大喜利で面白い回答をするコツが掴めれば仕事のアイデアもどんどん湧いてくる
大喜利で面白い回答を考えるコツはズバリ、
「物事を見つめる視点の多さ」だと、ぼくは思います。
この視点の多さが大喜利の回答数に影響しますし、もちろん回答の質にも影響します。
この視点の大切さに気がつかないと、あなたは大喜利でスベり続けるかもしれませんよ。といいますか、
ぼくはそのことに気がつかずに大喜利をし続け、
自信満々で出した大喜利の回答が全くウケず、
ぼくは、大喜利で死にかけました。
視点が多いとはどういうことか。
たとえば「日本という国」。
あなたはどれだけの視点で、日本を語ることができますか?
視点をいろいろ考えてみてください。
あなたから見た日本。
海外の人から見た日本。
子供から見た日本。
高齢者から見た日本。
女性から見た日本。
後進国から見た日本。
地図上で見た日本。
未来から見た日本。
神様から見た日本。
探せばまだまだ視点を見つけることができます。
視点のことを大喜利やキャッチコピーでは「切り口」と呼んだりします。この切り口の多さが大喜利の回答の数や質に影響してくるのです。
こんにちは、のざき寿(ひさし)といいます。元お笑い芸人です。20代の頃、吉本興業に所属していました。大喜利が大好きです。
大喜利のできる人は、ひとつお題に対して多くの視点で回答を考えられる人です。ビジネスシーンにおいても「面白いアイデアが発想できる人」です。
芸人は、頭に浮かんだたくさんの視点から考えだされた回答の中から、そのときに一番笑いに変わる回答を瞬時に選び出しています。
そのとき「何が一番ウケる回答か」というのは、舞台経験だったり客層だったりしますし、その芸人のお笑い哲学みたいなこともあるでしょう。
「大喜利はセンス」と言ったりしますが、センスだけではお題の良し悪しに回答の質が左右されてしまいます。それではプロとは言えません。
「たまたま面白い回答が浮かんだ」ではなく「どんなお題であってもある程度おもしろい回答ができる」これがプロと素人の差です。
芸人をしていた経験から、大喜利を論理的に考えるコツ・解答の方法論を紹介していきたいと思います。
ちなみにぼくは、公募ガイドの「公募ガイド「千人爆笑!大喜利」で回答が選出されました。ほかにも「たばこ屋さん大喜利2021」で回答が選出されたなどの公募実績があります。
大喜利とは
寄席においてトリ(最後を飾る出演者)がいない場合、それに代わる最後の演目として観客へのいわばアンコールに相当するサービスとして行われていたもの。余興として、その日の寄席の複数の出演者が再び登場し、観客からテーマをもらって互いに芸を競い合った。
Wikipedia 大喜利
大喜利は「笑点」で知られるようになった
広く知られるようになったのは、日本テレビで放送されている「笑点」の大喜利でしょう。
司会者の問いかけ(お題)に対して、演者が「とんち」や「洒落」を効かせて答えるような形式の大喜利です。
ダウンタウン松本人志さんが大喜利を進化させた
NHKで放送されていた「ケータイ大喜利」やフジテレビの「IPPONグランプリ」のようなフリップで回答を答える大喜利形式は、ダウンタウンの松本人志さんがやり始めたと言われています。
1996年に放送が始まった「一人ごっつ」という番組のコーナーで、松本さんが「フリップ大喜利」や「写真で一言」をやり始めました。
「一人ごっつ」はお笑い芸人の中でも伝説の番組で、今見返しても松本さんの大喜利の面白さは頭ひとつ抜けていて色褪せず、現代大喜利の始祖であることは誰もが認めるところです。
ぼくは当時高校生でしたが毎週楽しみでしかたなく、深夜、お腹を抱えて笑っていた記憶があります。
大喜利のデキる人は仕事もできる
大喜利が面白い人は、ビジネスシーンにおいても活躍の場が広がります。
大喜利ができる人は、発想力やアイデア力・人と違った視点を持っている人です。
たとえば企画会議(ブレインストーミング)に参加するとします。
誰もが思いつく商品アイデアしか提案しない人と、さまざまな視点から商品アイデアを提案できる人。
どちらの人が、ブレインストーミングに参加してほしいですか?
また大喜利は「脳を鍛える遊び」の側面もあります。マインドマップに近い連想力も鍛えられますし、右脳を使う発想力・イマジネーション力も鍛えられます。
それはビジネスシーンで役に立ちますし、キャッチコピーを考える上でも非常に役に立ちます。
回答を考えながら大喜利のコツを掴んでいこう!
それでは本題の「大喜利のコツ」について解説していきます。
大喜利の答えを考えながら、大喜利のコツを解説していきたいと思います。
お題を出題しますので、一緒に面白い答えを考えていきましょう!
