SWOT分析は、事業や企業の強みや弱みを分析することで、経営課題を考えたり、新しい事業機会を検討する場合に使うマーケティングのフレームワークです。
- 企業メッセージや代表メッセージのコンテンツ
- ビジョン・ミッションステートメントのアイデア
ホームページ制作では、これらのコンテンツを考えるときに使えます。また、広告戦略におけるブランディングにも応用できるでしょう。
自社・自社製品の強み・弱みを把握しないままホームページのコンテンツを作ると、全体のコンセプトがズレてきたり、まとまりのない情報設計になってしまいます。
この記事では、SWOT分析の詳細を解説しながら具体例を紹介していきます。ホームページ制作のコンテンツ作成にお役立てください。
SWOT分析で見えてくる自社の「内部要因・外部要因」「強み・チャンス」
SWOT分析は、企業・商品やサービスのポジティブな側面・ネガティブな側面を客観的な視点で整理するマトリクスです。事業に対して、今まで見えていなかった将来の展望、リスクや脅威となる要因を推し量ります。
用いる場面としては、以下の場面が想定されます。
- 経営者がや管理職が経営課題を考える
- 社員同士で自社の置かれた状況・環境を意見交換する
SWOT分析は2軸の4つのカテゴリーで構成されるマトリクス
分析する視点を、つぎの4つのカテゴリーに分類します。
- 強み(Strengths)ポジティブ・内部要因
- 弱み(Weaknesses)ネガティブ・内部要因
- 機会(Opportunities)ポジティブ・外部要因
- 脅威(Threats)ネガティブ・外部要因
Strengths・Weaknesses・Opportunities・Threats、これら4つの単語の頭文字を合わせて、SWOT分析となります。
強み(Strengths)
競合他社と差別化できているポイント(USP)や、自社の商品が優れている点などを挙げていきます。企業規模や業界でのポジション、実績なども強みになるでしょう。
弱み(Weaknesses)
強みとは反対に、競合他社にあって自社にはない点、または自社が苦手としていることを指します。注意したいことは、弱みと脅威を混同しないことです。弱みは内部環境のため外部の影響を受けません。つまり自社の働きかけで強みに変えることのできる要因です。
機会(Opportunities)
自社にとってチャンスとなる時代の変化や市場の変化のことです。IT革命やコロナショックなど、パラダイムシフトがもたらした世の中の変化は、機会とも脅威とも取れるでしょう。事業内容によって左右され変化します。
脅威(Threats)
機会とは反対に、マイナスな影響が考えられる市場の変化や環境の変化です。脅威を感じる要因は、裏を返せば事業課題なのです。脅威をプラスにとらえ、機会に変えるアイデアを探るチャンスにしましょう。
SWOT分析は、他のマーケティング手法と組み合わせることで、より精度の高い分析が可能になります。3C分析と組み合わせて考えると、顧客の視点も加わり、より客観的に自社分析ができます。
SWOT分析を他のフレームワークと組み合わせる
SWOT分析は、他のマーケティング手法と組み合わせることで、より精度の高い分析が可能になります。3C分析と組み合わせて考えると、顧客の視点も加わり、より客観的に自社分析ができます。

これらの分析結果は、クライアントへの企画・提案資料に組み込んでいきます。

SWOT分析の具体例とは
それでは具体例をひとつ挙げて使い方を解説します。
中規模(15名程度)のホームページ制作会社を例にしてみます。
- 強み(Strengths)ポジティブ・内部要因
- 少数精鋭
- コミュニケーションの連携がスムーズ
- 弱み(Weaknesses)ネガティブ・内部要因
- 大規模なシステム開発ができない
- 制作担当者、一人ひとりの責任が思い
- 機会(Opportunities)ポジティブ・外部要因
- コロナショックでIT関連の需要が高まっている
- 案件が多く単価の底上げができる
- 脅威(Threats)ネガティブ・外部要因
- プログラミング不要のノーコードツールが台頭してきている
- フリーランス(リモートワーク)のホームページ制作者がふえた
これらの分析によって導き出される事業アイデアとして、
- クライアントに寄り添った運用サポートに力を入れる
- Webコンサルティングのサービスを立ち上げる
これらの事業機会を検討できます。
分析のコツ・留意点とは
SWOT分析で、弱みや脅威に分類された項目を、チャンスに変えるにはどうしたらいいか、前向きに考えることが大切です。
どんな企業でも弱みや脅威はあります。例えば、大企業であれば、組織の規模が大きいことから、意思決定のスピードが遅いかもしれません。それは内部要因の弱みになります。逆に中小企業は意思決定のスピードが、強みになるでしょう。弱みや脅威は潜在的な企業課題を洗い出すことにもなるのです。
SWOT分析の結果は、現状把握や事業機会の検討のために活用するフレームワークなのだと、常に念頭においておきましょう。
SWOT分析で整理した情報をホームページのコンテンツに活用する
では、SWOT分析の結果の活用例を考えていきましょう。
事業メッセージ・代表メッセージに活用する
コーポレートサイトの事業メッセージなどにSWOT分析の結果を活用しましょう。事業メッセージは、企業が社会的に果たしている役割や、企業が抱えている課題を語るコンテンツです。
SWOT分析は、内部要因と外部要因に分けて分析します。これは、企業の主観的な視点と客観的な視点を表現するときに、そのまま活用できるでしょう。
他のコンテンツでも応用ができるでしょう。

企画書や提案書にSWOT分析のマトリクスを掲載すると、戦略を視覚的にわかりやすく伝えられます。

ビジョン・ミッションなどのキャッチコピーのアイデアにする
SWOT分析の「強み」「機会」は、企業の特徴や差別化を意味します。つまり企業の存在価値なのです。
- SWOT分析の結果からイメージされる目的は、ビジョン
- SWOT分析の結果からイメージされる手段は、ミッション
企業のスローガンを見直すときに役に立つでしょう。ホームページ制作では企業理念のページに活用できます。

個人のキャリアプランにSWOT分析を活用する
実は、SWOT分析は個人の分析にも使えます。自分の弱み・強みを客観的に知ることで、新たなキャリアプランの構築にアイデアをプラスできるでしょう。参考にしてみてください。

SWOT分析はコンテンツを作るための手段です
分析はあくまで分析です。分析によって導き出された結果を活用することに意味があります。
このサイトでは、ホームページ制作に必要なマーケティングのフレームワークや制作工程を紹介しています。ぜひ、ほかのページもみていただき、全体像を理解した上で、SWOT分析を活用ください。

