商品にツッコミを入れてベネフィットのあるキャッチコピーを考えよう
キャッチコピーを考えているとき、
その商品のベネフィットやメリットがなかなか見つからない時がありませんか?
そんな時は、その商品にツッコミを入れるとベネフィットやメリットが見えてきます。
こんにちは、のざき寿(ひさし)といいます。元芸人です。
ベネフィットとは、噛み砕いていうと「モノやサービスを手にした時に得られる、ちょっといい未来」です。
だまされたと思って商品・サービスなどの広告対象に「なんでやねんっ!」をぶつけてみてください。商品・サービスの良いところや課題が見つかります。
商品を使っている人に「なんでやねん」をぶつけて漫才をしよう
ツッコミは基本漫才の合いの手です。そこでふたりの漫才形式にして、商品のベネフィットを探っていきたいと思います。
漫才の登場人物
「ツッコミ」は、商品・サービスの良さに気づいていないという設定で「ボケ」に対してツッコミを入れ疑問をぶつけていきます。
ベネフィットを引き出す漫才
キッコーマンさんの「豆乳」を例に、漫才を進めていきます。
2020年の宣伝会議賞で、キッコーマンさんの「豆乳」の課題があったので例題として採用させて頂きました。
漫才(掛け合い)スタート
やっぱり豆乳はおいしいね!
なんでやねん。おいしくないよ。豆乳って味ないよね。
無調整豆乳と調整豆乳があって、調整豆乳は飲みやすくておいしいよ。
いつ飲むの?
運動やトレーニング後がいいかも。豆乳には豊富なタンパク質が含まれているから、筋肉を作るのに効果的だよ。
じゃあ、運動しない人には必要ないの?
豆乳は料理にも使えるよ。豆乳鍋とかあるでしょ。クリームシチューとか、牛乳の代わりに使うといいよ。
牛乳でいいような気がするけども。
牛乳は苦手な人がいるけど、豆乳なら飲める人もいるんだよ。
なんか飲むイメージが湧かないんだよな。
忙しい朝とか手軽だし、豆乳は美容にいいから、お母さんは朝ごはんに飲むといいかも。
じゃあ、おじさんは飲まへんのか?
会社でお昼に飲んでたら、健康に気を使ってるアピールできるかもね。
というか、飲むだけなん?
凍らせてアイスにして食べるとおいしいよ!こどもはきっと喜ぶと思う!
会話にしたほうが、普通に考えるより楽しくないですか?
頭の中で会話をしながら考えてもいいですし、ノートにメモしながら商品・サービスのベネフィットを探してもいいと思います。
ツッコミは質問力、答える力は取材力
ではポイントを解説しながら、2人の掛け合いを振り返っていきます。
ツッコミとは質問力
ツッコミは、質問力を問われています。多くのツッコミを入れられるということは、それだけ多くの視点があるということです。
ツッコミを考える時のポイントは、
- 意地の悪い質問(ツッコミ)を入れる
- 掘り下げられることは、とことんまでツッコミを入れる
- キャラを変えてツッコミを考えてみる
- 感情の変化をつけてみる
取材をしていないとツッコミに応えられない
ボケは、ツッコミに応えられるだけの情報をもっていないといけません。要するにしっかり商品に対する取材をしていないと、質問に応えられないのです。
ボケとして、きちんとした返しが出来なければ、商品・サービスの知識や考えが不足しています。
情報整理の手段としてマインドマップがおすすめです。商品を調べたり知識を掘り下げたりするときに便利です。
5W1Hを使って情報整理するのもいいでしょう。
ベネフィットとメリットの違い
ベネフィットとメリットの違いを整理しておきましょう。
ベネフィット(訴求点・切り口)とは
その商品・サービスから得られる「ちょっといい未来」のことを指します。先ほどの豆乳の会話から生まれたベネフィットを振り返ってみます。
- 豆乳は美容にいいから綺麗になって幸せになる
- 豆乳は料理にも使えるので料理レパートリーが増えて家族が笑顔になる
- 牛乳が飲めない人に安心して勧められる
- 忙しい朝に栄養補給できて1日元気に過ごせる
いずれも豆乳を利用したことで生まれる「生活の豊かさ」になっていると思います。人の心が動き行動に変化があったのです。
メリットとは
一方メリットは、商品・サービスの特徴や性能、機能的価値のことです。
- 無調整豆乳・調整豆乳があり、飲みやすい
- タンパク質が豊富(成分)
- 牛乳との比較
消費者の心に届くアプローチはベネフィットです。メリットの先にベネフィットがあると考えましょう。
ベネフィットとメリットを整理して、キャッチコピーを考えていきましょう。
「なんでやねん!」の視点を持って生活しよう
ものごとに疑問をぶつけることは、とても有意義な思考法です。
- 自分の本当に「やりたいこと」を探すため
- 相手のことを知るため
- 企業の目的を知るため
- キャッチコピーの切り口を探すため
なんでやねんは、なぜ?です。問いをぶつけることで、目的や理由が明確になっていきます。
ものごとを難しく考えてしまう方は、頭を柔らかくするために「なんでやねん」を使ってみてください。遊び心を持って考えられますよ。
ツッコミ力を磨くことは、洞察力を磨くことにもつながりますよ。