マインドマップは自分の脳を映し出す鏡だ。
頭の中の思考・考え事はマインドマップに書き出すことによって、主観から切り離されて客観的になる。
客観的になった思考は分析することができ、解決策を導きだすことができる。
たとえば、悩みごと。
頭の中で悩み事を考えている時は、思考はぐるぐると繰り返されて堂々巡りになる。なんなら悩みはどんどん膨らんでいく。
マインドマップを使って「悩みごと」を書き出してみる。
そうすることで、その悩みは脳内から切り離されて単独の事柄に変化する。あとは悩みの原因を調査し、解決策を考えればいい。
悩みはなくなり、課題に変化していく。
自分の脳の潜在能力を知りたくはないか。自分の脳の可能性を知りたくはないだろうか。
マインドマップを使うことが、脳を鍛える最善の方法だと思っている。
マインドマップは「脳の取扱説明書」
はじめに、マインドマップが「脳の取扱説明書」と言われる理由を解説します。マインドマップが生まれた背景は、学習能力の向上が目的でした。
マインドマップが生まれた背景
マインドマップが生まれた背景は、学習能力の向上が目的だった。
脳内に近い形で描き出すことで、記憶の整理や発想をしやすくする「脳の取扱説明書」として研究・発明されたものだ。
1970年にイギリスの教育コンサルタントであった、トニー・ブザン氏が提唱した。
トニー・ブザンは、学習に困難を抱えていた子どもたちにマインドマップを教えた。マインドマップの効果で子どもたちの学習能力を大きく向上させたことが、イギリスの公共放送BBCで報じられ世界で広く知られるようになった。
Wikipedia
マインドマップと箇条書き – 書き方の違い
マインドマップと同じような情報整理の仕方で、箇条書きがある。
マインドマップと箇条書きの違いは、情報の構造化して整理することにある。
箇条書きの特徴
箇条書きは、ひとつひとつの項目に対し優先度や重要度・カテゴライズを意識することはない。思いついた順に書いていく。簡易的なメモやチェックリストに向いている。
マインドマップの特徴
一方、マインドマップは、テーマ(主題)から連想される言葉を順に書いていく。言葉ひとつ一つの関連性を意識しなくてはマインドマップにならない。
また、優先度や重要度の高い項目は、色を変えたりイラストを加えたりと表現を変えて強調していく。ビジュアライズすることで、脳の情報を映像として書き出す。記憶の定着を手助けしてくれる役割がある。
マインドマップ初心者のための書き方
はじめにマインドマップに必要な用語を覚える必要がある。
とくに初心者は、用語が分からないまま書いてしまうと、情報整理をするどころか、情報が散乱してしまう恐れがある。それだけマインドマップが自由度が高いともいえる。
マインドマップの専門用語
覚えるべき用語は次のとおりだ。
- セントラルイメージ
- メインブランチ
- ブランチ
「セントラルイメージ」でマインドマップのテーマを決める
マインドマップの中央に描くテーマのこと。テーマを中央に配置する「放射型」と、テーマを右に配置する「右マップ型」がある。
「メインブランチ」はセントラルイメージから伸びる線
セントラルイメージから伸びる太い線のこと。カテゴリーごとに色を変えたり、優先度・重要度によって色を使い分ける。
「ブランチ」は要素を関連付けるための線
ブランチとは「枝」を意味している。それぞれの要素・言葉から伸びる線のことだ。関連する各要素をブランチで繋げてマインドマップは完成していく。
【初心者向け】マインドマップの具体的な書き方
マインドマップの書き方で必要な、基本的なルールを解説します。
- A3、A4の無地の用紙を使う
- セントラルイメージはイラストで描く
- メインブランチの線は太くする
- ブランチは色を使って描く
- ブランチはひとつの言葉で書く
- 構造化を意識した書き方をする
初心者の方は、これらの基本的な書き方を忠実に再現しましょう。
マインドマップには「A3・A4無地」の用紙を使う
キャンバスの大きさが、思考の広さを決めるといわれている。
A3用紙・A4用紙が、大きすぎず小さすぎず、ちょうどいいサイズだ。横向きで使用する。紙と鉛筆を使うほうがいい。
罫線のない無地のコピー用紙がいい。ノートなど罫線のある用紙だと、整列したいという意識が働き、自由に描けない場合がある。
自由な発想を大切にするマインドマップでは罫線が邪魔になる。
余白を埋めようとしない意識も大切だ。
セントラルイメージはイラストで描く
セントラルイメージをイラストで描くことで、視覚情報になる。
人間は、情報を視覚と聴覚だけで93%認識するといわれている。言語情報はたったの7%だ。画像は文字の7倍、動画は文字の5000倍、情報を伝達するといわれている。
イラストで表現することにより、他人は内容を把握しやすくなる。情報の共有が簡単になるのだ。
メインブランチの線は太く・曲線で書く
セントラルイメージから伸びるメインブランチの線は、太い曲線にする。
メインブランチを太い線で書くことにより、ひと目で、重要度・優先度が理解できる。
曲線は思考の柔軟さを引き出す効果がある。直線では表現できない、感情・葛藤などを表現できる。
ブランチはひとつの言葉で書く
ひとつのブランチは、ひとつの意味で完結する必要がある。文節や文章でブランチを書いてしまうと、ブランチが持つ意味が複雑化してしまい構造化にならない。発想や思考の見落としにも繋がってしまう。
「水を飲む」ではなく、「水」でひとつのブランチ、「飲む」でひとつのブランチとする。
水には「浴びる」「買う」などのブランチも考えられるからだ。
ブランチは色を使って描く
ブランチに色をつけることで、意味を持たせることができる。
- 赤:緊急性が高い
- 青:検討事項
- 黄色:アイデア
色彩を豊かにすることで、楽しみながらマインドマップを書くことができる。
構造化を意識した書き方をする
ブランチに階層や序列・カテゴリーを持たせることで、構造化したマインドマップを書くことができる。
構造化することで全体像がわかり、客観的・俯瞰的にマインドマップを観察できるようになる。
まだ発見できていないアイデア・連想を見つけやすくなり、発想力を鍛えることにも繋がる。
マインドマップの具体例から書き方を学ぶ
マインドマップは、ビジネスシーンからプライベートまで幅広く活用できる。
発想を広げることはもちろん、情報整理や学習・悩みごとの解決など、アイデア次第で様々な使い方ができる。
ビジネスシーンで使えるマインドマップの書き方
企画会議・ブレインストーミングなどのアイデアを引き出すため、情報整理・情報の記録にマインドマップを使用する。
ブレインストーミング・企画・アイデア発想にマインドマップを使う
セントラルイメージにテーマを置き、連想する単語を次々に書いていく。
連想していくことで、自分の脳になかった言葉が見つかっていき連結されていく。構造化されたマインドマップは発想の出発点が明確になるので、論理的な説明がしやすくなる。

