ホームページへの導線を考えた運用・設計
ホームページはインターネット上に公開しただけでは誰にも見てもらえません。
見てもらうためには、認知や告知・宣伝をしてホームページの存在を知ってもらう必要があります。具体的には次のような戦略を考えます。
- Googleなどの検索エンジンへ知らせる
- インターネット広告を出稿する
- SNSなどを使って拡散してもらう
- 人と会って話す
これらの地道な広報活動によって、ホームページは認知されます。認知されてはじめて、顧客は問い合わせや商品購入などの行動ができるわけです。
この記事では、ホームページの導線となる手段をご紹介していきます。
検索エンジンからホームページへのアクセス
ホームページのアクセスで、いちばん代表的なことは検索エンジンからの訪問です。Google検索から、特定の検索キーワードで検索結果の上位に表示されることが、もっともアクセスを集める手段となります。
SEO(Search Engine Optimization)とはなにか
ホームページを検索サイトで検索上位に表示するには、SEO(Search Engine Optimization)といわれる技術を使います。
SEOは、ホームページのコンテンツが、検索ユーザーにとって有益な情報であるかをGoogleなどの検索エンジンに対して知らせる技術です。
- 適切な見出しがあるか
- コンテンツにボリュームがあるか
- ユーザーの悩みを解決できるか
- 検索キーワードの沿った内容か
これらの具体的な評価基準によって、Googleなどの検索エンジンは検索結果を決めているわけです。これらはほんの一部でしかありません。
SEOは特別な技術のため、ここで詳細を伝えることは割愛しますが、SEO業者が専門にいるなど高度な専門知識と技術が必要になります。計画や戦略を考え、時間と費用をかけて長期的に結果を出していくものです。
リスティング広告とは
リスティング広告(検索連動型広告)は、Google・Yahoo!などの検索サイトで検索したキーワードに対し、関連する広告を表示する有料広告です。検索結果の上部に表示される「広告」と付いたリンクがリスティング広告です。
リスティング広告では、クリック課金制(リンクをクリックした際に広告料金が加算される)が採用されています。表示された広告がクリックされてから初めて料金が発生する仕組みで、広告運用にはWebマーケティングの知識が必須です。
新商品のリリースやイベントの開催などに合わせて広告出稿することが多く、広告を目的としたランディングページやプロモーションサイトに誘導します。
短期的な集客効果があり即効性はありますが、継続的・長期的な集客には向いていません。
ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告は、Webサイト上に画像や動画、テキスト形式で表示される広告です。バナー広告ともいわれ、デザインされた視覚的な表現が可能です。
ディスプレイ広告は、ターゲットや配信先(配信サイト)を指定できるため、リスティング広告に比べ、ニーズの広い潜在層にリーチできる特徴があります。
配信媒体は主に、GoogleとYahoo!です。クリック課金(CPC : 広告がクリックされると費用が発生)または、インプレッション課金(CPM : 広告が表示されると費用が発生)を採用しています。
SNSからホームページへのアクセス
SNSからホームページへの導線をつくることは必須といっていいでしょう。さまざまな企業で公式にSNSが運用されています。
- YouTube
- TikTok
これら、代表されるSNSをすべて運用する必要はありません。ホームページのターゲットに合わせたSNSを運用しましょう。
SNSはまず認知・周知を目的としよう
たとえばTwitterは、140字の文字数制限があります。140字で事業の詳細な情報を伝えることは不可能です。また、時系列で情報が流れていくので、情報が人の記憶に残りにくいことがあります。
SNSではまず、認知・周知を目的とする運用をしましょう。
- ホームページ更新のお知らせ
- 新商品のお知らせ
- 緊急度の高い情報
SNSからホームページへ誘導し、より詳しい情報をホームページで伝えることが運用の目標となります。
SNSの最大のメリットは拡散性
いわゆる「バズる」というやつです。Twitterはとくに拡散性が高いSNSです。ユーザーの共感や納得が得られるツイートは、拡散され世の中に一気に広がります。それがきっかけとなり、ホームページのアクセスが瞬間的に伸びるのです。
フォロワーが多くなれば、自然と定期的にホームページにアクセスしてくれる人も増えます。
画像・動画系SNSの運用
Instagram・YouTubeなどの、画像系・動画系のSNSプラットフォームは、認知や認知活動に加えて、ブランディグに使われます。
テキストチャット系のSNSに比べ、視覚的な表現や音声・BGMなどの表現ができるため、ユーザーを楽しませるコンテンツとしての役割を持ちます。ユーザーに企業や製品に興味・関心を持ってもらい、実際に問い合わせや購入の検討へ誘導することが目的です。
成果を出すには、コンテンツのアイデアや作り込みが必要になるので、運用する際は、運用体制が整っているか準備を怠らないようにしましょう。
これらSNSを利用する目的は、ホームページへの導線をつなぐことです。ホームページにアクセスしてもらい、お問い合わせや商品購入などの成果につなげていきましょう。
オウンドメディア(ブログ)・noteからホームページへのアクセス
読み物系コンテンツからホームページへの導線をつくりましょう。
