大喜利の回答が面白い人とコピーライターの脳内はどうなっているのか
アイデアがつぎつぎと湯水のように、湧き出てくる人に会ったことはありませんか?
会話をしていても会議をしていても。何か問題が起こった時に解決策を考えているときも。もちろん大喜利の答えを考えている時も。
大喜利が面白い人の頭の中は、一体どうなっているのか。
ぼくは大喜利番組を見る時、ふたつの視点で番組を見ています。それは芸人の回答の面白さがひとつ、もうひとつは「この人の頭の中の構造はいったいどうなっているのだろう」と考えることです。
ぼくが結論は、頭の中で映像を作れる人・作れない人に分かれると思っています。
大喜利の面白い人は、前者です。頭のなかで映像を作れる人です。
これを一般的にいうと「右脳派」ということになります。
大喜利の面白い人は映像を話す
映像を話すとはどういうことか。
この、感覚に近い現象をがんばって言語化していきたいと思います。
大喜利が面白い人は映像を笑っている
「エロい大根」ってありますよね。
たまーに面白画像で登場する、足先のねじれた大根のことです。女性が足を組んでいるように見える大根。
あれを最初にエロいといった人は、大喜利が面白いです。大根が女性の足に見えたわけですから発想力と想像力に長けています。
「背中から何が生えていたら面白いですか」
さて、あなたは何を想像しますか。
「羽が」とか「手が」とか答える人は、あまり大喜利が得意ではないかもしれません。この答えはなんとなく聞いたことのある既視感がある回答です。しかも、羽も手も大して面白くありません。
「えのき」なんてどうでしょう。「しいたけ」とか。なんかちょっと滑稽じゃないですか。その人、体内で菌が繁殖してエノキが生えてくるんですよ。他の椎茸と一緒にハウス栽培されていたり、体型自体もえのきみたいになってきて、顔もちょっとえのきみたいに頭頂部がこんもりしていて。
えのき人間のイメージが頭の中で膨らんでいった方は、大喜利が得意かもしれません。
大喜利の面白くない人は情報や知識を語る
さて、今ので何を伝えたかったのかです。
前者は左脳派。後者は右脳派。ということです。
前者も大喜利の回答としては成立しています。しかし、聞いたことのある回答から正解を引っ張りだしてくるという答え方は、左脳を使っていると考えます。
というのは、知っていれば答えられる回答は知識や情報の引き出しを使っているにすぎません。その大喜利の答え方では、発想力や想像力、飛躍的な回答が生まれにくいと考えます。
要するに、見たことのない意外性のある回答は生まれてこないということです。
さらにいうと、知識や情報の引き出しが少ない人は、回答すら思いつかないということになります。
ぼくは実際に芸人と大喜利をしてきました。やっぱり大喜利の面白くない・大喜利が答えられない芸人っています。その傾向をみるかぎり、本を読まないだとか、逆に本を読みすぎて論理的思考が優先しているとか、そんな傾向があることを発見したのです。
キャッチコピーを考えるコピーライターも大喜利でトレーニングをする
このブログはキャッチコピーやコピーライティングをテーマにしているので、いちおう大喜利とキャッチコピーについての関連性について話しておこうと思います。
コピーライターも大喜利をしている
コピーライターという職業は、企業の課題を言葉で解決する職業です。
企業の課題というのは、商品やサービスの認知や売上を上げることだとか、ブランドイメージを浸透させることだとか、企業のファンを作ることです。
「何を・どう言ったら課題解決になるのか」をコピーライターは常に考えています。
つまり「この商品の良さを言ってください」という、企業側の大喜利のお題を考えているのです。
「便利ですよ!」「安いですよ!」と言ったところで、生活者は振り向いてくれません。そこで大喜利的な発想の飛躍が必要になってくるわけです。
たとえばauの「三太郎」CMなんかは、大喜利から発展した世界観だと思います。
こうしてぶっ飛んだ世界観をつくるには、知識や情報の引き出しや掛け合わせからは出てこないのです。
右脳を使った発想力や想像力、飛躍力を鍛えるためにコピーライターも大喜利をしています。
大喜利脳とコピーライター脳を養う方法
とにかく大喜利をする。
