ホームページ制作に必要な企業(自社)情報の整理

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 ホームページに掲載するコンテンツを考えるために、企業情報の整理・分析をしましょう。

 きちんとした情報整理はユーザー利便性の向上につながり、成果のでるホームページの第一歩になります。

 この記事では、情報整理するためのリストアップ項目や分析のためのフレームワークを紹介します。

企業情報でリストアップする基本的な項目

 ホームページに掲載する基本的な項目から紹介していきます。

企業情報のページに必要な項目

事業内容

  • 事業名(屋号)
  • サービス内容
  • 取扱製品
  • 主要サービス・製品
  • 資本金

企業メッセージ

  • ビジョン
  • ミッション
  • ブランドメッセージ
  • スローガン(企業目標)
  • クレド(行動指針)
  • 社会的役割(ブランドパーパス)
  • ロゴ

事業所在地

  • 住所(Google Map)
  • TEL
  • MAIL
  • FAX
  • ドメイン(URL)

組織体系

  • 組織図
  • 関連企業
  • 従業員数

沿革

  • 設立日(開業日)
  • 過去から現在までの歴史

サービス情報のページに必要な項目

サービス・製品ラインナップ

  • 製品詳細
  • 料金

営業商圏・範囲

  • 対象地域
  • 対応言語
  • BtoC / BtoB

実績

  • 経歴
  • 販売実績
  • 経験年数
  • 受賞歴

採用情報のページに必要な項目

採用

  • 採用メッセージ
  • 求める人物像
  • 募集要項

その他の項目

SNS

  • Twitter
  • Facebook
  • ​​Instagram
  • YouTube
  • TikTok
  • LINE

イメージカラー

  • メインカラー
  • サブカラー
  • アクセントカラー

目標としている企業

  • 同業他社
  • 異業種他社

知らせたい情報(更新情報)

  • 製品情報
  • イベント

ホームページの運用リソース

  • 作業環境
  • 作業時間
  • 作業人員

 ここで洗い出した情報すべてをホームページに掲載するわけではありません。ユーザーに伝えたい情報だけを取捨選択していきます。

https://hisashi-media.com/web/purpose/

自社の分析とマーケティングをしよう

 これから作るホームページは「誰に」「何を」「どうしてほしい」サイトなのか、洗い出した自社の情報をもとに掘り下げていきましょう。

 Web制作会社では、マーケティングの視点で企業分析を進めていきます。分析した情報をもとにホームページの方向性を決め、目的・目標・成果の基準を提案していきます。

Webマーケティングとは?

 マーケティングとは、ひとことで言えば「商品を売る仕組み」です。 

 たとえばスーパーマーケットで何気なく手に取った商品にもマーケティングが使われています。

  • スーパーの立地
  • 陳列場所
  • POP
  • キャッチコピー
  • 商品のパッケージ

 これらさまざまな要因が重なって商品は生活者の手に届くのです。つまり顧客がその商品を手にするまでに何が必要かを考えることが、マーケティングの基本となります。

マーケティングを手助けするフレームワーク

 マーケティングをする時は、フレームワークを使用しましょう。フレームワークを使うことで、情報や思考のヌケ・モレを防ぎます。次のことをフレームワークで考えていきます。

  • ベネフィット
  • セグメンテーション・ターゲティング
  • 他社との差別化(USP : 自社の強み)
  • 4P(製品・価格・販路・広告)

 自社の商品が「なぜ選ばれるのか?」を論理的に考えていきましょう。そして「誰に」「何を」「どうしてほしい」ホームページか、整理していきましょう。

「誰に」向けたホームページかを考えるフレームワーク

 あなたの事業やサービス・製品・商品は、どんな方たちが必要としているのでしょうか。

  • セグメンテーション
  • ターゲティング

 顧客を明確にし絞り込むために、これらのフレームワークや考え方を用います。

セグメンテーション

 セグメンテーションは、自社サービスや製品の価値を、どんな人たちに提供するものか、カテゴリー分けすることです。

 セグメンテーションは、主に以下の項目でカテゴリー分けします。

  • 性別
  • 年齢
  • 居住地域
  • 世帯収入

 セグメンテーションは大まかな分類です。セグメンテーションだけで絞りきれない項目を、ターゲティングでさらに絞っていきます。

ターゲティング(ペルソナ)