大喜利のお題
大喜利のお題には、回答しやすいお題もあれば発想が広がりにくいお題もあります。
今回のお題は、回答しやすいお題です。誰もが経験している体験や出来事は大喜利のお題としては回答しやすいお題です。
まずは「あるある」という視点から大喜利の回答を考えてみる
あなたは上司だとして、部下の「ナメている態度」ってどんなことでしょう。
まずは「よくある風景」いわゆる「あるある」から発想していきます。
- タメ口を聞いてくる
- やたら学歴を聞いてくる
- 躊躇なく年収を聞いてくる
- ちょっと席を外していたら俺のデスクに座っていた
- フォローしているにも関わらずおそらくSNSをミュートしている
あるあるとは「共感」「そうそう!それそれ!」って思うことです。
反対側の視点に立った大喜利のお題で考えてみる
今度は反対に部下側の視点から回答を考えてみましょう。
反対側の視点から「あるある」を考える
あなたは部下になって、デキの悪い上司について考えてみてください。
- スーツの着こなしがダサい
- 自分よりも身長が低い
- SNSのフォロワーが自分より少ない
- 安っぽい財布を使っている
- 月末、あからさまにバタバタしている
上司と部下という同じ状況であっても、反対側の視点に立つことで見える世界が変わってくることに気づくと思います。
これが「視点を変える」「切り口を変える」ということです。
世界観のある大喜利のお題に回答してみる
先ほどのお題は世界観のないお題でした。世界観とは、その状況を取り巻く環境のことです。
働いている人だったりモノだったり・専門用語だったりのことです。
今度は、医療業界という舞台で、大喜利の回答を考えてみましょう。
世界観を表す表現・語彙を含めて大喜利の回答をする
世界観の中で発想することがポイントになってきます。
- 聴診器が耳に刺さっていないまま心音を聞いている
- 白衣をよくよく見たらコックコートだった
- ナースに舌打ちされている
- ずっと「手術中」が消えない
- 診察室前の待ち時間が一切ない
「聴診器」「白衣」「ナース」などの言葉は、その世界観を表現するのに重要な役割を果たしています。
こうして言葉や語彙でイメージを伝えていくことも、大喜利のコツになります。
では「この患者、さては仮病だなぁ」というお題はどうでしょうか。
医者側に視点を移して回答を考えてみてくださいね。
視点を変えることが大喜利のコツ
こうして、視点を移したり客観的・俯瞰的な視点で状況を見つめたりすることが、大喜利の基本・コツだと思います。
円柱は正面から見ると四角に見えます。ですが真上からみると円になりますし、斜めから見ると反円の形が浮かび上がってきます。影も含めると見え方はひとつではないのです。
これは観る角度の話ですが、
「抽象的な視点」と「具体的な視点」といった、引きでみたり遠くから眺めたりという考え方もあります。
過去・現在・未来といった時間軸の視点もあったりします。
この考え方は大喜利だけでなくキャッチコピーにも通じる話です。
お題に対して正面から回答したり視点や切り口を変えたりして答えることで、人とは違う回答に辿り着きます。
大喜利でいちばんやってはいけないこと
それは、他の人と「大喜利の答え」がカブることです。
芸人は「ボケがカブる」ことを極端に嫌います。発想の出どころが同じになってしまうと、先に回答した芸人には絶対に勝てないからです。
今まで「あるある」や「共感」を紹介してきましたが、実は「あるある」は誰もが思いつきやすい大喜利の回答で、大喜利の面白い人ほど「あるあるネタ」を避ける傾向にあります。
キャッチコピーを考える時も「あるあるネタ」は避けた方がいい
キャッチコピーを考えるときも、誰でも思いつきそうな言葉は避けた方がいいでしょう。
誰もが共感できるキャッチコピーやメッセージは、裏を返せばインパクトがないってことです。
キャッチコピーはインパクトが大事です。生活者を一瞬で振り向かせる言葉というのは、多少の違和感だったり居心地の悪さだったりが必要だと思うのです。
いろんな大喜利のお題から面白い回答のコツを掴む
今度は「大喜利のお題」に焦点を当てて、大喜利の回答のコツを考えてみましょう。
ぜひ、一緒に考えてみてください。
緊張と緩和を生み出す大喜利のお題
緊張感や悲しみのある場面は、笑いに変わりやすい性質があります。いわゆる「笑いの緊張と緩和」です。
怖い・命が危ない・医療・犯罪など。それらが持っているイメージが「フリ」になるわけです。
このお題の場合は「お通夜」をフリにしているわけですね。
- 遺影が顔出しパネルになっていて喪主と記念撮影できる
- 祭壇がトリックアートになっていてそこに遺体がない
- 赤と白で装飾されている
世界観を広げて発展させていく大喜利のお題
このお題は世界観を伝えていく感じです。
この場合は「アホすぎるとどうなる?」を突き詰めていく感じになると思います。
アホすぎる社員・アホすぎる社長・アホすぎる状況などのイメージを頭の中で描いていきます。
- 夕礼の時間に朝礼が始まる
- ひとりの社員のプライベートな話を全社員で延々掘り下げる
- 売り上げ目標を「飴玉○個分」で発表する
イジるタイプの大喜利
芸人が他の芸人をイジったりすることで笑いをつくることと似ています。
あなたが頭に思い浮かぶヒーローはどんなヒーローですか?