とにかくキャッチコピーを考える。
結論、そんなことに終始してしまうのですが、でもこれは意識しておいた方がいいっていうことはあります。
大喜利の面白くない人に限って
大喜利の面白くない人に限って、大ぶりな答えをします。
あとさき考えずに思いついた順で回答していきます。
そうするとどうなるか。飛躍した答えが目立たなくなり、本来面白かった答えもその威力を半減させてしまいます。むしろ面白い答えをしても、面白くないと見逃されてしまうことがあります。
「それは手前の回答だな」
みたいなことを芸人が言ったりします。
大喜利のお題に対して、すぐに思いつく回答は「手前の回答」と言ったります。
でも、この手前の回答こそがとても大事で、アイデアが湯水のように溢れてくる人は、この手前の回答と飛躍した回答のふたつをうまい具合に出していきます。
手前の回答を丁寧に積み上げていくからこそ、飛躍して脱線した回答が目立つわけです。言うなれば手前の回答はフリです。フリを丁寧に作れる人やフリを理解している人が、インパクトのある回答を導き出せるのです。
キャッチコピーも大喜利と一緒
少し乱暴ではありますが、キャッチコピーも誰もが思いつくであろう言葉は避けて考えます。フリになるような言葉をキャッチコピーとして持ってきても、インパクトはありません。
なので、誰もが思いつく回答は避けるようにしてください。そうして大喜利やコピーライティングをしてみてください。
ひとつの回答から飛躍させる
たとえばひとつ面白い回答が浮かんだとき、その回答から展開される世界観を想像してみてください。
「背中からえのきが生えている人の日常はどうか」みたいなことです。仕事は何をしているのか。名前は?ニックネームは?独身なのか既婚なのか。口癖は?友人関係は?メリットがあるか?生活にどんな支障があるか?
こうして発想を広げていくことが右脳のトレーニングになりますし、大喜利脳やコピーライター脳を養うことになります。
左脳も鍛えておくと大喜利がもっと強くなる
大喜利の面白い人は、右脳だけしか使っていないわけではありません。
たとえばケンドーコバヤシさんは大喜利がめちゃくちゃ面白いです。サブカルチャーの知識が豊富で、漫画やプロレス・アンダーグラウンドな世界と幅広いジャンルの知識を持っています。
ケンドーコバヤシさんは、それらの左脳的な情報と右脳的な発想力が組み合さって、オリジナリティーの高い回答が繰り出します。
つまり、左脳によって情報を構成する力も大喜利には必要なのです。上手にフリを作れる能力があると、大喜利のパンチ力は重くなっていくのです。
大喜利の面白い人は比喩表現が上手い
「写真でひとこと」という大喜利の形式がありますよね。
写真を見て、ひとこと足して笑いをつくる大喜利です。
猿の親子が写っている写真があるとします。
その光景を何に例えるか。これは文学でいう比喩や隠喩そのものです。人間の世界にしてみたらどんな場面を示唆しているか。そうした頭の使い方をしています。
日常生活でなにか違和感や引っ掛かりを見つけた時、何かに例えるクセを身につけておくといいです。
「〇〇みたいだなぁ」とか、そんなことを考えながら過ごしてみてください。
本を読んで頭の中の言葉数と語彙数を増やす
大喜利は情報と発想の掛け算とも言えます。
自分の頭の中に、知識を入れることも重要です。アタもあの中の言葉数、いわゆる語彙力が多ければ多いほど表現力は多彩になりますし、回答が思いつくチャンスが増えていきます。
大喜利が面白いと人生は豊かになる
大喜利ができるようになると。
アイデアがどんどん出てくる。
日常生活で課題にぶつかったとき、打開策がたくさんでてくる。
新しい事業アイデアが出てくる。
会議で発言力がつく。
女性を口説く時、口説き文句がたくさん浮かぶ。
今日の夕飯は何にしようかな。
考えてみれば、大喜利は日常生活のどんな場面にも潜んでいます。大喜利が面白い人は、人生の中で面白い体験を数多く体験しているかもしれません。
逆に大喜利はつまらない人は、他人と同じような人生を歩んでいて、そうした人生を歩んでいることさえも本人は気づいていないかもしれません。
大喜利によって生み出された回答は、人生の分岐点になる可能性を持っています。
どうですか?大喜利してみたくなったんじゃないでしょうか。