公募にチャレンジ
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介護エッセイの公募で新聞社賞を受賞したので作品の一部を紹介をします

介護エッセイの公募で新聞社賞を受賞したので作品の一部を紹介をします
hisashi
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NPO法人「てとりん」主催の介護作文・エッセイに応募しました。作品と制作意図について振り返ってみたいと思います。

のざき寿
のざき寿

こんにちは、のざき寿(ひさし)といいます。元芸人です。

当サイトに来てくださり、ありがとうございます!ゆっくり見ていってくださいね!

なんと、新聞社賞をい頂きました!

いままでキャッチコピーの公募には応募してきましたが、新しい分野にもチャレンジしてみようということで、エッセイコンテストに応募してみました。

介護の仕事をしていて感じたこと、家族介護の問題について素直な気持ちや葛藤を書いたことが良かったのかもしれません。

長文を書くことに慣れていなかったのですが、何度も作品を見直して完成した時には達成感がありました。

では、エッセイ公募の概要と作品の紹介をしたいと思います。

あなたの公募のヒントになれば嬉しいです。

介護エッセイ公募の概要

この公募は、介護事業を展開しているNPO法人「てとりん」主催の家族介護をテーマにしたエッセイコンテストです。

課題の詳細

介護生活の実際や、ケアラー(家族介護者)の喜び・悩み・本音などについて、具体的なエピソードを交えたエッセイを募集します。

てとりん

応募資格

家族や親族、身近な人の介護をしている人(していた人)

賞品

  • 市長賞
  • 市民文化財団賞
  • 新聞社賞
  • 「てとりん」賞

各1名 各賞受賞者に副賞として商品券1万円分を進呈

応募規定

  • 応募は1人 1点のみ。
  • 作品登場人物のプライバシーには十分配慮してください。
  • 第三者が著作権の権利を有している著作物を使用しないでください。
  • 作品集掲載作品の著作権は主催者に移転します。
  • 募集する作品は未発表のものに限ります。他の出版物等に掲載された作品や他の公募企画に応募中の作品は対象とはなりません。

公募の期間

2023年4月1日〜6月30日 ※消印有効

選考

審査員による厳正な審査

表彰式

2023年11月11日(土)13:30〜15:30

作品集

優秀作品を1冊にまとめ作品集を発行します。

応募者全員に、作品集を一冊進呈します。

注意事項

  • 応募作品は返却しません。応募の際は控えのコピーをお取りください。
  • 作品集へ掲載する際、誤字脱字や文章について、主催者の判断により、内容に影響のない範囲で 修正する場合があります。 ご了承ください。
  • 選考基準、選考過程についてのお問い合わせには回答できません。
  • 作品集は、本年度制作の初版は無料で配布します。第2版以降は主催者が有料にて販売しますが、掲載作品の作者の方に対価のお支払いはしません。
  • 応募者の個人情報は、主催者が本事業のために使用します。それ以外に使用または第三者へ提供することはありません。
  • 個人情報の内、筆名( 氏名 )、年齢、在住市町村区については、作品集に掲載します。
  • 応募者は応募の時点で、募集要項に同意したものとみなします。
  • 募集要項に違反する場合は選考の対象とはなりません。

原稿

  • 400字以上、2,800字以内
  • Word等のデータを添付してください。

応募は全部で、42作品あったそうです。

応募した介護エッセイが新聞社賞を受賞しました。

応募規定の中に、著作権は主催者側に移転するとのことなので、全文の紹介はできませんが、冒頭の一部を紹介したいと思います。

ぼくは母親と一緒に実家で暮らしています。

将来、母親の介護を考えて介護職に転職するなど、いろいろと準備する中で起こった家族間の不調和を描いています。介護で起こる心の葛藤など、同世代に呼びかけるように意識してかきました。

のざき寿
のざき寿

一致不団結

相手を大切に想うあまり、感情や責任感が強くなって、いつしか相手の視点を見失ってしまう。相手に自分を押し付けてしまう。介護ではよくあることかも知れない。
 
僕と母は、病院の診察室で医師の説明を受けていた。
「心臓には心房という血液を出し入れしている場所があります。心房細動は、その心房がブルブルと小刻みに震えて起こる不整脈なんです」
「心房細動の患者さんは、心房に血栓という血の塊ができやすくなります。もし、その血栓が血流に乗って脳に行ってしまった場合、脳の血管が詰まってしまいます。つまりですね、心房細動は脳梗塞を引き起こす危険があるんです」
表紙に「心房細動の患者さんへ」と書かれた小冊子を手に、僕と母は医師の説明を食い入るように聞いていた。