「仮面ライダー」「ウルトラマン」「スパイダーマン」「〇〇戦隊」とすると。
隙を見せる瞬間やカッコ悪い瞬間を切り取ってみてください。キャラのイメージが壊れる瞬間を考えていくと面白い回答になります。
- バイトのシーンが長い
- 駆けつけるために走っている時、小銭の音がする
- 現金支払いに妙にこだわる
瞬発力が必要な大喜利のお題
こういうタイプのお題は、瞬間的に矛盾をつくることを意識します。
セリフの型は壊さずに、リズムや言い方・字面なども工夫すると面白く聞こえます。
- 支払いはもう、終わっている
- 就職さきはもう、倒産している
- 彼女はもう、別の男に抱かれている
「こんな〇〇は嫌だ!」大喜利
このお題は単純に「嫌だなぁ〜」をひたすら突き詰めるお題ですね。行き過ぎるぐらいの回答が面白くなります。
- 子供店長
- SNSバズって調子に乗って作った会社
- 離島にある
お笑い芸人がネタを作る時はまず大喜利をする
ぼくはお笑い芸人をしていました。
漫才のネタを作る時は、まず大喜利をしてボケを考えていきます。
そのボケをつなぐような形で会話を作っていくと、漫才の原型ができてきます。
たとえば「修学旅行の思い出」という漫才のテーマなら、一般的な修学旅行の思い出とはズレたことがボケになってきます。
- ゴーグルはめてさ、みんなでバーチャル空間に行くのよ(メタバース?)
- 寝る時、嫌いな人を言い合った(寝付き悪いやろ〜)
- 現金投げをした(富裕層の修学旅行?)
この作り方は、多くの芸人がしているネタの作り方です。
回答の数はアイデアの数
もちろんボケの面白さは重要ですが、ひとつのお題に対して「どれだけの数の回答ができるか」ということも大切です。
回答の数はアイデアの数です。
ビジネスシーンにおいても企画会議やブレインストーミングでは、アイデアの数・発言の回数を重視します。
大喜利力があれば、いろんな切り口から発言できて多くの発想ができるようになります。
まずは回答の数に着目して、大喜利に取り組んでみましょう。
コピーライターは大喜利が好き
ぼくが通っていたコピーライター養成講座の授業では、大喜利の授業がありました。
コピーライターのセミナーで芸人が講義することもあります。
そのくらい、大喜利とコピーライティングは密接な関係にあります。
大喜利の公募で実力を磨こう
とにかく大喜利をすること。
プロの芸人でも、夜な夜な集まってお酒を飲みながら大喜利大会をすることがあります。
ぼくも芸人をしていた頃は、仲間と大喜利のお題を出し合って大喜利大会をしていました。
大喜利・キャッチコピーの公募に応募しよう
大喜利の公募に応募しましょう。
公募ガイドは大喜利に限らず、文芸やキャッチコピーなどの公募情報がたくさん掲載されています。
「大喜利」で検索をかければ、一般企業の大喜利コンテストも多数見つかります。公募で賞金を稼ぎながら大喜利力を身につけていきましょう。
クラウドワークスでキャッチコピーのコンペに挑戦してみよう
クラウドソーシング(クラウドワークス)の案件では、キャッチコピーの案件がたくさんあります。
クラウドワークスでキャッチコピーが採用されれば、大喜利が収入につながります。
大喜利力を鍛えて、案件に挑戦してみましょう!
SNSの投稿で大喜利力を鍛える
SNSでは大喜利のアカウントがあるなど、大喜利に参加できるチャンスがあります。
とくにSNSでは面白い投稿が目立つ傾向にあるので、あなたの投稿が人気になるかもしれません。
コツは大喜利を楽しむこと
もともと大喜利は人を笑わせるための手段です。真面目に考えてはいけません。楽しむことが大切です。
大喜利の回答を考えていて、思わず自分でニヤけるような回答を考えて楽しみましょう。
自分がおもしろいと思う回答や笑いのツボを探っていくことが、あなたにしか考えられない大喜利の回答になっていくと思います。
その大喜利力はきっと、仕事やプライベートを豊かにしてくれるでしょう。
大喜利を楽しみましょう!