コピーライターに向いてる人の特徴とは
とにかく書くことが好きな人。
書くことを続けられる人。
書くこととは、考えることだからです。
コピーライターに向いている人は、これらの行動が習慣としてできる人だと思います。
こんにちは、のざき寿(ひさし)といいます。元芸人です。
ぼくはプロのコピーライターではありません。公募を通じて、コピーライティングを勉強している人間です。
2020年に宣伝会議コピーライター養成講座でコピーライティングを学びました。
それから、コピーライターの登竜門といわれる宣伝会議賞に挑戦しています。
介護をテーマにしたキャッチコピーの公募で、賞をいただきました。
ぼくの独断と偏見にはなってしまいますが、コピーライターに向いている人の特徴を考えてみたいと思います。
あなたの何か、気づきのきっかけになればうれしいです。
コピーライター養成講座で学んだコピーライターの資質
ぼくは2020年に、宣伝会議コピーライター養成講座に通いコピーライティングを学びました。
講座では現役のコピーライターが講師を務めており、キャッチコピーを添削してもらいながら、書き方や考え方を学んでいきます。
コピーライター講師が口を揃えて言うこと
とにかく数を書きなさい。
だいたいどの講師も、キャッチコピーを書いた数にこだわります。数を書けば書くほど、キャッチコピーの技術は向上するというのです。
なぜ、数を書くことがいいキャッチコピーを書くことにつながるのでしょうか。
それは、書くことが考えることに直結しているからです。
コピーライターは考える仕事
ライターというからには書くことが仕事のように思えますが、コピーライターの仕事のほとんどが、考えることに費やされていると学びました。
コピーライターは広告対象である商品・サービス、または世の中のあらゆることに対して常に「なぜ?どうして?」考えています。
- なぜ、世の中に必要とされているのか
- なぜ、この商品は売れるのか
- なせ、この人は魅力的なのか
- なぜ、人の心に残る言葉なのか
世の中のあらゆる物事にたいして課題を定義し、解決策を言葉で表現することがコピーライターの仕事だとぼくは捉えています。
キャッチコピー100本書ける人はコピーライターに向いている
とにかく書くとは、具体的にどのようなことなのか。
たとえば、商品のキャッチコピーを書くとき。その商品のキャッチコピーを100本書けるかどうかです。
100本キャッチコピーを書くために必要な思考
キャッチコピーを100本書くためには、その商品に対していろいろな情報が必要になります。取材を重ね資料を読み込み、自らの体験を通じて言葉の素材を集めていかなくてはいけません。
そしてそれらの情報を多角的な視点で見つめ、だれもが発見していない新しい切り口や価値を見出していく必要があります。
そうした思考プロセスを踏まないと、100本のキャッチコピーを書くことは難しいのです。
もしあなたが、容易に100本のキャッチコピーを書くことができるなら、コピーライターに向いている人だと思っていいと思います。
コピーライターに好奇心・探究心があるのは当然
とうぜん、好奇心や探究心、知的好奇心が必要です。多角的な視点を持つということは、知識量が必要になるからです。知らないことは発想もできないし、言葉にもできないのです。
深い思考力が必要
多角的な視点は、いってみれば浅く広い知識のこと。それと同じくらいものごとを深く掘り下げて考える思考がコピーライターには必要です。
誰もが思いつく発想やアイデアをキャッチコピーにしても、世の中の人は驚いてもくれないし興味や関心も持ってくれません。
深い思考のもとに考えられたキャッチコピーは、人の足を止める気づきが含まれています。
言葉の表現力を身につける
同じようなことを言っているのに、人の心に響かない言葉があるとします。
キャッチコピーの発想やアイデアが同じでも、言葉の表現力やレトリックで人の感じ方が変わってしまうからです。
国語力や語彙、言い回しなどの言葉の表現力を磨くために、小説や映画・歌や演劇などいい作品に出会うことも大切だと思います。
相手の視点に立てる人はコピーライターに向いている
書くことと同じくらい大切なことがもうひとつあります。
それは、相手の視点に立てるかどうかです。
キャッチコピーは、受け手側の感情を動かす言葉を考えなくてはいけません。
そのためには、相手がどのようなことに関心を寄せているか・興味があるかなど、相手の視点にたり想像することができなくてはいけません。
商品のキャッチコピーを書く時、その商品のいいところばかりを伝えても相手の感情は動きません。大切なことは、相手がどう感じるかを想像してキャッチコピー書くことなのです。
オタクはコピーライターに向いている
世の中は、キャッチコピーや広告で溢れています。
テレビからはCMが流れ、SNSには広告、街にでれば看板や案内が飛び込んできます。
いろんな広告に興味をもち、分析する能力もコピーライターには求められます。
プロのコピーライターは、過去の広告・キャッチコピーを模写して覚えることから始めると聞きました。過去にあった広告表現と同じものを世に出さないためと、データとして分析する能力を養うためです。
広告の世界・広告作品が好きなオタク気質の人は、コピーライターに向いているといえるでしょう。
宣伝会議賞グランプリのキャッチコピーを考察してみよう
ここからはキャッチコピーを考察しながら、コピーライターに向いている人の思考を考えていきたいと思います。
宣伝会議賞とは
宣伝会議賞は、月刊「宣伝会議」が主催する広告表現のアイデアをキャッチフレーズまたはCM企画という形で応募する公募広告賞です。
【宣伝会議賞のポイント】
50年以上の歴史を持つ、コピーライターの登竜門
応募した作品が実際に使われるかも…?!
