語彙力を鍛えると見えている世界が広がって仕事も人生も楽しくなる
語彙が多い人は、同じものを見ていても受け取る情報量が違ってきます。
たとえば「語彙」という言葉ひとつとってみても、語彙の意味を知っている人はすぐに「言葉の数」と連想するのに対し、意味を知らない人は前後の文脈から意味を探るしかありません。
つまり、頭の中で言葉を処理するスピードが変わってくるわけです。
ちなみに「語彙」の意味は、
「ある人やある国が持っている単語の総体」要するに語彙とはその人が持っている言葉の総数。分厚い辞書をもっているか、ペラペラの単語帳をもっているか、という違いになります。
こんにちは、のざき寿(ひさし)といいます。元芸人です。
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語彙力があると何がいいのか。
先ほどもいいましたが、語彙力がある人は頭で言葉を処理するスピードが速いです。それは思考力にも直結していて生活や仕事の場面で大きく影響してきます。仕事のできる人は、語彙力が豊富です。
あなたの語彙力はどうですか?
ぼくは語彙力に自信がないので、鍛える方法をいくつか考えてみました。
- 語彙力がない世界を想像してみる
- 語彙に意識を向けて語彙力を鍛える
- 語彙力を鍛えると世の中が違って見える
語彙力を身につけて、世界を変えていきませんか?
語彙力がない世界を想像してみよう
語彙力の重要さを感じるには、語彙力のない世界を想像するといいかもしれません。
プロ野球を例にしてみます。
次の語彙を知らない世界に生きていると思って聞いてください。
- ピッチャー
- バッター
- 審判
- ストライク
- 空振り
- 三振
- アウト
「ピッチャー振りかぶって投げました。ストライク!バッター空振り三振!アウト!」
野球に関する語彙がある人なら瞬時に理解できる内容です。では、野球の語彙を知らない人だった場合はどうでしょうか?
「盛り上がっている土の上に立っている人が変なポーズをしながらボールを人めがけて投げた!木の棒を持った人が棒を振った!剣道の面をつけた人がストライクと叫んだ!アウト?アウトってなに?」
頭の中で無数の「?」が浮かんで、とてもじゃないけど野球中継なんて見ていられないのです。
「オフサイド」から語彙力の重要さを理解してみる
もうひとつ例を出すならサッカーの「オフサイド」。
にわかサッカーファンの女性に大きく立ちはだかるサッカー語彙の壁。
イケメン選手の名前はスラスラ言えるのに「オフサイド」の話になると急に口をつぐむ人。これでは日本代表の試合だけ騒ぐお祭り好きな「にわか」といわれても仕方がないでしょう。
「オフサイドとは、相手ディフェンスの最終ラインより前に出ている味方に、パスを出す行為に対するペナルティのことだよ」と、きちんと説明できれば、それだけで周りから一目置かれるわけです。
語彙力がないことで、恥をかくこともあるのです。
語彙力があると理解が早い
語彙力がない世界の文章はどうでしたか?
