エッセイの構成に悩まなくなったのは読者を意識して書くようになったから
書きたいことは決まっているのだけど、
構成をどうしようかな。
エッセイは自由な表現で書けるエッセイですが、自由なものほど頭を悩ませますよね。
何を書いてもいい・どんな構成でもいいエッセイは、文章を書き慣れていない人にとっては難しいのかもしれません。
こんにちは、のざき寿(ひさし)といいます。元芸人です。
当サイトに来てくださり、ありがとうございます!ゆっくり見ていってくださいね!
ぼくの個人的な意見になりますが、エッセイや文章の上手な人・伝わる文章が書ける人っていうのは、構成力がある人だと思っています。
たとえば「すべらない話」ってありますよね。
喋りのプロである芸人の話って、やっぱりスッと入ってきます。
どんなテクニックがあると思いますか?
喋りのテクニックの中に、エッセイを上手に書くポイントや構成の秘訣が隠されています。
元芸人の視点から、エッセイの構成について解説していきたいと思います。
エッセイの実績を知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
エッセイの構成として何から書き始めるべきか
エッセイの書きはじめに、いつも困るんだよなぁ。
大前提に、読み手・読者がいるということを忘れてはいけません。
エッセイは好きなことを自由に書いていい文章です。自分の書きたいことからはじめても問題はないです。しかし、自分にしかわからない文章では、最後まで読んでもらえることはないでしょう。
読み手に何を見せたいかでエッセイの書き出しを決める
どの場面を見せることが、読者の興味を惹きつけますか?
エッセイに限らず文章の書き出しは、とても大事です。
すべらない話の構成でいえば「つかみ(相手の興味を惹くための話だし)」です。芸人は、つかみにとても気を使います。
「〇〇のときの、ちょと変わった友人の話なんですけどね」
話はじめで観客の興味を惹かなければ、その後の展開にも興味を持てなくなります。それはエッセイも同じでしょう。
いいエッセイとはどんなエッセイか
語彙がたくさん。文学的な言い回しや比喩表現が素晴らしい。
たしかにいいエッセイには欠かせない要因かもしれません。しかし、どんなに素晴らしい文章でも、最後まで読まれなければいい文章とは言えません。
つまりいいエッセイ・いい文章とは、最後まで読まれる文章なのです。
つたない文章表現でも、読者に最後まで呼んでもらえたのなら、それはいい文章と言えます。純文学のような文章表現は、エッセイには求められていないのです。
エッセイは構成で読ませる
文章の構成力がしっかりしていれば、最後までストーリーを楽しみながら読めるエッセイになります。
完読される文章については、こちらの記事をどうぞ。
エッセイの構成とは
具体的なエッセイの構成を知りたい。
では、エッセイの構成をもう少し深く掘り下げていきたと思います。
エッセイに限らず、文章の構成にはいろんな型があります。
- 起承転結
- PREP法
- PASONAの法則
- 結論・本論・まとめ
いくつもある文章の型を、文章の性質によって使い分けることが重要です。たとえば、論文であれば、PREP法が向いていますし、セールス文であれば、PASONAの法則がいいでしょう。
エッセイは三幕構成で構成しよう
エッセイの構成に向いている「三幕構成」を紹介したいと思います。
三幕構成は、主に以下のセクションに分かれています。
- 序論
- 本題
- まとめ
それぞれどのような内容なのか、詳しくみていきましょう。
序論で舞台設定を描く
文章の導入部分です。文章全体の2割くらいの文章量で構成します。
エッセイでは、舞台設定や情景を描写するといいでしょう。
映画の冒頭のシーンを思い浮かべてみてください。
- どこの国の
- 誰の
- どんな話なのか
観客にこれらの情報を伝えているはずです。いきななり主人公の感情表現を伝えても、読者はついてこられない場合があります。まずは、世界観を丁寧に伝えていきましょう。
本論でストーリーを展開する
文章全体の核となる部分です。文章全体の6割くらいの文章量で構成します。
ここから、出来事やエピソード展開していきます。
- 何が起こった
- どう感じたのか
- どうなったのか
読者に読んでもらいたいこと・伝えたいことを、エピソードを交えて書いていきます。
まとめはクライマックス
文章の総まとめを書きます。文章全体の2割くらいの文章量で構成します。
主に、筆者の想いや気づき、このエッセイで読者に何を伝えたかったのかを書いていきます。とくに印象づけたい主張や想い・行動の提案でもいでしょう。
読後感に繋がるため、まとめも丁寧に書いていきましょう。
三幕構成で書くエッセイは「2:6:2」の割合で書く
この三幕構成、アメリカの脚本家「シド・フィールド」による映画構成の手法です。
詳しく知りたい方は、次の書籍を読んでみてくださいね。
すべらない話の構成を参考にしてみる
この三幕構成は、冒頭でも例に挙げた「すべらない話」でも使われています。
まずは序論です。
「こないだ、とんでもなくイラッとしたことがありまして」
「近所を散歩してたんですよ。その道は路地で、そんなに道幅が広くないんですね」
ここからが本論です。
「前から歩きタバコで歩いてくる人がいて、しかもスマホみながら歩いているから前見てないですよ」
「そしたら案の定、すれ違うときにタバコの火がぼくの腕に当たりかけてね」
「とっさにぼく、危ない!前見て歩け!て叫んだんですよ」「子供とぶつかったりでもしたら危ないじゃないですか」
そしてまとめ。
「あげた顔をみてみたら、父親だったんです」
「散歩、ちょっと遠回りして帰りました」
どうでしょう?
