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第16回介護作文・フォトコンテスト・作文でエッセイ部門に応募した作品を公開します

第16回介護作文・フォトコンテスト・作文でエッセイ部門に応募した作品を公開します
hisashi
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キャッチコピーについての記事を書いる傍ら、このブログのテーマである「公募」に挑戦しています。

今回、第16回介護作文・フォトコンテスト、作文・エッセイ部門にチャレンジしました。

のざき寿
のざき寿

こんにちは、のざき寿(ひさし)といいます。元芸人です。

当サイトに来てくださり、ありがとうございます!ゆっくり見ていってくださいね!

創作活動や情報発信をしている人にとって、公募はひとつのチャンスでありキッカケになります。賞などを受賞すれば実績となり、実績は実力の証明になります。

公募には、今よりももっと多くの人にあなたの作品を届けられる可能性があるのです。

実は同コンテスト、14回の時にキャッチフレーズ部門で最優秀賞をいただきました。

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この実績をきっかけに、ぼくは創作活動を生活の軸として考えるようになりました。

ぼくは現在介護職員としてデイサービスで働く介護職員です。介護現場で働く中で経験したエピソードや経験をもとに、キャッチコピーやエッセイをSNSなどで発信しています。

活動の目的は、介護に関連した作品を通じて介護に対するネガティブなイメージを少しでもポジティブなものに変えていきたいと考えています。同世代が抱える介護への課題や不安を少しでも軽くできればとも思っています。

実は、今回応募したエッセイは落選してしまいました。いろいろと工夫を凝らして作り上げた作品でしたが審査員の評価にはつながりませんでした。

このまま埋もれていくのも悔しいので、この記事で作品を公開しようと思います。そうすることであなたの創作活動に、何か参考になることがあればと考えたからです。

第16回介護作文・フォトコンテスト概要

介護作文・フォトコンテストは、公益社団法人・全国老人福祉施設協議会が主催する公募です。

コンテストの趣旨

以前の生活に戻りつつある現在、福祉介護施設において、
おじいちゃん、おばあちゃんと
「会う」「話す」と機会はさらに増えていきます。
今までなかなか会えなかった分、会って話すことで、笑顔が増えます。
おじいちゃん、おばあちゃんの笑顔を増やして、
もっと幸せを感じてほしい、そんな思いを込めてコンテストを実施いたします。

第16回介護作文・フォトコンテスト

第16回目の開催。コンテストの規模は年々拡大していっています。審査員にタレントの井上咲楽さんが起用するなど、介護関連の公募では権威性のあるコンテストになってきています。

各種部門

コンテストは全4部門で構成されています。

  • 作文・エッセイ部門
  • フォト部門
  • キャッチフレーズ部門
  • 手紙部門

各部門の賞金は5万円、公募の中でも高額な賞金です。

各部門の審査員が豪華

各部門、それぞれの業界で実績のある審査員が審査をします。

  • 井上咲楽さん(タレント / 手紙部門)
  • 岸本葉子さん(作家・エッセイスト / 作文・エッセイ部門)
  • 山田真由美さん(カメラマン・介護福祉士 / フォト部門)
  • 勝浦 雅彦さん(コピーライター / キャッチフレーズ部門)

権威のある審査員に自分の作品を評価してもらえることは、クリエイターとして自信につながりますし実績として効果を発揮すると思います。

詳しい募集要項や応募規定・審査基準などは、コンテストのホームページで確認してみてください。創作におけるコツやヒントといった記事や受賞作品なども公開されています。

応募した介護エッセイ・作文

結果的に落選となった作品ですが「何がダメだったのか」「どうしたら選ばれる作品になったのか」そのような視点を持って作品を見ていただけると、参考になるのではないでしょうか。