情報整理・分析にマインドマップを使う
マインドマップを情報整理に使うことで、次のようなことが客観的視点で見れるようになる。
- 対象の、何を知っているか
- 対象の、何を知らないか
知っていることから新しい発想を連想し、知らない事は調べる。マインドマップは対象を抜け・モレなく掘り下げられる。会議の議事録に使うといいだろう。
キャッチコピーを考える時の情報整理に有効に使える。

学習・資格取得などで使えるマインドマップの書き方
セントラルイメージに取得したい資格を書く。
参考書の目次をもとに、各章のブランチを作っていく。そうすると資格取得に必要な要素が構造化され理解しやすくなる。
マインドマップでイラスト化することで記憶の定着を助ける。また各項目どうしの関連性も見えてくる。
実は参考書は、はじめから読む必要がない。関連性のない独立した知識や技術がある。自分にとって得意そうなことから学習していけばいい。マインドマップによって苦手な部分が明確になる。
資格取得の目的となる動機をセントラルイメージに持ってくるのもいいアイデアだ。
自己分析で使えるマインドマップの書き方
セントラルイメージを「自分」にする。「自分」を客観的に観ることにマインドマップを使う。
履歴書・職務経歴書の作成にマインドマップを使う
今まで勤めてきた会社・資格・長所や短所などをマインドマップを使って構造化する。すると自分にとって向いている会社や、応募する企業に対してのメリットを分析しやすくなる。
時系列に並べられた職務経歴では見えてこない、自分らしさを俯瞰して観察できる。
目標設定・課題解決・悩みごとの解決にマインドマップを使う
目的や目標をセントラルイメージに置く。その目的や目標を達成するための手段をブランチにすることで、結果から逆算して物事を考えていく。

他者とのコミュニケーションにマインドマップを使う
視覚的に描かれたマインドマップは、他社との情報共有に力を発揮する。イメージは直感的に伝わるからだ。
ブランチに色を使ったり・線の太さや形状・長さを工夫するのは、視覚的な情報伝達のためでもある。
マインドマップ初心者から上級者まで書き方で注意すること
マインドマップを書くことに慣れてくると、基本的なルールを忘れてしまう。また、マインドマップより効果的に活用するための知識も必要になる。
初心者を過ぎてもマインドマップは手書きで描く
手書きで描くと脳が刺激されアイデアが浮かびやすくなる。イラストを描いたりする場合も手書きの方がいい。その人自身の個性が出るのも、手書きでないとならない。
インターネット上には、マインドマップをデジタルで作成できるソフトがたくさんあるが、マインドマップをより効果的に活用したいのなら、使用しないほうがいいだろう。または、手書きで書いたのちに、デジタルツールを使うほうがいい。
TEFCAS思考法を取り入れてマインドマップを描く
マインドマップの考案者、トニー・ブザン氏が提唱する「TEFCAS思考法」をマインドマップに取り入れる。
TEFCAS思考法は、新規事業・アイデア実現のために有効な思考法だ。次の単語の頭文字を取って「TEFCAS」となる。
- T (Trial):試行
- E (Event):実行
- F (Feedback):フィードバック
- C (Check):チェック
- A (Adjust):調整
- S (Success):成功
達成したい目標に対し「Trial(試行)」する項目を挙げ、「Success(成功・成果)」を意識してそれぞれの項目を構造化していく。
マインドマップ上級者は、取り入れて行きたい思考法だ。
悩みを解決してアイデアに溢れた毎日を
悩むたびに・不安を覚えるたびにマインドマップを描くようになった。
自分の脳内にある思考は主観でしかない。脳内の思考を書き出すことで客観的になる。逆にそうしないと、不安や悩みは解決しないとさえ思う。
アイデアを考える時にもマインドマップを使うようになった。ブログ記事の構成を考えるときに真っ先にやる作業が、マインドマップをつかって情報を整理し、アイデアを広げることだ。
ノートとペンさえあればいい。マインドマップを描くために準備することは簡単なことしかない。しかしその恩恵は計り知れない。
マインドマップを描くことは、自分と向き合うことだ。