オチこそ面白くないですが、芸人さんも状況説明からはじめて、エピソードに繋げています。これがいわゆる「フリ」になるわけです。
オチが面白ければ、すべらない話として成立していると思います。
5W1Hでエッセイの構成を考える
三幕構成が合わないという方は、5W1Hで考えることもおすすめです。
ちょっとアレンジして使うことをおすすめします。
- いつ
- どこで
- だれが
- なにを
- どうして・どのように
- どう感じた
アレンジしているところは「どう感じた」の部分です。エッセイの面白いところは、感情描写にあると思っています。
出来事やエピソードから、何を感じたのかを書くようにするとエッセイに深みが出てきますし、読者も感情移入しやすくなります。
5W1Hに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
エッセイを構成する要素とは
エッセイって、どんなことを書けばいいの?
ぼくがエッセイを書くときに意識していること、構成する要素について解説したいと思います。
エッセイのテーマをどうするか
ぼくはテーマを決めずにエッセイを書きます。テーマを先に決めてしまうと、テーマの枠に収まってしまうからです。
文章を書き進め、エピソードや自分の思い・感情を書いた上で後から「自分はこの文章で何が言いたかったのか」を探すようにしてテーマにしています。
エッセイでは自分の出来事やエピソードを中心に書く
自分が実際に体験したこと・実際に経験したことをエッセイにしています。体験から得た感情や気づきを読者と共有・共感することを目的としてエッセイを書きます。
一方で、世の中の出来事や取り自分を巻く環境に意見を述べることを、コラムということにしています。
主人公と主語をはっきりさせる
エッセイは感情の描写や場面転換が多くなるため、文章中で「誰の目線で」「誰の感情で」「誰の言葉なのか」が分かりにくくなる場合があります。
なので、エッセイの中で主人公をしっかりと決め、主語をきちんと書くようにしています。読者を置いていかないように心がけています。
感情表現をしっかり描く
エッセイの面白いところは、感情表現にあると思っています。
ある出来事に対して、
- 主人公はどのように感じたのか
- どんな気づきや失敗があったのか
感情の動きを文章で表現することが、エッセイの醍醐味だと思っているので、感情の表現にはこだわるようにしています。
セリフは自然に書く
エッセイ中のセリフは、自然な話し言葉で書きます。
描写は標準語で書いていても、セリフには方言を使うなどして臨場感を出していきます。
エッセイのタイトル
エッセイのタイトルは、文章中に印象に残った言葉から連想して考えるようにしています。
タイトルもテーマ同様、先に考えてしまうと自由な発想ができなくなるので、本文を書いた後に考えるようにしています。
読者への問いかけがあるか
エッセイを読み終わったあと、読者に何を感じてもらいたいか。
印象に残るような終わり方を考えるようにしています。
たとえば、あえて結論を書かない・疑問を投げかけて終わるなどして、読者の考える余地を残しておくことなどです。
切り口を変えてエッセイに独自性を出す
日常生活でそうそう変わった出来事はありません。
ありきたりな出来事をそのままエッセイにしてしまうと、当然ありきたりな文章になってしまいます。
そこで、目線や切り口を工夫するようにします。
出来事の観点をずらしたり、別の視点で描写したりするなど、なるべく人とは違う切り口を探して書くことを心がけています。
エッセイを磨いてスマートな構成にしよう
やっと書いた、と思ったら、
文字数がオーバーしている。
公募などのエッセイを書いていると、よくあることです。
ぼくは、2,800文字の応募規定のエッセイなのに、5,000文字をゆうに超えていたことがあります。
そこで、エッセイの推敲で気をつけているポイントを紹介します。
テーマに関係していないところは削る
大幅に文字数がオーバーしているときは、思い切って段落ごと削らなくてはならなくなります。