読み物系コンテンツで代表されるプラットフォームは、アメーバブログではないでしょうか。アメーバブログは、タレントや芸能人・文化人に特化しているものです。
ここ数年、noteを活用する企業が増えてきました。また、プラットフォームを使わずに自社でコンテンツの発信を行う、オウンドメディア運用も主流となっています。
オウンドメディアの目的
オウンドメディアとは、企業独自に解説されたブログコンテンツです。主に企業ブランディグやファンの拡大が目的です。ホームページ上では伝えきれない社内事情や商品開発秘話・従業員の個人的な発信をし、企業の文化やアイデンティティをユーザーに届けます。
外部プラットフォームを利用する意味
noteを代表するプラットフォームが使用される理由は、そのプラットフォームに特定のファンやユーザーが登録していることにあります。つまり、集客が簡単にできるメリットを活用しているのです。無名な企業でも記事を読んでもらえる機会があるわけです。
逆に、独自でオウンドメディアを運用している企業は、認知・周知がある程度できている企業といっていいでしょう。
note活用事例
noteを通じて、ホームページへのアクセス・ファンの拡大をしている企業の一部を紹介します。
KIRIN
https://note-kirinbrewery.kirin.co.jp/
パナソニック_ソウゾウノート
https://youth-note.jpn.panasonic.com/
文藝春秋digital
メディア出稿・プレスリリースからホームページへのアクセス
ホームページのアクセスはインターネット検索からだけではありません。
- 新聞広告
- 各種街角広告
- プレスリリース(PR・広報)
- 各種Webメディアへの掲載依頼
有料のプレスリリース配信サービスを使いホームページへの導線を作ります。新規サービス・新商品のリリースやイベント開催などの認知・周知に有効です。
ローカルなコミュニケーションからホームページへのアクセス
人に会ってホームページの存在を知ってもらい、口コミなどで広げてもらうことも考えましょう。
- セミナー・イベント登壇
- 他業種交流会
- 営業
- 折込チラシ
- 知人・友人・近所付き合い
これらのアナログな周知も有効な手段です。知り合った人の中には、個人的なSNSの発信力をもった方、いわゆるインフルエンサーがいるケースです。
Webを使った導線より確実性があります。Webを使った集客は、世界中にアプローチできる反面、相手が特定できません。一方、ローカルなコミュニケーションは対面でのアプローチになるため、相手に確実に情報を伝えることが可能です。
ホームページ公開直後は、まずはアナログな方法も検討しましょう。
認知から商品・サービス購入までのロードマップを考える
ユーザーがホームページに訪問するまで、お問い合わせや商品購入までをイメージして、コミュニケーションを考える必要があります。
顧客が行動をおこすまでのプロセスを理解しておきましょう。そのためにマーケティングの知識が必要になります。
AISCEAS(アイシーズ)
Web上で顧客が、購買・意思決定をするプロセスに「AISCEAS(アイシーズ)」という考え方があります。
- Attention(認知)
- Interest(興味)
- Search(検索)
- Comparison(比較)
- Examination(検討)
- Action(購買)
- Share(共有)
上記の単語の頭文字を取って「AISCEAS(アイシーズ)」といいます。
当たり前の話ですが、認知できない・知らないものは購入に至りません。まずは認知から始まります。顧客は商品・サービスの存在を認知したのちに、興味や関心を持ってくれるのです。
広告やキャッチコピーなどで興味を引き、顧客とのコミュニケーションを設計していきます。
https://hisashi-media.com/catch-copy/カスタマージャーニーマップ(購入までのストーリーを描く)
カスタマージャーニーマップとは、顧客の購買行動・感情の動きを考え、コミュニケーションの施策や方法を検討していく考え方です。
商品・サービスの認知から購買までを図式化し、購買までのストーリーやシナリオを作っていきます。
カスタマージャーニーマップの制作手順を簡単に紹介します。
- テーマを決める
- ペルソナを設定する
- 行動を洗い出す
- 行動をステージに分ける
- 顧客接点を明確にする
- 感情の起伏を想像する
- 対策を考える
- 視点を変えてアイデアを追加する
カスタマージャーニーマップを作ることで、顧客が何を求めているのか明確になり、戦略を立てやすくなります。導線やコンテンツを考える上で大きなヒントになるでしょう。
https://hisashi-media.com/copy-learn/benefit/ホームページを活用してWebマーケティングをしよう
ホームページは見てもらわなければ成果が出ません。公開した直後はアクセスがほとんどなく、時間や費用が無駄になってしまったと誤解する方もいます。
ですが、長期的な視点で正しくホームページ運用をすれば、必ず成果が出ます。この場合の成果とは、単にお問い合わせや売上だけではありません。検索エンジンへの対応やSNS運用を通じて、顧客のニーズを探ることも成果のひとつです。これらの観点はWebマーケティングの視点です。
ホームページ運用の最大のメリットはアクセス解析によって、数値としてデータ集計できることにあります。データを分析し、改善を行うことが、ホームページ運用の重要な目的なのです。
データを集計するためには、アクセスを集めることが条件になります。ホームページ運用には手間も時間も労力もかかりますが、大きな成果を上げる可能性があるのです。