 ターゲティングは、セグメンテーションで分類した顧客をさらに絞り込み、深く掘り下げて考えていきます。

 ターゲティングの方法として「ペルソナシート」を作りましょう。ペルソナとは「理想の顧客像」のことです。では、ペルソナシートの項目を見ていきましょう。

  • 人物画像(写真)
  • 名前
  • 年齢
  • 性別
  • 居住地
  • 仕事
  • 年収
  • 月のお小遣い
  • 家族構成
  • 趣味
  • 休日の過ごし方
  • 好きなTV番組
  • 好きなタレント
  • 悩み
  • 学んでいること
  • Web検索するキーワード

 このペルソナシートをつくる目的は、このペルソナ設定した人物が「問い合わせてみようかな」「製品がほしくなった」「サービスを使ってみようかな」など、感情に変化を起こさせることです。
 購入や問い合わせなど、顧客に行動を起こしてもらうことが、ホームページの目的であり成果なのです。

セグメンテーションとターゲティング(ペルソナ)の違いとは
イノベーター理論

 他にも、製品のセグメンテーションに用いられる「イノベーター理論」があります。こちらは参考まで。

  • イノベーター(革新者)
  • アーリーアダプター(初期採用者)
  • アーリーマジョリティー・オピニオンリーダーを押さえるべき(前期追随者)
  • レイトマジョリティ(後期追随者)
  • ラガード(遅滞者)
イノベーター理論とキャズムとは – わかりやすく解説

「何を」伝えるホームページなのかを考えるフレームワーク

 自社のサービスや製品は、顧客に対してどんな価値を提供しているでしょうか。

 顧客が企業から受け取る価値のことを「ベネフィット」といいます。ホームページ制作は、このベネフィットを伝えることが、いちばん重要です。

 ベネフィットに近い言葉でメリットがあります。意味を混同しないように注意が必要です。メリットとは、サービスや製品自体の性能や特徴のことで、他社のモノより優れている点・その商品・サービスにしかないことを意味します。

ベネフィットとは

 ベネフィットとは「顧客が得られる価値」のことです。顧客にとっての価値とは、顧客があなたのサービスを受けた時に得られる「幸福な感情や幸せな体験」です。

 たとえば、ロレックスの腕時計で考えてみます。ロレックスの価値とはなんでしょうか?

  • 時間がわかる
  • 身だしなみとして

 これらは腕時計の基本的な性能です。ロレックス以外の時計にも同じ機能が備わっており、これらは性能や特徴を表したメリットであって、ベネフィットではありません。

 では、高額なロレックスを買う理由は何でしょうか。掘り下げて考えてみます。

  • 高級時計をしているというステータス
  • ロレックスの価値は下がりにくく資産価値がある
  • 世界的なブランドで社会的信用を得られる

 つまり、顧客は必ずしもサービスや製品自体に価値を感じている訳ではないのです。

 ベネフィット・メリットを分けて考え整理しておくことが、キャッチコピーやセールスコピーのアイデアになります。
 ホームページのメインビジュアルに使うキャッチコピーはベネフィットを、ランディングページの本文にはセールスコピーを使うなど、伝え方を工夫していきます。

ベネフィットの意味 – メリットとの違い
4P

 商品が顧客の手に届くまでには、以下の4つの要素が関係しています。

  • Product(製品・サービス:どんな価値を提供しているか)
  • Promotion(広告・販促:伝える方法)
  • Place(流通・チャネル:どこで手に入るか)
  • Price(価格:価値における対価)

 マーケティングでは、これら4つの項目の頭文字をとり「4P」といいます。4Pを意識して事業の情報整理をしましょう。

 これらの4つの要素は一貫性があり、顧客は、サービスや製品の品質に対し価格が安いと感じれば、価値を感じて商品を購入します。
 サービスや製品は、販促や広告によって顧客へ認知されます。どれだけいい製品やサービスでも、顧客はそのサービスや製品をしらなければ購入できないのです。
 ホームページは、自社のサービスや商品を顧客に認知させるための、広告宣伝物といっていいでしょう。
 販促や広告によって認知されたサービスや商品は、流通を通じて顧客の手に届きます。実店舗やECサイトが流通の手段となります。

マーケティング・ミックス(4P)とは?4つの視点と具体例
他社と差別化するためのUSP(Unique Selling Proposition)を見つける

 USP(Unique Selling Proposition)とは、独自の強みです。独自の強みを見つけることが、他社との差別化につながります。
 競合他社よりも高い価値を判断するには「自社が提供する製品の価値は、競合との相対的な差」を考えなくてはなりません。

