ホームページ制作の提案書には、以下のことを盛り込んでいきます。
- 自己紹介・制作実績
- 制作する目的・背景
- ホームページの目標
- 制作プロセス
- 制作スケジュール
- 公開後の運用について
提案書をつくるときに注意したいことは、事前にヒアリングした情報をもとにクライアントに寄り添った提案書をつくることです。
自社の実績ばかり提示しても、クライアントはホームページページの完成イメージを想像できません。ゴールイメージを想像してもらいやすいように、ヒアリングした内容をうまく利用し、論理的に説明する必要があります。
今回は、ホームページ制作の提案書・企画書の項目を解説していきます。
自己紹介・制作実績
提案書の冒頭は、自己紹介・実績の紹介をします。
自己紹介
ホームページ制作は、コミュニケーションがとても大事になってきます。コミュニケーションの基本は自己紹介やあいさつです。
制作のどの工程にもコミュニケーションは欠かせません。コミュニケーションが円滑に進んでいないプロジェクトは、炎上しやすく結果も成果もでにくくなります。
- 相手はなにを求めているか
- 必要な情報を簡潔に伝えられるか
基本的なことですが、とても重要です。クライアントはどんな人が担当になるのか不安に感じているので、誠意ある自己紹介を冒頭にしましょう。
制作実績
クライアントは、どんな会社・個人にホームページを作ってもらうかを気にしています。
提案段階では、クライアントとの信頼関係は築けていません。制作実績を提示することは、信頼関係構築の一歩目になります。
- 制作したホームページキャプチャ
- 制作したホームページのURL
- ほか、ロゴ・パンフレット
これらの実績を掲載し、制作時にこだわった点・得意なジャンル、成果などをまとめておくと、その後の提案内容に説得力が生まれてきます。
注意したいのは、実績を見せすぎないことです。クライアントは、実績を見たいわけでなく、提案を聞きたいからです。過度な実績の提示は、自慢話になってしまうので気をつけましょう。
制作する目的・背景
なんのためにホームページをつくるのか、制作の方針やコンセプトを書きましょう。
ホームページの役割を明確にする
まずはホームページに求める成果を書きましょう。新規で制作する場合も、リニューアルする場合も同じです。
- 営業ツールとしての役割
- ブランディングとしての役割
- 社会的な信用を得るための役割
コンセプトを提案する
何を中心に伝えるホームページなのかを伝えましょう。ホームページの方向性を提案しましょう。
- 自社の製品をアピールする
- メッセージ性を重視する
- デザインを重視する
- 情報発信を重視する
- 採用コンテンツを重要視したい
制作の方針を提示する
- とにかくリリースを優先する
- 内容をとにかく作り込む
- 低予算に抑える
- 公開後の運用を見据えて、更新しやすさを優先する
制作規模に関して
想定されるページ数やページ構成を提示します。別途サイトマップをつけるといいでしょう。
ホームページの目標
数値目標を設定し成果を定義しておきます。目標を立てることは、公開後の改善案や運用のアイデアにつながります。
ホームページのアクセス
アクセス解析ツール(Google Analytics)の数値データを目標にします。
- ページビューの数値を上げる
- 新規ユーザーの獲得
- 直帰率を下げる(読まれるコンテンツを目標にする)
お問い合わせ件数
お問い合わせフォームからの問い合わせ件数を数値目標にします。こちらもアクセス解析ツールで集計できます。
SNSに関係する数値
Twitterやfacebookに代表される、SNSからのホームページへのアクセスを目標にします。
口コミや人からの評判
データとして集計することは難しいですが、ユーザーの評価を聞けるといいです。
制作プロセス
クライアントは、提案段階では、これからどのように制作が進んでいくかイメージがつきません。簡単に制作フローを提示しておきましょう。
制作フロー
- 提案・契約
- 設計書作成(ワイヤーフレーム)
- デザイン提案・確認
- 原稿の準備
- 写真撮影
- HTMLコーディング・確認
- システム構築
- テストアップ・確認・修正
- 公開
- 更新・運用レクチャー
- 運用
原稿の作成や写真撮影などは、クライアントから提供してもらうこともあります。工程を事前に伝え、制作が滞らないように役割分担があることを伝えましょう。
制作スケジュール
大まかに公開までのスケジュールを提示しておきます。中規模なホームページ(30ページ前後)で、3ヶ月程度が一般的な制作期間となります。
- 設計(ワイヤーフレーム・原稿作成)・・・1ヶ月
- 制作(デザイン・コーディング・システム構築)・・・1ヶ月半
- テスト / 修正・・・ 半つき
ガントチャートで作ると伝わりやすいでしょう。
制作に使用するツール
クライアントとのコミュニケーションに使うツールやホームページ制作に使うシステムなど、記載しておきましょう。
- メール・チャットツール
- zoom
- デザインソフト
- WordPress
使用するツールによっては、クライアントに設定してもらう必要があります。制作がスムーズに進行するように、事前に伝えておきましょう。
制作メンバー
制作に関わるメンバーが複数人いる場合は、メンバーを紹介しておきます。クライアントの安心感につながります。
- 営業担当
- ディレクション担当
- デザイン担当
- コーディング担当
公開後の運用について
公開後のサポート体制について記載しておきましょう。
公開後の修正
公開後は修正が発生しやすくなります。公開してから客観的にホームページを見れるからです。公開後の修正はどこまで対応するか、サポート期間を提示しておきましょう。この記載がないと思わぬ修正工数が発生し、トラブルに発展する可能性があります。
サーバー保守
ホームページはサーバーの管理を怠ると消滅してしまう場合があります。サーバー料金の支払い・更新、セキュリティーのアップデート・バックアップの取得など、サポート体制を明確にしておきましょう。
更新マニュアルなどの提供
WordPressなどの更新システムを使用している場合、クライアントは管理画面の操作方法に慣れていません。マニュアルの提供・レクチャーの有無を記載しておきましょう。別途費用がかかるなどの注意書きも添えておきます。
ブログ更新のサポート
記事の更新など、どの程度サポートするか記載します。記事の作成はクライアント側に行ってもらい、細かな修正などはサポートするなど、対応範囲を明確にします。
電話・メールサポートの体制
ホームページにまつわる質問を、どのように・どのくらい対応するか記載します。IT
に不慣れなクライアントの場合、基本的な知識の質問があることもあります。親身に対応すべきですが、工数がかかるため、問い合わせの線引きをしておくといいでしょう。
保守プランの提案を入れる
運用に関しての一切合切をまとめた「保守プラン」を作って、定期のサービスを提案しましょう。
いい提案はクライアントの協力を引き出せる
ホームページ制作は、クライアントの協力が欠かせません。クライアントとのコミュニケーションが滞れば、スケジュール通りに制作が進められなくなります。
企業のことをいちばん知っているのはクライアント自身です。いい提案をすれば、クライアントから重要な情報を引き出すキッカケになり、成果の出るホームページに繋がっていきます。成果が出れば、長い付き合いで仕事ができるようになります。
提案書はクライアントへのラブレターでありプレゼントです。
これまで紹介した提案書の項目を参考に、あなたしか作れない提案書を作ってください。

