成長日記

どんなことばが残るだろう

人は死ぬ間際、どんな言葉が残されるんだろう。

そんなことを考えていました。

介護現場で働いていると、いろんなおばあちゃん、おじいちゃんとふれあう。

人生の先輩から学ぶことは多く、人生それぞれを垣間見る瞬間がある。

あるおばあちゃんの口癖は「いつもお世話になります」「ありがとう」「ごめんね」ばかり。人への感謝のことばや謙遜。下手に出ているわけではなく、そんな必要もない。その人が生きてきた生き様からでる、いっさいの嫌味のない言葉たちだ。

あるおばあちゃんの口癖は「これやって」「あれやって」「あれ欲しい」「あの人がどうだ」ばかり。他人への要求や不平不満が先にでる。

どちらのおばあちゃんも、高齢で物忘れもひどく認知症を患っている。いままで生きてきて覚えたことばたちを、日を追うごとに忘れていっている。脳がことばの選択や制御をできないから無意識からでることばだ。

ふたりのおばあちゃんの、残ったことばの違い。

ことばの違いによって、人の接し方は変わる。介護職で働く人たちは差別しない。しかし、人対人のコミュニケーションにおいて、聴きたくない言葉を発してる人には、なるべく近づきたくないと思うのも心情だ。

いま生きている中で、自分がどんなことばを多く使っているのだろう。これからどんなことばを使っていくのだろう。

ひとに安心感を与えることばもあれば、一瞬にして心を壊すことだってできてしまう。

ぼくは、ひとが集まることばを残していきたい。