フリーランス・個人事業主・業務委託ではたらくWebエンジニアは、プログラミングスキルとは別に、クライアント(仕事をくれるひと)に合わせて、さまざまなツールを使いこなす必要があります。
ホームページ制作に関わるWebエンジニアは、さまざまな職種の人と協力してプロジェクトを進行しなくてはなりません。
クライアントはもちろん、営業・ディレクター・デザイナー・エンジニア、それぞれ作業工程にあわせたツールを使っています。
Webエンジニアは、コーディングに必要なツールだけ使えれば仕事ができるかといえば、難しいでしょう。ホームページ制作の大部分は、コミュニケーションの時間に費やされるからです。
- コミュニケーションツール
- プロジェクト管理ツール
- メモツール
- デザインツール
- プログラミングツール
- 作業効率化ツール
Webエンジニアの方で、制作会社で実務経験を通らず、そのままフリーランスとして活躍される方も増えてきました。これらを満遍なく使えないと、フリーランスや個人事業主として仕事をしていくのは難しいでしょう。
かくいう僕も、個人・リモートでホームページ制作の仕事をしています。ただ僕は、前職、Web制作会社で仕事をしていたので、ツールの選定・使い方で迷うことはそれほどありません。
僕が制作会社で使用していたツールを紹介します。お役にたてれば幸いです。
フリーランス・エンジニアに必要なコミュニケーションツール
ホームページ制作・コーディングの仕様を確認するために、ディレクター・デザイナーとのコミュニケーションが必要です。また、公開時にはクライアントにホームページの仕様を説明することもあります。とくにリモートで作業をしている人は、相手に応じたツールも使えた方がいいでしょう。
リモート会議ツール
リモート会議ツールで代表的なツールを3つ紹介します。仕事だけに限らず、オンライン飲み会などのカジュアルなコミュニケーションにも使えます。
Zoom
Zoomビデオコミュニケーションズ社が提供するサービスです。無料で簡単に使えることから、国内でも多くの企業で使用されています。3人以上でミーティングに参加する場合は、最大で40分までの時間制限がある為、他のサービスを選択する企業があります。
Google Meet
Google社が提供するサービスです。従来は「Google ハングアウト」と呼ばれていました。会議URLの発行が簡単で、Googleアカウントがあればソフトをインストールする必要がなく、ブラウザで使用できます。
もともと「G Suite」と呼ばれるビジネス向けの有料サービスでしたが、2020年に無料で使用できるようになり、選択する企業も増えてきました。
Microsoft Teams
マイクロソフト社のサービスです。Microsoft 365アプリケーションの一部で、2017年に世界中でサービスを開始しました。Microsoft WordやMicrosoft Excelとの親和性があり、マイクロソフトOSを使う会社で多く使われています。
バーチャルオフィスツール
リモートワークのデメリットは、孤独になりやすく相談相手・雑談相手が身近にいないことです。リモートワークは個々の仕事環境・作業環境が基本にあり、チームとしての連帯感や一体感が感じられにくいのです。
そこでコミュニケーションが取りやすい環境を作るために、バーチャルオフィスを立ち上げる企業が増えてきました。
oVice
アバターを動かし、相手のアバターに近づくことで会話ができるようになります。逆にアバターから遠ざかると会話はフェードアウトしていき、リアルオフィスに近い環境を仮想空間で再現できます。
SpatialChat
フリープランも用意されているため、試しに使ってみると良いでしょう。基本的な機能はoViceとだいたい同じで、画面の構成やUIが違うといった感じです。ビデオチャットや資料の共有・テキストチャットなど、コミュニケーションに必要な機能は基本的に備わっています。
これらのバーチャルオフィスツールは、まだまだ進化している最中です。新しい機能がどんどん追加されています。
Googleツール全般
IT系の企業では、Googleのツールをよく使います。Gmaiにはじまり、ドキュメントやプレゼンソフト・表計算ソフトはフリーランスで働くなら必須のツールと言えるでしょう。
Googleのツールは、アカウントがあれば多数のアプリケーションが使え、連携の機能があること・複数人で共同編集できる機能が最大のメリットです。
Googleドキュメント
マイクロソフト・Wordと同じように文書作成ができ、Wordファイルとして保存もできます。議事録、ホームページで使用するテキスト原稿の作成、WordPressの操作マニュアル作成などに使用します。
Googleスプレッドシート
Excelと同じように表計算ができ、Excelファイルとしても保存できます。スケジュール管理・進捗管理などのガントチャート作成やサイトマップなどの設計に使用します。
Googleスライド
