ペルソナとは、商品やサービスを買って欲しい・利用してもらいたい人物像です。テンプレートを使うことで、ペルソナを設定するときのヌケ・モレを防ぎます。
この記事では2種類のペルソナシートテンプレートをご紹介します。
- B2C – 個人ターゲットペルソナテンプレート
- B2B – 企業ターゲットペルソナテンプレート
ペルソナ設定がなぜ必要かといえば、ホームページ制作はユーザーの行動を意識して作る必要があるからです。ユーザーを無視したホームページ設計やコンテンツ作成をしてしまうと、思うような成果が出ません。
また、ペルソナを意識することで、いつでもホームページの目的に立ち返れます。
ぜひ、この記事を活用して、ホームページ制作をはじめとしたコンテンツ制作にお役立てください。
ペルソナシートのテンプレートを使ったターゲティングとは
冒頭でペルソナとは顧客の人物像です。では具体的にペルソナシートのテンプレートにはどのような項目があるのか、紹介していきます。
ペルソナシートの主な項目
これらの項目は、B2CにもB2Bにも当てはまる項目です。ペルソナシートには必ず書き込む項目として入れておきましょう。
基本属性
- 写真
- 名前
- 性別
- 年齢
- 職業
- 年収
- 家族構成
- 住居エリア
行動属性
- 趣味
- 休日の過ごし方
- 消費傾向(倹約家・浪費家)
ペルソナシートの目的は、顧客の人物像を鮮明にイメージすることです。上記の項目以外に、商品・サービスに合わせた項目を考え、オリジナルのテンプレートを作成しましょう。
ペルソナシート作る前にセグメンテーションをしよう
実はペルソナを考える前に考えておくべきことがあります。あなたが売りたい商品やサービスは、どんな市場でしょうか。市場を把握しカテゴライズする必要があります。このことをセグメンテーションといいます。ペルソナは、市場をセグメンテーションした後に考えましょう。

B2Cのペルソナシートのテンプレート
それでは具体的にペルソナシートを作っていきましょう。大切なことはあなたの商品やサービスを使って欲しいお客さんをイメージすることです。
ちなみにB2C(BtoC)は「Business to Consumer」の略で、企業と個人(一般消費者)の間で行う取引のことです。小売業や飲食店、美容室などが該当します。後述するB2Bとペルソナシートの項目が違うので、比較するとペルソナシートの理解が深まるでしょう。
B2Cペルソナシート
アパレル会社のマーケティングという設定で、ペルソナシートの項目を考えていきます。
基本属性
- 写真
- 性別
- 年齢
- 職業
- 年収
- 家族構成
- 居住エリア
- 住まい状況
- 恋人
行動属性
- 趣味
- 休日の過ごし方
- 最近の悩み
- これからの目標
- 消費傾向(倹約家・浪費家)
- 情報接点(テレビ・インターネット・SNS)
ポイント
ペルソナの人となりまで掘り下げて考えることが大切です。これまで成長してきた過程をイメージすることもいいでしょう。また、あなたの業界特有の項目を追加すると、オリジナルのペルソナシートが出来上がります。
B2Bのペルソナシートのテンプレート
B2B (BtoB)とは「Business to Business」の略で、企業(法人)と企業(法人)の間で行う取引のことです。オンライン会議ツールやデザインソフトを開発している企業など、個人ではなく、企業に向けて取引を行うことです。
B2Bペルソナシート
オンライン会議ツールのマーケティングという設定で、ペルソナシートの項目を考えていきます。ペルソナとして設定される個人は、Web制作会社の社員とします。
企業ペルソナ
- 企業名
- 業種
- 商材
- 売上規模
- 業界 / 市場トレンド
- 企業風土
- 従業員数
- 所在地
個人ペルソナ(キーパーソン)
- 氏名
- 部署 / 役職
- 決済可能な金額
- チームの人数
- ビジネス上の目標
- ビジネス上の課題
ポイント
キーパーソンが勤める企業も一緒に考えることが重要です。キーパーソンが所属する企業の課題が、自社の商品で解決できるのか、接点を見出すためです。
なぜペルソナを設定する必要があるのか
ペルソナシートで設定したキーパーソンが、どんな課題があり・何を解決したいのか、これらの欲求を知るためです。
ペルソナの感情の動きや行動を考えたマーケティング
ビジネスのゴールはペルソナがあなたの商品やサービスを利用することです。ペルソナを設定することは、ペルソナの感情を動かし行動(購買行動)させることの仮説を立てることが目的なのです。そして仮説を立証するために現実と理想のギャップを埋めることがゴールへの道筋になります。
ペルソナを主人公としたカスタマージャーニーマップを作る
テンプレートを使ってペルソナを設定しただけでは、マーケティングは終わりません。ペルソナは、カスタマージャーニーマップを作るための材料に過ぎないからです。
カスタマージャーニーマップとは、あなたの商品・サービスを利用する顧客の体験を可視化するために用いる、マーケティングのフレームワークです。顧客が商品を利用するまでに至る、感情の動きや行動、心理状態や迷いなどを体系化していきます。ペルソナシートと一緒にカスタマージャーニーマップを作成すると、より精度の高い購買行動の仮説を立てられます。