前線で働くコピーライターが審査員【当賞の趣旨】
引用元:宣伝会議賞Webサイト
若手コピーライターの啓発、ならびに人材の発掘・育成やコピーライターの意識の向上を目的に開催しています。課題の特性や時代背景を捉えていて、さらにコピーライターとしての将来性、可能性の大きさを感じさせる作品を期待しています。
第57回宣伝会議賞グランプリの作品
紹介するキャッチコピーは、第57回宣伝会議賞グランプリの作品です。素晴らしいキャッチコピーです。
広告主 : パナソニック
引用元 : SKAT.19
課題 : 世界No.1長もち乾電池「エボルタNEO」の魅力を伝えるアイデア
元彼の目覚ましが、
引用元 : SKAT.19
夫を叩き起こし続ける。
笠間 悠(24歳)神奈川県
パナソニック「エボルタNEO」は、2017年10月2日「世界一長もちする単3形アルカリ乾電池」としてギネス世界記録に認定されています。(2021/2/22 現在)
「なぜ?」このキャッチコピーはグランプリを獲れたのか?「どうして?」「何を?」プロのコピーライターは評価したのか?
商品の価値を伝えるだけではアイデアにならない
キャッチコピーのアイデアを考えるために商品の特徴や性能を整理していきます。
「エボルタNEO」の最大の特徴
パナソニック「エボルタNEO」の最大の特徴は「世界一長持ちする単3形アルカリ乾電池でギネス認定されている」ことです。ギネス認定されている実績はどの企業にも真似できません。
「エボルタNEO」ほかの特徴
- パッケージデザインが格好いい
- ユニバーサルデザインでプラス極側・マイナス極側には識別しやすい
- 長持ちで買い替え回数が少なく済み経済的
「エボルタNEO」いろいろな用途
乾電池は生活に密着した商品です。日常で使用するいろいろなシーンを思いつくかぎりリストアップしていきます。「エボルタNEO」の製品ページがあるので、情報収集も欠かさずしましょう。
- デジタルカメラ
- 携帯用電話式電池式充電器
- ゲームコントローラー
- TVリモコン
- ライト
- マウスなどのPC周辺機器
- 掛け時計 / 置き時計
「エボルタNEO」の製品Webページhttps://panasonic.jp/battery/products/drycell/evoltaneo.html
「エボルタNEO」生活者との接点や利用シーン
日常生活のシーン以外に使われているケースはないか考えてみます。
- 日常生活全般
- 子どものおもちゃ
- 災害時の備え・防災グッズ
キャッチコピーの切り口を考える
洗い出した特徴や性能・利用シーンを踏まえてキャッチコピーの切り口を考えていきます。切り口とは、商品の何を伝えれば生活者の心を捉えるのかを考えることです。
パナソニック「エボルタNEO」は「ギネス世界一認定の単3形アルカリ乾電池」という最大の特徴があります。
「長持ち」することがメリットではと考えました。課題も「長もち乾電池、エボルタNEOの魅力を伝えるアイデア」となっています。
長持ちすることで生活者はどのようなベネフィットを得るのか?
ターゲットを意識して心に響く言葉を探していきます。
そのキャッチコピーは誰に向けた言葉なのか
エボルタNEOは、誰がどのような時に使うのでしょうか。ターゲットに着目しキャッチコピーをもう一度見てみます。
元彼の目覚ましが、
引用元 : SKAT.19
夫を叩き起こし続ける。
笠間 悠(24歳)神奈川県
「元彼」「夫」から、既婚の女性だと分かります。「起こし続ける」という言葉から、結婚して数年は経っているようです。
乾電池は、スーパーや家電量販店・ドラッグストアなど、生活用品として生活者に密接に関わっている商品カテゴリーです。主婦層に向けて興味を惹くように描かれています。
製品の良さを、どう描くか
このキャッチコピーが素敵だなと思うところは「世界一長持である」という性能を「元彼」から「夫」を登場させることで年月を表現し、さらに「叩き起こし続ける。」で強調しているところです。
また「目覚まし」という生活に密着した具体的なシーンを表現しているところも、生活者と非常に近いキャッチコピーといえます。
ユニークさもアイデアもあり、素晴らしいキャッチコピーだと思いました。
「なぜ?どうして?」を考えられる人はコピーライターに向いている
こうしてキャッチコピーを掘り下げてみると、短い言葉の中にさまざまな意図が隠れています。
作品に対し「なぜ?どうして?」などの問いを向けると、制作意図がわかってきます。
日常に溢れている広告に目を留め、疑問や仮説をぶつけることがコピーライターの思考法だと、コピーライター養成講座で教わりました。
コピーライターは書く力は必要ですが、それと同じくらい観る力も必要だと思っています。
自分の心に届いたキャッチコピーは、どうして自分の心に届いたのかを考えるようにしてみてください。きっといいトレーニングになります。