いきさつは前触れなく、母からのお願から始まった。
「心房細動っていう病気らしくてね。今度、一緒に病院へついてきてくれる?」「このあいだ健康診断を受けたでしょ。心電図が引っかかってね。もともと不整脈あるでしょ。精密検査したら、ご家族と一緒に説明を聞きに来てくださいだって」
僕は状況への理解が追いつてくるのを諦め「わかったよ。いつ行くの?」と、ひとまず返事をした。

知らない。健康診断のことも不整脈があることも。そのうえ「シンボウサイドウ」という初耳の病気ときた。すぐさま返事できただけで満点だろう。確かに母はあと5年もすれば後期高齢者だ。体のどこかに不調があって不思議ではない。そうして文脈を補完してやっと理解が追いつてきた。

僕と母は実家で一緒に暮らしている。ふたつ上の兄は県外で暮らしている。小学校2年生の時に両親は離婚した。それ以降、父親の消息は知らない。僕らは母子家庭で育った。というわけで、母の病気の説明を受けるのも将来的に面倒をみるのも、僕の役目だと思っている。面倒をみるのは嫌ではない。今現在まで好き勝手な人生を送らせてもらってきた感謝と恩返をしたいと思っているからだ。

てとりん
のざき寿
のざき寿

ここまでで800文字前後なので、あと2,000文字続きがあります。紹介が一部になってしまって申し訳ないです。

エッセイを書く時に意識したこと

エッセイを書くことが初挑戦だったので、いろいろ苦戦しました。工夫した内容を紹介していきたいと思います。

まずは文字数制限を意識しないで書く

この公募は文字数制限がありました。最終的には2,800文字にしないといけません。

しかし、はじめに書いた文字数は8,000文字を超えていました。

はじめから文字数を気にして書くと、エッセイ自体が小さく納まってしまうかもと思ったので、最初はあえて文字数は気にせずに書きました。ただ8,000文字になるとは思っていませんでしたが。

主題(テーマ)から外れている内容は削る

書きすぎた文字数を削る時に意識したことは、主題(テーマ)から外れていることをカットすることでした。

  • 必要のない場面やシーン
  • 必要のない登場人物
  • 余計な言い回し・描写

シーンごと、段落ごとバッサリ切ったところがいくつもあります。カットしたことで、読み手に意味が通じなくなっては元も子もないですが、必要のないと判断した文章はバッサリ切っていきました。

のざき寿
のざき寿

エッセイを完成させるまで、合計8回書き直しました。しんどかったぁ〜

場面転換を意識する

エッセイの中で、なるべく同じシーンが続かないようにしました。それは、読み手を飽きさせない工夫です。

  • 母親と一緒に、病院で母の病気の説明を受けているシーン
  • 兄が実家に帰ってきたシーン
  • 母親とぼくの対話のシーン

すくなくとも、このエッセイは3つのシーンで場面転換されています。展開の途中に、ぼくの感情を描くところだったり、家族構成・家族関係を描くところだったりを散りばめました。

テーマの結論をエッセイの冒頭に書いた

冒頭に、テーマの結論となる問題提起を書くようにしました。それは、読み手の興味を惹くための工夫です。

問題提起を冒頭に持ってくることで、読み手に結末を期待してもらおうという意図がありました。

三幕構成を意識する

三幕構成という文章の構成があります。序論・本論・結論から構成される書き方です。冒頭は舞台設定を描写し、そこで繰り広げられる出来事やトラブルを書きまます。そのあと、物語が収束していくようにエンディングへと向かっていきます。

こちらの記事もどうぞ
相手に伝わる文章の構成と完読される書き方とは
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のざき寿
のざき寿

三幕構成については、シナリオライティングの本を参考にしています。

エッセイが作品集になり公募の表彰式に出席してきました

このエッセイで新聞社賞をいただいたことで、表彰式に出席してきました。そして作品集としてまとめていただけました。

自分の作品を評価してもらえることは素直に嬉しいですし、文章を書いていく自信につながりました。エッセイ公募にチャレンジしてよかったです。

なによりもいちばんの収穫は、文章力が上がった実感があったことです。

文字数制限のある文章と向き合うと、強制的に無駄な部分は省かないといけないですし、かといって伝わらない文章にならないように意識しなくてはいけませんでした。

言い回しや比喩、文末表現なんかも磨かれていく感覚がありました。

今後も果敢に公募にチャレンジして、文章力を磨いていきたいと思います。

何か、あなたの作品づくりの参考になれば幸いです。

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