ポジショニングマップは、2次元のマトリクスで構成され、自社の位置を把握するために用いられるマーケティングのフレームワークです。競合との差別化できるポイントを見つけ出し、自社ならではの強みを発見するために使われます。
ホームページ制作では、以下のコンテンツを考えるときに使えます。
- サービス紹介のページ
- トップページのコンテンツ
- ランディングページ
ホームページのコンテンツを考える時に重要なのは、訴求したい内容に優先度をつけることです。
「この商品も知ってほしい、このサービスを使ってほしい」と、あれもこれもアピールしてしまうと、ユーザー(顧客)は結局、なにを選択してよいか迷ってしまいます。結果、どれも選んでもらえないこともあるのです。訴求したい内容を見極めて、ホームページの情報設計を考える必要があります。そのためにポジショニングマップを活用するのです。
この記事では、ポジショニングマップの作り方を解説しながら、具体例を紹介していきます。
ポジショニングマップを用いる場面と作り方
ポジショニングマップは次の場面で使われるフレームワークです。
- 自社・自社サービスの競合との差別化できるポイントを探る
- 製品開発の際、競合にはない製品のアイデアを考える
つまり、競合と自社の置かれた状況・特徴・強みを俯瞰してみるために用いられます。導き出された結果を分析し、事業や製品のアイデアを考えるために用いられます。
ポジショニングマップは2軸のベクトルから考える
ポジショニングマップは2軸のベクトルからなるマトリクスです。まずは、2つのベクトルを考えましょう。
たとえば対象をホームページ制作会社とします。自社と競合との差別化を把握するために、2軸のベクトルを考えます。
- 洗練されたデザインができる(反対のベクトル:デザイン性が低い)
- 価格と品質のバランスが取れている(反対のベクトル:価格が高い)
軸の反対側は、反対の方向性になります。この2軸をクロスさせ、4つに分割されたエリアのどこに配置されるかを検討します。
顧客のニーズを意識して軸を考える
2軸のベクトルは、顧客のニーズを意識して考える必要があります。顧客が商品・サービスの購入を検討する際の購買決定要因(KBF)でなければ意味がありません。
上記の例で解説すると、顧客がデザイン性も価格も購買決定の要因になっていなければ、他のベクトルを設定する必要があります。
運用面のサポート・企業規模・提案力や企画力など、顧客が求めているニーズでベクトルを考え、競合と自社の立ち位置を考える必要があります。
ポジショニングマップ – 作り方のコツ
2軸のベクトルを考える場合、体言止めの言葉を使うのではなく、顧客を意識した文章にしましょう。
- ×デザイン性 → ○洗練されたデザインができる
- ×価格 → ○価格と品質のバランスが取れている
このように文章で表現することで、顧客視点をイメージしやすくなります。
ポジショニングをホームページ制作に活用する
ポジショニングマップの分析は、営業担当者がセールストークをする場面で、他社との比較を持ち出すときにも使われる考え方です。「私どもの製品は、〇〇社と比べて、」と、営業担当者が企画・提案している場面を想像するとわかりやすいでしょう。

Webマーケティングでの活用
顧客のニーズを把握し、差別化できる特徴を認識できれば、ターゲット特定やコンテンツのアイデアに繋がっていきます。
トップページのコンテンツに活用する
ポジショニングマップで分析した自社の特徴を、メインビジュアルのキャッチコピーやリード文に使います。キャッチコピーで顧客が求める価値を伝え、商品・サービスへの興味・関心につなげていきます。

サービス内容・製品情報のページに活用する
ポジショニングマップのマトリクス図は、そのままサービス内容や製品情報のページに図解(画像)として使うと効果的です。
なぜ効果的かというと、ホームページに訪れる顧客は、同様のカテゴリーに属する製品・サービスを複数検索しており、比較の対象を探しているからです。あなたも比較サイトやレビューを参考にしたことはありませんか?
ポジショニングマップで分析した結果は、顧客の利便性に繋がり、購入の意思決定を後押しするキッカケになるのです。
ランディングページに活用する
サービス内容や製品情報のページと同様に、ランディングページに活用しましょう。世の中にある大半のランディングページは、他社との比較を載せています。
注意したい点は、あくまで、自社の優れている点を訴求するものであって、他社の弱点をクローズアップさせないことです。結果として同じ意味を伝えていても、良い印象を与えるものではありません。
自己分析に使うポジショニングマップの作り方
憧れの人・目標としている人・ライバルと、自分を比較したポジショニングマップで、自己分析が可能です。
- 仕事が早く丁寧
- 誰からも頼りにされる安心感・人間力
たとえばこんな2軸を持った目標の人をイメージします。その人と比べて、自分は今どの位置にいるかを考えます。
その人に近づくためには何が必要か。もしくは、まったく違う個性をみつけるのも良いと思います。思いがけないアイデアが浮かぶこともあるでしょう。

客観的な顧客視点を作るためにポジショニングマップを活用しよう
ポジショニングマップは、顧客のニーズを満たすために、何が武器になるのかを、明らかにする考え方です。自己認識や現状把握のためだけに使っても、次のアクションが見えて来ません。
大切なのは、分析した結果をもとに、何をしたいか、どうして行くかまでを顧客視点で考えることです。ぜひ、ポジショニングマップを活用して、コンテンツ制作にお役立てください。

