エッセイ
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ぼくは新しい感情に出会うために読書をしている

hisashi
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なんのために、本を読んでいるのだろうか。

考えたことはありませんか。

盲目的に「読書をしよう!」「本は読んだほうがいい」って言われても、目的も目標もなければ読書習慣って身につかないですよね。

生粋の活字中毒ならば、読書を娯楽として楽しめるでしょう。知的好奇心が爆発しているなら、積んでいる本たちの光景を観て興奮するのかもしれません。でもそうじゃなかったら、本を読む意義ってどこにあるのでしょうか。娯楽なんて今の世の中溢れかえっていますしね。

ふと、そんなことを考えてしまっていました。

参考書とか専門書を読む理由は明確です。知識や技術の習得をするためです。これはわかりやすいですね。

エッセイや小説はどうでしょうか。自分にとって役に立つ生活の知恵や知識が必ずしも書いてあるわけじゃない。他人のエピソードや物語を読んでいったいどうなるのですか。

そんなさもしい考えに行き着いてから、もういちど読書の持つ意味について考えてみました。

そして、ひとつの結論に至りました。

読書は「自分の中の新しい感情に出会うためにする」ということです。

読書とは一体なんなのか?

読書をしていて、感動したり泣いたりすることがあります。

たとえば恋愛小説であれば、当時の自分を思い出して淡い感情に浸ったり、サスペンス小説やミステリー小説であれば、予想を裏切る展開に熱くなったりドキドキしたりします。

物語とか小説は感情を動かす

感情の動きがあるのは小説やエッセイ・コラムなんだと思いました。

小説を読んで、ぼくは何を楽しんでいるのか。ストーリーとか細かい描写もそうですが、いちばんは「自分の感情の動き」を楽しんでいるのです。

日常で、感情を動かされる出会いや体験ってそうそう無くなりました。自分で言っていてちょっと寂しい気もしますが。

家族や知人などの慣れ親しんだ人間関係、長年勤めている職場を行き来しているだけでは、感情の動きってあまりないです。

海外旅行とか1日警察署長とか、芸能人のような非現実的な日常を送れればいいのですが、それこそ現実的ではありません。

読書は非現実を疑似体験できる

読書は、自分では体験できないことを疑似体験できるツールです。

敏腕刑事になることもできれば、売れっ子アイドルになることもできる。天才外科医になることもできれば、余命一ヶ月の花嫁になることだってできます。

そうした、自分とかけ離れた日常から今まで出会ったことのない感情に出会えることが、読書をする醍醐味なんだと。

いままで結構な数の本を読んできたのに、そのことに気づいていませんでした。

実用書・自己啓発本には情報には感情を動かす力がないのでは?

ぼくの今までの読書は、小説やエッセイよりも自己啓発だったり実用書だったりのほうが多かったです。

同じ読書でも、実用書などは性質が全く異なります。

実用書はその名の通り「実」を得るために読むものです。明日から使える知識やアイデアを探るために読むものです。

なので、実用書を読んで「なるほど!」とは思っても、本に涙が落ちるぐらい感動することはありませんよね。

情報や知識・ノウハウや知恵には、感情を動かす力はないのかもしれません。

読書で新しい感情に出会う

自分の新しい感情に出会うということは、つまり自分の感情の幅を広げるということです。

無邪気に遊んでいる子供を見て。

「子供って何も考えてなくて無邪気でいいなぁ」と思うのか、それとも「自分に素直に正直に生きるって大事なことだなぁ」と思うのか。はたまた「生まれてくる命を大切にしなくちゃいけない」って思うのか。

読書で感情の幅を広げていく

世の中のあらゆる出来事は、誰の目にも平等に映っています。

「〇〇で交通事故がありました」という事実は、誰の目から見ても同じ現実です。

ですが受け取り方は千差万別ですよね。

凄惨な事故に涙する人もいれば、自分の身に降りかかった時のことを考えて安堵する人もいるのです。

これはその人の、感情の幅や感情の種類の多さによるものではないでしょうか。

体験の数が感情の幅を広げていく

実体験が多い人は、出会った感情の数が多いかもしれません。

苦労した経験・悲しい出来事を経験してきた人は、感情の深さがあるように思います。

両親に愛情を注いでもらって、大事に育てられてきた人は豊かな感性があるのかも。

ただ、人は環境を選んで生まれてくるわけではありませんから、体験や経験の数って平等ではないんですよね。

読書は平等にある

文庫本は500円。

500円で、自分とは違う人生に出会うことができる。

実体験は平等でないとしても、小説やエッセイは誰の手にも届くところにあるわけです。

いくらでも新しい感情に出会うきっかけが転がっている。そう思った時、読書っていいなって思ったんです。なんて安上がりな世界旅行なんだろうって思い直しました。

読書で感情の種類や幅を広げておく

単純な話で、いろんな感情を持っていたほうが人生は楽しくて豊かになる。ただそれだけのことです。

旅行に行って「ああ楽しかった」のひと言で終わるのか、旅先での人との出会いに感動したり景色に魅了されたりした感情の動きを記憶して持ち帰るのか。

感情のセンサーが敏感で遠くまで届いたほうが、いろんなことに気づけてたくさんの思い出を残すことができると思うんですよね。

そして、そうした体験の数々を人に話したり、はたまま文章にしてみたりして。

そうしてまた、誰かの感情を豊かにしていく。そんなことができたら楽しいじゃないですか。と、ぼくは思うわけです。

そしてその出発点となるのが、読書ではないでしょうか。

ぼくは本を読むことが好きです。

新しい感情に出会えるし、それをきっかけにして、ぼくはいつでも生まれ変わることができるから。

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