 では、USPの視点を紹介します。

  • 価格
  • 品質の高さ
  • スピードの速さ
  • サービスの充実
  • カスタマイゼーション可能性
  • 保証は充実度
  • ラインアップの広さ
  • 利便性
  • 専門性

 なぜあなたの製品は選ばれるのでしょうか。顧客はさまざまなサービスを比較検討しています。競合他社の中から選ばれるサービスになるには、ほかのサービスにはない優位性や独自性・特徴が必要になります。

 USPを考え自社の強みを明確にし、何を優先して伝えるべきか、ホームページ構成のヒントにしましょう。

3C分析

 3C分析は、新規事業の戦略を練ったり、既存顧客のテコ入れを行う時に用いられるフレームワークです。

  • Customer(市場・顧客)
  • Competitor(競合)
  • Company(自社)

 中でも市場・顧客はとくに重要視されます。市場・顧客は、購買人口・市場規模・市場成長率、購買層・顧客ニーズのことで、製品・サービスの購買に直結するからです。

3C分析とは?テンプレートを使って自社分析しホームページ制作に活用しよう
SWOT分析

 SWOT分析は、経営課題を考えるために用いられます。事業をポジティブな側面・ネガティブな側面・内部要因・外部要因に仕分けし、事業課題を明確にします。

  • Strength:強み
  • Weakness:弱み
  • Opportunity:機会
  • Threat:脅威

 ホームページ制作では、代表メッセージや企業メッセージに使われます。

SWOT分析とは?自社の強みと事業課題を探るマトリクス
ポジショニングマップ

 ポジショニングマップは、自社を競合各社と相対的に比較し、差別化できるポイントを分析するマトリクスです。比較表や他社サービスとの違いを説明するセールスライティングの参考になるでしょう。

ポジショニングマップとは?作り方とWebマーケティングでの活用方法
ブランドストーリーを考える

 サービスが生まれた背景や苦労などを掲載します。ストーリーは人の心を動かしやすく、新しいファンをつくり、ひいては、商品を継続して購入してくれるファンを作ることに繋がっていくのです。
 サービスや製品に込められた想いやメッセージ、社会的な役割や目的を掘り下げて考えていきましょう。

顧客に対する価値基準を示す

 顧客に対する価値基準とは、自社サービスの品質基準です。顧客に価値を示し保証するものといっていいでしょう。品質の保証は顧客に安心感を与え、購買の最後のひと押しになります。

 あなたの商品が、一定の価値基準を提供できる理由と根拠を言語化しておきましょう。

  • 誰が関わり・どのようなプロセスを経て提供されるサービスなのか
  • 低価格を実現できている理由にどのような企業努力があるのか
  • 提供されるサービスに一定のクオリティーが保たれる理由
  • 生産性の高い業務の裏側にあるアイデアと工夫

 サービスや商品の品質を保つために標準化された業務なども整理しておきましょう。これらを顧客に伝えることも、自社の魅力的なストーリーになります。

 ここまで「何を」伝えるかについて、さまざまな分析方法・フレームワークを紹介してきました。Web制作会社ではこれらの分析を行い、仮説を立ててクライアントに企画・提案します。

「どうしてほしいホームページなのか」行動を考える

 ホームページを閲覧しているユーザーの最終的な行動を考えましょう。つまり、ホームページの成果となる目標・指標を設定します。「コンバージョン」といいます。

 代表的なコンバージョンは以下の項目です。

  • お問い合わせ件数の増加
  • ホームページ閲覧者数
  • 商品の購入(ECサイト)
  • 特定のページへのアクセス数
  • 特定のボタンのクリック数
  • SNSのフォロワー増加

 これらの項目は、ホームページに設置するアクセス解析ツールを使ってデータとして集計していきます。

 集計したデータを元に、次の施策を考えたり改善策を考えることが、ホームページ運用の基本的な作業です。

カスタマージャーニーマップの作り方とは

情報整理の必要性

 ホームページはユーザーにとって使いやすいものでなくてはいけません。

  • 情報が探しやすい
  • 簡単に目的に辿り着ける
  • 閲覧しやすい構成・レイアウトになっている

 ほかにもユーザーにとっての利便性はまだまだあります。

 情報整理されていないホームページは、ユーザーの利便性を著しく下げてしまいます。ホームページ制作を進めていくと、伝えたいことが増えていき、結果的に何を伝えたいホームページなのか、目的や目標を見失ってしまうことがあるのです。

 情報整理をきちんとしておくことが、ユーザーの利便性につながり、成果のでるホームページにつながっていきます。

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