語彙力のある人の理解力の速さや無駄のなさ・思考力の違いに気づいてもらえたのではないかと思います。
当然、理解力や思考力のある人は見えている世界が違います。仕事も世の中をうまく渡っていきますし、人生は豊かになっていくでしょう。
読んで・見て・聞いて語彙力を鍛える方法
語彙力を鍛えるとはどういうことか。
- 新しい語彙に出会う
- 語彙の意味を覚える
- 語彙の使い方を覚える
月並みな回答になってしまうかもしれませんが、やはり上記のようなことだと思います。
では、語彙力を鍛える具体的な方法についても考えていきましょう。
本を読んで語彙力を鍛える
やはり読書をすることが基本にあると思います。
人は文字情報を頭の中で処理して、イメージや映像に変換します。逆にイメージや映像を頭の中で文字情報に変換します。右脳的な処理か左脳的な処理かの違いで、どちらも語彙が根底にあります。
本を読むにしても、できれば「今まで読んだことのない本」を積極的に読むようにしましょう。普段ミステリー小説ばかり読んでいるのなら、ホラー小説を読んでみたり恋愛小説を読んでみたり。
ビジネス書や自己啓発本ばかり読んでいるのなら図鑑や絵本など、意識しないと手に取らない本を読みましょう。
効率よく語彙を増やそうと辞書や広辞苑だけを読むことはあまり利口なやり方とは言えません。断片的な語彙の情報は記憶に残らないし、実用的な使い方を身につけられないからです。
大事なことは「新しい語彙に出会うこと」を意識して読書することです。
映画を見て語彙力を鍛える
世界観のある映画をみることも、語彙力を鍛えることにつながると思います。
映画の中で使われるセリフには、その世界で使われている言葉がふんだんに盛り込まれています。歴史映画ならその時代にあった言葉が使われているし、海外映画なら日本にはない文化的な言葉がたくさん散りばめられています。
また、セリフの中の言葉は生きた語彙といえるでしょう。使い方を学ぶには映画はもってこいです。
音楽を聴いて語彙力を鍛える
ぼくが注目している音楽はヒップホップです。
ヒップホップの歌詞は「リリック」と言われ、ラッパーはリリックに強いこだわりをもっています。ラッパーの世界観が色濃く反映された言葉と、普段耳にすることのない言葉の組み合わせから、語彙の面白さを感じます。
ヒップホップに限らず歌詞が特徴的なアーティストを探して、音楽を聞いてみるのもいいでしょう。
書いて語彙力を鍛える方法
書くことも語彙力を鍛えるには必要です。
書くという行為は、頭の中の語彙を再現することになるからです。
新しい語彙を頭の中に取り入れたとしても、語彙を使いこなすようになるためには文脈の中で自然に使えるようにならなくてはいけません。
日記や記録を書くことで、語彙の使い方を身につけていきます。
ひとつだけ意識したいことは、日記などを書く場合「相手に伝えること」を前提に書くようにしてください。というのは、自分のために書かれた日記だと語彙自体の説明を省略したり、表現に手を抜いたりしてしまう可能性があるからです。
体験を文章にしてみる
「おいしいものを食べに行った」「旅行に出かけた」「あたらしいことを学んだ」など、書くことはなんでもいいです。ぼくは日常で体験したことを書くようにしています。
たとえば、おいしいものを食べに行った体験であれば「どこに・どんな店があって、どんな雰囲気のお店で何を食べたのか」、そうした体験を正確に文章で描写しようとすると、必ず語彙が必要になってきます。
その描写を誰かが読んだ時、イメージとして想像できるかどうか。そうした意識で体験を書いていきます。
「美味しそうなとんこつラーメン」なのか「クリーム色のスープに焦しニンニクが散りばめられた香り高い豚骨ラーメン」なのか。
語彙があるのとないのでは、人に与える印象と説得力が変わってくると思います。
感情を文書にしてみる
「上司に怒られた」「彼女と別れた」「試験に受かった」「就職が決まった」など、心に生まれた感情を言葉にしてみてください。
これも体験同様、感情の機微を描写するには語彙力が必要になります。
「ムカついた」とひと言で表現するのか「腹の底から湧き上がる熱いものを感じた」なのか、語彙があるだけで印象がガラッと変わってきます。
比喩や例え話を書いてみる
野球チームを会社組織に例えてみてください。
監督は社長であり、ピッチャーはトップセールスマンであり、キャッチャーは総務や経理になるかもしれません。
こうして例えや比喩を考えてみるのも語彙力を鍛えるきっかけになると思っています。
話して語彙力を鍛える方法
人と話すことも語彙力を鍛えることになります。