エッセイのテーマと規定

テーマとして以下のどちらかを選択する必要があります。

  1. あなたにとっての介護
  2. 介護と「幸せ」

今回ぼくは、1番目の「あなたにとっての介護」を選択しました。

規定は以下の通りです。

  • 1,200字以内(原稿用紙、ワープロ原稿)
  • 縦、横書いずれも可、書式自由
  • タイトルを明記
  • 1人1作品まで

※生成AIで作成した作品は対象外です。受賞後に判明した場合は失格と致します。

公募に作品を送る時、規定に反していないか必ず確認するようにしましょう。
どんなにいい作品に仕上げたとしても、応募規定に反しているとその時点で落選してしまいます。とくに応募数が多いコンテストの場合は、審査員は作品をふるいにかけることも大変だと聞きます。規定に反している作品から弾かれてしまします。

応募したエッセイ

いごこち

丸首Tシャツの襟を掴んだ。おいっきり引っ張りあげてダルダルにしてやる。
 
「手ぇ、はなせや!」
 
相手もぼくの腕を掴んで、手を襟から引き剥がそうと応戦してくる。小競り合いはしばらく続き、身長と体格で負けているぼくがアスファルトに押さえつけられ決着になった。店先で、酔っ払った中年ふたりが繰り広げた泥試合。丸首は楕円にしてやった。いや僕とて背中を打ち、一週間は身体介護のたびに呼吸が少し苦しかったのだ。
 
「おお!生きてたか!」
店に入ると、一拍おいて大将の威勢が飛んできた。常連さんとも目が合い、忘れられていないことに安堵する。
再開はこの店の寿司と心に決めていた。やっと感染が落ち着いて二年ぶりの外食だ。とはいえぼくは介護施設で働いている。きっちり検温してから家を出たし、マスクはしっかりと鼻まで覆う。これまでのワクチンはしっかり打ってきた。カウンターの10席ほどの立ち食い寿司屋だ。席は一応アクリル版で仕切られているが常連でごったがえす店。できる限り黙食し注意を払う必要がある。がしかし、これらがすべて仇となる。
「この店でマスクなんて意味ねーだろ」常連のひとり、マスクレジスタンスがぼくに店のローカルルールを押し付けてきたのだ。店内を見渡すと、確かにぼくだけがマスクをして呑んでいた。なんとも居心地が悪い。
「ほかの店いけよ。目障りだから」直接的な追撃の言葉にぼくは苛立ち「お前に関係ねーだろ!おもて出ろ」と言い返して、泥試合が始まったわけである。
 
「やめろぉー!」
翌日は、90近いおばあちゃんの怒号で幕を開けた。入浴拒否がいつもに増して強烈で、手を差し出すと掴まれるわ引っかかれるわ噛みつかれるわの破城攻撃。
「息子さんにも頼まれているからお風呂へいきましょう」
やさしく丁寧に説明するが、相手は認知症高齢者。会話は意図しない伝わり方をしている可能性が高い。ぼくの表情も次第に強張っていく。さすがに他の職員にバトンタッチして距離を置くことにした。ふと、昨日の泥試合を思い出した。あのときぼくは、寿司屋にいた常連全員が敵に思えた。
あれ?おばあちゃんにしてみたら職員が変わるがわる険しい顔で、気持ちや事情を無視して「お風呂に入れ」と詰め寄ってくる。この状況、とんでもなく居心地が悪いだろうな。まてよ、昨日のぼくと一緒じゃないか。
認知症高齢者の方が不穏になるのは、排泄がうまくいかず気持ち悪いのかも。ことばが冷たくて怖い顔をした職員が嫌なのかも。顔馴染みがいなくて心細いのかも。あらゆる事象を利用者さんの居心地で視るようにしてみた。
 
物事が腑に落ちるタイミングは、全く別の状況で起きたことと目の前の状況がシンクロしたときだ。
そうか、介護は「居心地を作る仕事」なのか。自分で環境を作りきれない高齢者にとって、環境を作れる僕らが必要とされているのか。
腹落ちしてぼくは、介助は作業ではないと心底思えるようになった。