そこで注意したいことは、そのシーンを飛ばしても展開が不自然にならないかどうかです。
たとえば、削った部分に登場人物がいたり、時系列がおかしくなったりするような添削は行わないことです。
言い回しをスマートにしていく
エッセイを書いていると、独自の言い回しを使いたくなります。
まわりくどい表現がないかチェックしていき、比喩や専門用語などは削っていきましょう。とくに専門用語は、必然的に用語を説明する文章も書かれている場合がほとんどなので、効果的な場合を除きなるべく使わないようにします。
句読点を打ちすぎない
ぼくはタイピングの癖で、句読点を打ちすぎてしまうことがあります。不要な句読点はどんどん削っていきましょう。
削れる文字は、ひと文字でも削って文章を洗練させていきましょう。
エッセイのネタを探そう
何を書こうかなぁ。うーん。
エッセイのネタ探し、苦労しますよね。
ぼくの、ネタ探しの方法はたったひとつです。
感情の動いた瞬間、すかさずメモを取る。
たったこれだけです。
エッセイの公式があるとするなら
ある出来事に対して、
嬉しいな・悲しいな・楽しいな・ムカついた・焦った・不安だった、などなど。
日常から自分の感情へ意識を向けておきましょう。その感情の動きがエッセイのネタになります。感情が動いた瞬間の出来事も一緒に記憶しておきます。
ぼくのエッセイの公式はこのような感じになっています。つまり自分に対して取材をしていくわけです。
エッセイに限らず文章の書き方について学びたい方は、この本がお勧めです。
取材方法から、構成・執筆・推敲までを詳しく解説してくれています。
文章力を身につける方法
どうしたら、エッセイが上手にかけるようになるのかな?
ぼくが行っている、エッセイを書く力を上げる方法をご紹介します。
エッセイを読む
当然ですが、他人のエッセイを読むことです。
ですが、ただ読むのではなく、次のことに意識を向けて読みます。
- 新しい語彙
- 言い回し
- 比喩表現
- 句読点の打ち方
これらのテクニックに意識を向けながら、何度も読み返していきます。できればプロのエッセイストの文章がいいでしょう。
映画から構成を学ぶ構成
映画を見るときは、構成に意識を向けて観るようにしています。
- 情景描写
- 場面転換
- クライマックス
- エンディング
映画のストーリーの見せ方は、そのままエッセイにも活かすことができます。
知識を増やす
エッセイや小説に限らず、ビジにネス書や自己啓発本も読むようにしています。
知識や視点を多く持っていた方が、エッセイを書くときに独自の切り口が生まれやすくなるからです。
やはり知識量は多いほうがいいでしょう。
エッセイの公募にチャレンジする
エッセイの公募には積極的に応募しましょう。
他人の評価を前提に書くこと、文字数制限のあるエッセイを書くことは、実力を飛躍的に向上させてくれます。
エッセイの公募でお小遣いを稼ぎませんか?
note(ノート)でエッセイを書こう
テキストコンテツを配信するプラットフォーム、noteでエッセイを書くこともおすすめです。
読者のいるところで、文章を書く練習をしましょう。
noteは、あなたのエッセイを有料で販売することもできます。
SNSで短い文章も書こう
短い文章を書くことも、エッセイの実力を上げてくれます。
ひとつの投稿に、ひとつのエピソードと感想を添えるなどして、自分のメモとして使ってみてもいいですね。
SNSを使っておくと、あなたのエッセイを読んでくれる人も増えていくかもしれませんよ。
エッセイは構成でなんとかなる
よし!エッセイを書いてみよう!
エッセイを書き始めるまえに、構成のメモを書くようにすると格段に書きやすくなります。
映画では構成のことを「プロット」と言いますが、プロットがしっかり決まっていれば、テーマから逸れることも少なくなりますし、脱線することも少なくなります。
読者に最後読まれるエッセイは、細かな文章表現ではなく、まずは飽きさせない構成が重要です。
あなたの創作に、お役に立てたなら嬉しいです。