PowerPointと同じようにプレゼンテーション資料を作成ができ、PowerPointファイルとして保存できます。プレゼン資料の作成・制作指示書・ワイヤーフレームなどに使用します。
タスク管理・スケジュール管理ツール
ホームページ制作の現場では、スケジュール管理や制作・進捗管理をほとんどの場合、ガントチャートで行います。
営業、ディレクターからのスケジュール共有や作業担当者の割り振りなど、ツール内でできることが多く、さまざまな企業で採用されています。
リモートワークエンジニアがよく使う管理ツール
- Googleスプレッドシート
- Trello
- Backlog
- Asana
- Jooto
代表的なタスク管理ツールをご紹介します。
Trello
カード型(かんばん方式)タスク管理ツールです。ホワイトボードにポストイットを貼っていくような感覚で、タスクのステータスはドラック&ドロップで簡単に移動できるなど、使い易く、直感的に操作できるUIになっています。
また、ほか作業者のタスクを見ることもできるので、プロジェクト全体の進捗を把握することが簡単にできます。無料版の提供があるので、試しに使ってみましょう。
Backlog
ガントチャート式のタスク管理ツールです。ガントチャートは、横軸に日付、縦軸にタスクが表示されており、ウォーターフォール方のホームページ制作に向いています。ファイル共有やコメントの連携機能も備わっていて使い勝手がよく、大手企業も導入しているツールです。
テキストチャットツール
リモート作業でのコミュニケーションは、チャットでのやりとりが中心となります。作業指示やファイル共有など、ほとんどの場面で使用するので、フリーランスで仕事する方は、必須のツールです。アカウントを作って、使い方を知っておくなど事前に準備しておきましょう。
フリーランス・エンジニアが使っておきたいツール
- Slack
- Chatwork
- Typetalk
- Microsoft Teams
Slack
プロジェクトごとにチャンネルを立ち上げて、メンバーを招待できるなど便利で使いやすい機能が豊富に備わっています。使用している企業も多く、クラウドワークの募集にはSlackの使用が条件に入っている案件も多くあり
メモツール
簡易的なメモの保存、議事録やToDoリストの作成などにメモツールを使うケースがあります。
フリーランス・リモートワークエンジニアの作業効率化を手助けしてくれるツール
- Evernote
- Notion
- Dropbox Paper
- Google Keep
Notion
テキストドキュメントの保存や、ファイル共有・埋め込み、プログラミングコードの保存など、さまざまな機能を兼ね備えたツールです。外部サービスなどの連携機能もあります。無料版があるので、導入コストがかからない点もよく利用される理由です。
これらは必要に応じて使うツールなので、必須ではありません。作業効率化の手助けをしてくれるツールなので、個人的な用途で使ってみるといいでしょう。
フリーランス・リモートワークエンジニア必須のツール
Webエンジニアは、コーディングのためにさまざまなソフトを使わなくてはいけません。エンジニア特有のツールを列挙します。
- デザインツール
- Adobeデザインツール(イラストレーター・フォトショップ・XD)
- テキストエディタ
- VS Code(Visual Studio Code)
- GitHub
エンジニア採用の募集には、GitHubの使用が条件として明記してある企業があります。クライアントの作業環境に合わせることが、フリーランスや個人事業で仕事をしていくための第一歩になります。
フリーランス・リモートワークエンジニアの生産性の上がる作業環境
リモートワークは場所を選ばずどこでも仕事ができるなど、いいイメージばかり先行している気がします。しかし実際は、生産性を求められ、時間のプレッシャーを抱えながら仕事することになります。生産性を上げるために作業環境を整えることはとても大切です。
- 整理・整頓された集中できる作業環境
- 外部モニターの使用
- スタンディングデスクの使用
- 相談しやすい人間関係
- 調べ物がしやすい環境をつくる(電子書籍)
これらは、ぼくが個人的にしている作業環境の工夫です。次の記事で詳しく解説しています。

フリーランスエンジニアはツールを使ってみる好奇心が大切
ツールの存在を知っていることが大切です。そして、とりあえず使ってみる自分の好奇心を大切にしましょう。
IT業界は進化のスピードが早く、ツールの入れ替えも頻繁に起こります。とくにエンジニアは新しいツールに敏感で、はまず使ってみる好奇心の強い方が多い職種です。
フリーランスで仕事をしていくには、高いコミュニケーション能力がないと、余計なストレスを生んでしまい、継続的な仕事に繋がらないケースもあります。ツールの使用でつまずかないように、いろいろ試しておきましょう。
そして、エンジニアとしての正当な評価をしてもらえるように、ツールをうまく使いこなしてくださいね。