あとがき

コロナ禍明け、長い自粛期間が終わりに近いたころに書いた作品でした。

久しぶりに行きつけの居酒屋に顔を出したら、ぼくがマスクをしてご飯を食べていることを常連さんに揶揄されました。その店ではマスクをつけている人をよく思わない風潮があったのです。たしかに狭い店内でマスクをしていても、あまり効果がないようにも思えます。

ただぼくは、介護職員ということもあってマスクをする習慣が身についていました。

常連さんの目線を気にしたり、野次を受けたりしたことで喧嘩に発展してしまいました。

ここまでがエッセイの前半です。

エッセイの後半では介護現場へと場面転換します。暴力行為が出てしまう認知症高齢者の方とのエピソード。なぜ暴力行為が出てしまうのか、考えているうちに居酒屋の出来事と結びついた瞬間がありました。

「居心地」をテーマに、介護職員としての気づきと成長を描き、読者に伝えられたらと思って作品に仕上げました。

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エッセイを書く時に意識していること

ぼくは、エッセイを書く時に意識していることがふたつあります。

  • 実体験に基づいたエピソードであること
  • 感情の描写がされていること

これらのことを意識してエッセイを書いています。

実体験に基づいたエピソードであること

自分が体験したこと、自分の身の回りで起こった出来事がエッセイの中心にあります。裏を返せば、世の中で起こっている出来事・誰かから聞いた話では文章を構成しないという意味です。

やはり、自分が実際に見てきた景色や感じた感情をストレートに表現している部分がなければ読者の心に届かないと思うからです。

たとえばコラムとかなら世の中の出来事にたして思っている意見や提案でもいいのですが、エッセイでそれをしてしまうと主人公の存在が見えづらくなってしまい、読者が感情移入する先を見失ってしまいます。

「やめろぉー!」

翌日は、90近いおばあちゃんの怒号で幕を開けた。入浴拒否がいつもに増して強烈で、手を差し出すと掴まれるわ引っかかれるわ噛みつかれるわの破城攻撃。

この部分からは介護現場での実体験を語って、前半の居酒屋での喧嘩のシーンと重ねわせています。

実体験を書きたいという思いから、ぼくは介護現場で働いています。

感情の描写がされているエッセイであること

「エッセイとはなんですか?」と聞かれた時に、あなたはどのように答えますか?

エッセイは小説と違って、書き手の「胸の内」を明かすような文章が魅力にあると思っています。

実際のエピソードを文章の軸に置き「自分はどう思ったのか」「何に気付いたのか」「どのように自分は成長していったのか」これらを描くことが一番大切なことだと思っています。また、思考のクセ・弱音や本音を曝け出していくこともエッセイの面白さに直結すると考えています。

感情表現のないエッセイは、ただの情景描写でしかありません。極端な話、映像を文章にしているだけでただの説明です。感情が描かれていない文章は当然、読者の感情にも届くことはないでしょう。

丸首Tシャツの襟を掴んだ。おいっきり引っ張りあげてダルダルにしてやる。

「手ぇ、はなせや!」

相手もぼくの腕を掴んで、手を襟から引き剥がそうと応戦してくる。小競り合いはしばらく続き、身長と体格で負けているぼくがアスファルトに押さえつけられ決着になった。

冒頭でインパクトを出すために、あえて喧嘩のシーンから描きました。怒りの感情を描いて、その後の展開に期待感を持たせようと思いました。

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公募に応募して実績をつくろう

ブログや創作物は「どんなことが書いてあるのか」よりも「誰が書いているか」が重要になる場合があります。

より多くの人に作品や情報を届けるためには、公募などで実績を作ることはとても大事な作業だと考えています。

もしあなたが文章・絵・音楽などの創作活動をしていて、その活動だけで十分なお金を稼げていないのなら、公募がひとつの打開策になるでしょう。

少なくともぼくは、その可能性を信じて公募にチャレンジしています。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

この記事が、あなたの創作の参考になれば嬉しいです。

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のざき寿
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物書き
元芸人 / Webエンジニア5年 / SEOライティング2年 / コピーライター養成講座卒業
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