか?
世の中は広告で溢れています。人が集まるところには、人の目に入る位置に広告があります。インターネット・スマートフォンのディスプレイも例外ではありません。広告・キャッチコピーに囲まれた生活で、人は意識的に広告を避けるように生活しているのです。
僕やあなたが書くキャッチコピーは、基本的に興味を持ってもらえていない。そんな前提でキャッチコピーを考えていかなくてはならないのです。
テレビCMにタレント・芸能人が起用される理由・見られる理由
芸能人・タレントには特定のファンがいます。ファンの人は、好きなタレントが起用されているテレビCMに無意識に好感を持ちます。当然、対象の商品にも好感を抱くでしょう。
つまり、人気タレントを広告のイメージキャラクターに起用すれば、宣伝効果が高く売上は上がるのです。タレント・芸能人のテレビCMのギャラが高額なのはそういった理由があります。タレント・芸能人がイメージや高感度を気にしている理由も企業の広告効果が影響しているのです。
長いキャッチコピーは自分の作品に酔っているだけ?
自分に酔ったキャッチコピーには気をつけましょう。消費者は自分自身にメリットがある広告・キャッチコピーかどうかを見抜きます。
詩的なキャッチコピー・不必要な接続詞・意味や効果のない体言止めなど、技術にこだわると無意識にキャッチコピーは長くなります。自分の世界に入り込んでしまうことも、キャッチコピーを長くする原因のひとつです。
視点を、自分やクライアントではなく、生活者・消費者に移し、俯瞰的かつ客観的な視点でキャッチコピーを書くことが大切です。
キャッチコピーは伝わる速度を意識して書こう
冒頭で、キャッチコピーは「11文字から13文字で書きましょう」と書きました。ここからは、短い言葉で書いたほうがいい理由を掘り下げます。
キャッチコピーは「伝えたいことをひとつ」に絞る
ひとつのことを簡潔に伝えることで言葉が印象的になり、インパクトが生まれます。
クライアント企業は商品・サービスの良さを、できる限り多く消費者に伝えたいと考えています。性能や機能・値段など、メリットや訴求点がたくさんあるからです。
しかし、アレもコレもと情報を詰め込むことは、企業側のエゴや押し付け・自慢話でしかありません。生活者・消費者は、押し付けがましい広告・キャッチコピーに嫌悪感を抱き、興味・関心を失っていきます。
キャッチコピーは短く書いて、伝えたいことをひとつに絞りましょう。
長いキャッチコピーは、言いたいことが何個も含まれている可能性があるので注意が必要なのです。
キャッチコピー制作のプロセスを理解してメリット・訴求点「ひとつだけ」伝える
キャッチコピー制作では、次の考え方を大切にします。
What to say(商品・サービスの何を)
How to say(どう言うか)
「何を」は商品の訴求点やメリット「どう言うか」は言葉の表現です。ひとつのキャッチコピーに対し、原則ひとつのWhat to sayで考えます。

広告・キャッチコピーでクライアントの自慢話をしない
広告主であるクライアント企業は、商品の良さを余すことなく伝えたいと思っています。
- 性能
- 利便性・機能性
- 価格
- 他社製品との比較
- デザイン性
開発に時間をかけた製品であれば、なおさら生活者・消費者にアピールしたいでしょう。ですが、生活者・消費者が求めるのは、商品・サービスを手にしたことで得られる「生活の豊かさ」です。商品・サービスの価値(ベネフィット)が知りたいのです。
企業側の視点で書かれたキャッチコピーは「当社の商品はスゴイですよ」と言っているだけの自慢話になっているケースがあります。
キャッチコピーは、生活者・消費者へのベネフィットを表現しましょう。
生活者・消費者に対して自慢話に聞こえないように、工夫やアイデアのあるキャッチコピーで訴求点を伝えましょう。逆に長い言葉で価値を伝えられていない広告・キャッチコピーは、商品・サービスの評判を下げてしまうこともあるのです。
企業側の視点でキャッチコピーを書かず、キャッチコピーは、生活者側の視点で書くことを意識しましょう。

人の印象に残りやすい「商品名を連呼する」テレビCM
テレビCMで、メロディーに乗せて商品名を連呼するCMがあります。商品名を印象づけ・認知拡大のために使われる広告手法です。
たとえば「PayPay(ペイペイ)」「LINEモバイル」がわかりやすいでしょう。人気タレント・芸能人を起用し、メロディーに乗せて商品名を連呼しているだけのCMです。CMの狙いは、
- 新サービスだから、商品名を覚えてもらう
- メロディーに乗せて、脳に残りやすくする
- 人気タレントの起用して、注目を集める
短い言葉・短時間で商品・サービスの認知を広げる広告戦略のひとつです。
SNSで拡散・口コミされるキャッチコピーとは
広告・キャッチコピーが世の中に広がり影響を与えるには「口コミ」の力は大切なんです。口コミを広げるには、キャッチコピーを覚えてもらう必要があります。
単純に、短いキャッチコピーは覚えやすいです。なので、短くキャッチコピーを書く必要があるわけです。
昨今の広告は、SNSでの拡散も必須になりました。「1億総発信」時代と言われ、人が情報を得る手段・発信する手段としてSNSはメインストリームにあります。
Twitterに代表される「#(ハッシュタグ)」も、キャッチコピーと言えるでしょう。シンプルでインパクトのあるハッシュタグのほうが、拡散されやすいと思います。
著者の谷山さんは、口コミのことを「流通力」と表現されています。「拡散力」と言い換えてもいいかもしれません。
短くインパクトのあるキャッチコピーを考えましょう。

オグルヴィのコピーライター
オグルヴィのコピーライターは「コピーは11文字がいちばん最適だ」と言っていたそうです。オグルヴィは、現代広告の父と呼ばれた「デイヴィッド・オグルヴィ」のDNAを受け継ぐ広告会社で、ニューヨークに本社を置き、数々の広告賞を受賞しているグローバル企業です。
人の心に刺さる、シンプルなキャッチコピー
キャッチコピーを短く書くことは難しいです。
キャッチコピーを書いていると、伝えたい欲求が強くなり、どうしても長くなってしまうものです。また、言葉を削りすぎて意味の通らないキャッチコピーになってしまうこともあります。
だからこそ、いつでも基本に立ち返るために「なぜ、キャッチコピーは短いほうがいい」のか、本質を理解しておく必要があると思っています。
キャッチコピーは作品ではなく広告なのです。
なにか、お役に立てればうれしいです。