ペルソナシートから生まれる新しいニーズ
ペルソナシートで設定したキーパーソンは、なにもあなたの製品だけが唯一の解決策とは限りません。当然競合他社の製品も選択肢のひとつになります。
たとえば、オンライン会議ツールは、テレビ電話で代用できますし、音声チャットやテキストチャットで十分な場合もあります。限定された機能で安価であれば、顧客はそちらを選択するでしょう。また、オンラインをやめ、対面でのコミュニケーションに重点をおく顧客であれば、レンタルオフィスや移動手段も選択肢として上がり競合の幅やニーズは広がります。
ペルソナシートで人物像をイメージすることで、新しいニーズを創造することもあるのです。
ペルソナシートを作る時の注意点
作り手側の視点で都合よく作らないことに注意しましょう。自社商品を売りたい気持ちが先行すると、ペルソナを自社に合わせた人物像に設定してしまいがちです。そうならないために、客観性を保つことが大切です。
複数人で議論して決める
ペルソナシートを制作する時は、すくなくとも2人以上の担当者で話し合って項目と内容を決めていきましょう。男女の視点や考えを織り混ぜたり、年齢に差のある人で議論するなど、多様性を持たせることがポイントです。
ユーザーから情報収集をする
ペルソナに近い身近な人にインタビューして情報収集をしましょう。マーケティング担当者が考えたペルソナは、あくまで空想上の人物です。実際の意見を取り入れ、比較することでペルソナシートの客観性が保たれ、精度の高いペルソナ設定ができ上がります。
事業との関連性を意識してペルソナシートを見直す
インターネットなどに落ちているペルソナシートをそのまま使うのはやめましょう。基本項目などを土台として利用するのはいいですが、事業に関連する項目を追加して利用しなければ、どの市場でも当てはまる意味のないペルソナが出来上がってしまいます。
ホームページ制作におけるペルソナシートの活用
ここからは、ペルソナシートがホームページ制作会社でどのように使われているか、具体例を解説していきます。
企画書・提案書にペルソナを記載する
ペルソナシートを利用する目的は、顧客の理解と、もうひとつ重要なことがあります。それは、クライアントとの共通認識を持つことです。
提案側の企業とクライアントのペルソナ設定が違っていては、商品の訴求点やホームページの設計、コンテンツの見せ方など、全体に大きく影響してしまいます。ですから通常、ホームページの提案書には、ペルソナを記載することが一般的です。
顧客を中心に考えてホームページ制作の提案をすることで、クライアントへの説明がしやすくなるメリットもあります。


キャッチコピー制作にペルソナを活用する
ペルソナを設定する目的は、顧客の感情や行動の変化を想像することです。これは、キャッチコピーを制作するときに大いに活用できます。ペルソナで設定した顧客が振り向く言葉はどんな言葉か。キャッチコピーのアイデアを生むためにペルソナは活用できます。
同様にホームページのデザインもペルソナを意識したコンテンツ制作が必要です。コンテンツライティングにも活用できるでしょう。

テンプレートやフレームワークは上手につかおう
ペルソナシートのテンプレートを活用することで、今まで気づかなかった視点やアイデアに気づけます。逆にテンプレートに頼り過ぎてしまうと、重大なことを見落としてしまう危険性もあります。
しつこいようですが、ペルソナシートを埋めることだけを目的としてはいけません。ペルソナを設定することは、顧客の理解を深めて、あなたのビジネスを成功させるためです。
今回の記事を参考に、あなたの事業に合ったペルソナシートのテンプレートを作っていきましょう。何か、お役に立てればうれしいです。