人が話す言葉は、その人の生きてきた結果として発せられます。
今までの人生で出会った体験や人、本や映画など様々な出来事から出来上がったその人の価値観から言葉は生まれてきます。
いろんな人と喋って、人から新しい語彙を学びましょう。
違う世代の人と話して語彙力を鍛える
自分が30代なら、80代の人と喋りましょう。20代の人と喋りましょう。
世代が違うと、見えているものが違います。感じ取ることが違います。会話の中で交差する言葉のギャップが、あなたが持っていない新しい語彙です。
同じ職場の人間や同世代との会話は共通言語で成立しています。会話する上でストレスは感じないかもしれませんが、そのぶん新しい発見も少ないでしょう。
違う業界の人と話す
芸能界の用語にむかし「シースー」という言葉がありました。これは「寿司」を逆さから読んでカタカナに変換しただけですが、芸能人の専門用語として一時期流行りました。
こうしたある特定の業界の専門用語は、新しい語彙との出会いと言えるでしょう。
医療業界の人・法律の専門家・ニッチな商売をしている社長などその界隈の人しか使っていない言葉も、あなたが出会ったことのない新しい語彙かもしれません。
語彙力を鍛えると世界が違って見えてくる
ここまで読んで、語彙力がある人とない人の違いが少し見えてきたのではないでしょうか。ですが、もう少し掘り下げてみます。
赤ちゃんと話すことをイメージしてみてください。
生まれたばかりの赤ちゃんは「語彙」を持っていません。
ですから相手に自分の意思をうまく伝えられないのです。泣いて感情表現で訴えるしかありません。
もう少し年齢を上げて、小学生低学年生の話を聞いている光景を思い浮かべてみてください。
「今日ね、学校の給食はね、パンと牛乳とカレーとね、にんじんとね、あとね、」
このような話を延々と聞いているとヤキモキしてきますよね。語彙が少ない人との会話は、語彙を持っている人にとって負担になるのです。
語彙力を鍛えるとコミュニケーションの負担を少なくすることができますし、日常は豊かになります。そのほかにも語彙力を鍛えることで得られるメリットについて考えていきましょう。
語彙力があると人から賢くみられて仕事ができると思われる
「エビデンス」「アジェンダ」「ビジョン」。
できるビジネスマンから出てくる言葉たち。
人は、その人から出てくる言葉で人間性を判断することがあると思います。
自分の知らない知識や知らない言葉をたくさん知っている人って賢く映りますよね。
実際に賢さとも関連していると思っています。というのは、語彙の豊富さが次のようなことに関わっているからです。
語彙力があると理解力・読解力が上がる
知っている言葉が多い人は、言葉から読み取る情報が多く理解力が高いです。
たとえば経済新聞などを読んでいる時。
普段から経済新聞を読み慣れている人は見出しやリード文を読んだだけでおおよその内容を把握することができます。それに対し経済用語についての語彙が少ない人は、言葉の意味が理解できずチンプンカンプンのままなんとなく流し読みしてしまいます。
これを1年間続けたときの語彙力の違いを考えてみてください。かなり仕事にも影響すると思いませんか?
思考力が身につく
理解力や読解力は、思考力にも影響します。思考力とはアイデアを生む力です。
語彙の少ない人は、知識の数・幅も狭いためアイデアが生まれにくい脳の状態にあります。語彙の多い人は比例して知識の量も多いため、知識と知識のかけ合わせてあるアイデアも生まれやすいと思うのです。
語彙力は伝える能力にも影響する
語彙力が言葉の表現力に直結していることは、いまさら説明の必要はないでしょう。
文章を書くにしても会話をするにしても、正確に物事を伝えるためには語彙を工夫する必要があります。
語彙豊富な人は自分の言いたいことを正確に伝えたれるため、他人とのコミュニケーションにおいて誤解が生まれにくいのです。
エッセイを書いて語彙力を鍛える
ぼくが語彙力を磨く方法としてもっとも力を入れていることは、エッセイを書くことです。
日常の出来事の中から、感情の動いた瞬間を切り取ってエッセイにしています。
どう書いたらぼくと同じ光景を共有できるか。同じ感情を味わってもらえるか。その時々で適切な語彙を探しながら文章を書いていきます。
日記やメモでもいいと思います。頭の中にある言葉を吐き出すように言葉を書いて自分の語彙力を客観的に見つめてみてください。きっとあらたな発見があると思います。
あなたの生活に、なにかプラスになる気づきがあったなら嬉しいです。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。